平成23年10月7日開催の本講演会では,講師として2年前に本研究科博士課程後期を修了した,東京大学物性研究所助教の近藤晃弘氏をお招きして,「研究職への道」というタイトルでご講演いただきました。
最初に,ご自身の略歴を物理学と関連づけてお話しいただきました。
次に,現在勤務されています東京大学物性研究所での超強磁場の研究や日常の様子などについてお話しいただきました。
続いて研究者になろうと思った動機についてお話しされました。当初野球部の監督になるために高校教師を目指して広島大学理学部に入学したものの,あまり得意でなかったという物理学を学ぶうちに自分と同じ名字のついた「近藤効果」という言葉があちこちに出てくるのがきっかけで,在学中に「近藤効果」を理解することを目標とし勉学に励みました。そのうちに教師的な役割と研究的な役割を併せ持つ「大学教員」という職業に魅力を感じ,博士課程後期進学を目指すようになったそうです。
先端物質科学研究科博士課程前期に進学して,M1の夏に初めて東京大学物性研究所で出張実験をしたとき大きな衝撃を受け中央の壁を痛感したようです。そして,M2になってから,研究者としての自我が芽生え,本格的に研究に打ち込むようになったそうです。
博士課程後期に進学してからは,研究室内での立場の変化を自覚し,楽しい雰囲気になるよう自ら引っ張って来られたそうです。既に社会人となった同世代の友人とのギャップを感じ,先の見えない将来に対する恐怖心を克服し,D3の夏に現在の研究所に採用が決まり,早期修了することになりました。
そして,研究職に就きたい学生へのアドバイスとして,アカデミックポストを得るための道のりはとても厳しく,博士課程後期に進学するには後には引けない覚悟が必要であること,さらにその覚悟を持って進学した学生には,
1.常に危機感を持つこと (ライバルは見えないところにいる。3年間はあっという間)
2.常に前を向く (研究室の雰囲気はドクターが作るので暗くなってはいけない)
3.自分の武器を見つける
との言葉をいただきました。多くの困難はあるけれども,アカデミックポストは好きなことで飯が食えるという意味で非常に魅力的であり,困難を乗り越えてこそ“真のプロフェッショナル”だと言えることです。
最後に,ノンフィクション作家の山際淳司氏の言葉を引用して締めくくられました。
『うずくまった人生ではなく,自由を追い求める人生を!』
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