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広島大学の名講義 2010年度後期
広島大学の名講義
広島大学工学部では各学期の終了後に、受講生に授業評価アンケートを実施しており、その中で「名講義」に推薦するかどうかを尋ねています。以下の授業が2010年度後期の学部の「名講義」の上位8科目に挙げられました。(ただし、演習や実習、受講者10人未満の講義は除いています。また、説明文は講義概要や到達目標等から抜粋しています。)
光波工学
  角屋 豊
  この授業では,光通信,物質計測,光画像処理などの基礎をなす,光の波動としての性質,および種々の現象や光学素子の機能との関連について講述する。
この授業で学習する主な内容は以下の通り。
(1) 平面光波の反射と屈折
(2) 光波の干渉
(3) スペクトルとコヒーレンス,光パルス
(4) 回折とレンズによる集光
(5) 光導波路

なお,「知識・理解」,「能力・技能」の評価項目は,下記のとおりである。
電気・電子・システム・情報系プログラムにおける「知的能力・技能」のうちで,「電気・電子・システム・情報の各分野において共通して必要とされる応用的問題に対する定式化能力とその解決能力」
基礎化学工学
  迫原 修治
  本科目では,化学工学のみならず工学の広い分野で重要な基礎的概念である,流体の流動現象,熱の移動現象,物質の拡散現象の概念を修得し,これらの現象の定量的,数学的表現法を学習し,移動現象の速度論的基礎を学ぶ。

なお,「知識・理解」,「能力・技能」の評価項目は,下記のとおりである。
(1) Newtonの粘性の法則と運動量流束の概念,Fourierの法則と熱流束の概念,Fickの法則と拡散(物質)流束の概念のイメージを修得する。
(2) 層流・乱流の概念を修得する。Reynolds数の定義と物理的意味を修得する。運動量収支(Shell Balance)から層流の速度分布が導出できる。
(3) 流体摩擦係数の定義を修得する。圧力損失が計算できる。
(4) 機械的エネルギー収支式(Bernoulliの式)の概念および物理的意味を修得する。
(5) 拡張されたBernoulliの式を修得する。ポンプの所要動力が計算できる。
(6) 熱伝導による温度分布および熱流束がShell Balanceから導出できる。
(7) 温度境膜,伝熱係数の概念を修得する。Nusselt数,Prandtl数の物理的意味を修得する。
(8) 熱交換器における熱交換量が計算できる。総括伝熱係数の概念を修得する。対数平均温度差の概念を修得する。
(9) 二重境膜説の概念,および境膜物質移動係数,総括物質移動係数の概念を修得する。
計算力学
  岩本 剛
  計算力学とは,力学系に対する数学モデルをコンピュータに組み込み,その力学的応答を数値シミューレーションにより研究する学問である.近年,流体,固体材料や構造物の力学解析および設計においては欠くことのできない手法となっているマトリックス解析法や有限要素法(FEM)の基礎理論と計算手法を修得する。
(1) FEMを学ぶ上で基礎学問となる変分法を良く理解する。
(2) 固体材料や構造物の有限要素解析の定式化で用いる基礎式について学ぶ。
(3) FEMの基礎原理である仮想仕事の原理 および最小ポテンシャル・エネルギの原理を学ぶ。
(4) FEMの定式化および計算方法を学ぶ。
(5) コンピュータ実習によりFEMを用いた力学シミューレーションを行い,実際の設計で実用できる能力を養う。
量子化学I
  定金 正洋
  化学の全ての分野で必要となる原子・分子の微視的構造を学ぶために必要不可欠な量子論を学び、波動関数、固有状態などの量子論の基礎的概念を理解することを目標とする。続いて、簡単な力学系に量子論を適応した結果について学び、具体的な例を通して量子論についての理解を深め、3年次に開設される化学結合論や分子分光学を学ぶための基礎知識を養う。 
耐震構造
  荒木 秀夫
  地震国日本の耐震設計における1次設計法、2次設計法および動的設計法について具体的に解説し、基礎的知識を修得させる。また、最近の建築基準法の改定に伴う新しい設計法(限界耐力計算法)についても講述する。本講義の受講により耐震設計の実務を理解し、実際に構造設計ができるようにする。
本講義の関連するJABEE学習・教育目標は、建築技術者としての倫理感の育成と建築専門知識(建築構造・材料・生産の専門知識能力)の習得であり、下記の授業の内容・計画等の欄中に、授業内容ごとに、かっこ付きで示す。
以下の専門的基礎能力を習得することを授業の目標とする。
(1) 地震に対して安全な鉄筋コンクリート建築物を設計するための基本的考え方を理解する。
(2) 実験資料や震害記録を通して鉄筋コンクリート建築物の地震時の挙動を理解する。
(3) 実験資料や震害記録を通して鉄筋コンクリート建築物の耐震設計の基本的考え方を理解する。
(4) 地震力を受ける建築物の剛性とせん断力分布を求めることができる。
(5) 地震力を受ける建築物の保有水平耐力を求めることができる。
(6) 地震力を受ける建築物の動的特性を求め設計することができる。
輸送機器環境工学プロジェクトII
  濱田 邦裕
岡澤 重信
田中 義和
竹澤 晃弘
  実際の物作りおよび授業の節目に実施するプレゼンテーションを通じて,以下の能力を修得させる.
(1) 講義等で得た工学的手法を駆使し,制約された条件下で計画的に物作りを実施し,目標を達成する能力を修得する.
(2) 設計・製作内容の要旨を論理的にまとめ,発表・討議することによってコミュニケーション能力を修得する.
(3) 制約条件を踏まえて,複数の設計案を提案し,それらの優劣を評価して適切な設計案を選定する.
構造強度学
 

北村 充
田中 智行

 

(1) 船舶,航空機など各種構造物の設計を行うために必要な構造物の強度を学ぶ.(問題構成力*1
(2) 材料力学,構造力学,構造解析学などの数理計算に基づいて,構造物の強度的な問題点を認識できる.(問題発見力*2
(3) 種々の破損モードについて,荷重と強度の関係を勘案して構造物の安全性を評価できる.(評価力*3

なお,「知識・理解」,「能力・技能」の評価項目は,下記のとおりである。
輸送機器環境工学プログラム中の以下の評価項目に関係する.
*1 問題構成力:問題を論理的に整理し,技術的問題を構成できる能力
*2 問題発見力:国際社会,地域社会における自然と人間とのかかわりを理解し,問題点を認識できる能力
*3 評価力:複数の解決案を提案し,その結果を予測して,優劣を評価できる能力 

社会基盤プロジェクトマネジメント
  土田 孝
田中 栄治
松田 好史
大島 一哉
玉井 信也
石井 誠一郎
 

社会基盤の建設及び維持管理の実務に携わる専門家が、最新の事例に基づいて事業のマネジメント、施工技術、維持管理技術、環境対策について講義する。建設事業を企画し、施設を維持管理する上で必要となる土木行政・土木法規、建設事業のマネジメント手法、建設工事の実際を学ぶことで、建設事業が企画立案されてから終了するまでの流れを示す。具体的な事例として、エネルギー事業、鉄道事業、海外工事に関連した建設・維持管理の実務を紹介する。

「知識・理解」「能力・技能」の評価項目:
(1) 社会基盤事業に関わる法律など各種制度の概要を説明できる。また、地域の文化的・社会的条件を考慮した建設事業の事例を説明できる.また、建設事業の実施における入札・契約制度の概要、安全性及び環境問題を考慮した施工上の工夫について説明できる.
(2) 現場見学を通じ, 施工および安全管理、環境配慮の実状を理解する.

(3) さまざまな建設事業の事例にふれてその特徴を理解し、学んだことをまとめることができる。今後の建設事業・建設技術について自分の意見を述べることができる.