大学院文学研究科・文学部
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古代から現代まで三千年以上にわたる中国世界の精神文化について,思想や文化の研究という方面からアプローチする分野です。
日本文化の一つのふるさととして,中国の精神文化はわれわれの血となり肉となっています。それとともに,中国の思想それ自体には,日本文化の感覚からは驚くほどの異質なものが感得されます。そうした異質さを含みながらも,さらに,近代西洋と関ってきた過程をみれば,中国と日本との間には東アジアの一員としての共通面も多くあります。しかし同時に,近代化の歩みは日本と中国とで大いに異なります。 こうしたことのどの点をみても,まことに興味はつきません。 これらの興味から出発し,そこにみえる文化現象がなぜそうなのかという根底から原理的に理解しようとするのが,ここで学ぶ中国思想文化学の世界です。 素朴な感覚,感情を大切にしつつ,そこから飛翔してはじめの疑問を客観化していくところには,限りない面白さがあります。
本分野では,このような多様な興味・関心を究めていく基盤を築くべく,多岐にわたる中国の思想文化の諸相をそれ自体としてとらえることを学びます。恵まれた教育・研究環境の下で,学生は自分の研究テーマを自由に選択し探究することができます。 本分野の専任教員は現在3名おり,中国の精神文化の柱となっていた儒教に対してはもとより,古代・中世思想の源泉となる戦国の諸子百家や古代諸文化,また近世思想の展開に衝撃を与えた仏教や道教分野の教育にも対応できます。さらに近代との接点では前近代のすべての思想が問いただされたため,この問題はスタッフ全員にとって関心のある所です。 その思想文化探究の基礎的方法となるのは,文献資料の丹念な読解と解析であり,その文献の多くはいわゆる漢文資料です。 そこで学生は,1,2年次に中国思想文化に関する基礎教養を学ぶとともに,漢文訓読と中国語による資料読解の基礎技術を身につけます。そしてその読解力を鍛えながら,3,4年次にはそれぞれ関心ある研究対象を絞り込んで自分の力で原典資料を読んでいきます。また先行研究論文の読み方を学びます。最後に,資料との対話の中で各自が受けとめた問題を卒業研究で表現することになります。 中国の思想文化について自分の頭で問題を洞察し理解していくよろこびは,きわめて大きいものがあります。教員スタッフは,学生全員がこのよろこびを獲得できるようにと願って学生とともに奮闘しています。 分野研究室では豊富な資料を直接閲覧できます。ここは,学部生から大学院生までへだてることなく共同で使用する予習・自習・研究の場であり,また,学年を越えた幅広い人間交流の場でもあります。
本分野で学ぶ事柄は,目先の仕事に直接に役に立つというものではありません。しかし,良きにつけ悪しきにつけグローバル化した情報化社会において,情報のただの消費者ではなく,発信者として生きるために必須となる,ものごとを原理的に深くみつめ,判断する姿勢が,本分野で学ぶことにより身につきます。 変貌する東アジア,そして中国の文化を原理から理解したい方を心から歓迎いたします。