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工学研究科長挨拶

広島大学 工学研究科長
吉田 総仁

広島大学工学研究科長 吉田総仁
 

 

 広島大学は世界のトップクラスの研究を行う大学院を中心とした総合研究大学です。工学研究科では人と社会・産業界に役立つ基礎と応用分野の先端的研究と教育を担っています。

 広島大学工学研究科は、平成22年4月に大幅な改組を行い、新しく9専攻体制として出発しています。これらの専攻には、博士課程前期課程(修士課程に相当する2年間のコース)とそれに引続く博士課程後期課程(3年間コース)があります。既に社会人として工業界・実社会で活躍している技術者・研究者のための特別コース(博士課程後期は全専攻、前期はシステムサイバネティクス専攻に設置)も用意されています。また、世界中から優秀な留学生が集ってきています。工学研究科は従来から「知的自由」と「知的自立」を教育・研究理念として掲げています。とりわけ大学院教育については次の5つの教育目標を設定しています。

    • 創造力豊かな人材育成
    • 人・社会・自然との関わりを重視した教育
    • 基礎学力の養成を基にした発展性のある教育
    • 情報化・システム化に対応した教育
    • 国際化への対応と国際協力の進展のための教育

 こうした教育を通じて、新しい基礎技術開発に創造的に取り組み、自ら課題を設定しそれを解決できる能力を持つ高度専門技術者・研究者を養成しています。

 工学研究科ではとりわけ教育研究の国際化に力を入れています。国際化とは、一方では国際競争であり、他方は国際協力・貢献です。例えば、世界から高く評価される論文を国際学術誌や国際会議で発表をすることに教員・大学院生が日々精進していることはまさに国際競争ですし、海外の大学・研究機関と共同で進める研究活動は国際協力です。教育においても多くの留学生を受け入れると同時に、すべての大学院生がそれぞれの課程修了時には海外の第一線で活躍できるような研究遂行・国際的情報交換・成果発信能力などを身に着けられるような教育を目指しています。

 我国は、技術立国として、常に新しい工業製品を開発・製造し、それを世界に広げることで経済的基盤をつくってきました。また、環境、福祉工学など、その研究成果が人々の日々の生活に役立つ分野も多くあります。これらのことは引続き極めて重要なことはいうまでもありませんし、工学研究科はとりわけこうした分野で社会に大きく貢献してきたことに誇りを感じています。一方、科学技術の進歩と工業の発展が直ちに人類の幸福につながるというほど物事は単純ではありません。エネルギーの大量消費と環境問題、軍事技術・産軍共同体と戦争の関係、核兵器開発による人類存亡の脅威、遺伝子操作と人類の将来など多くの重たい課題も同時に提起されています。また、最近の世界経済危機やそれによる深刻な雇用問題の発生などは,科学技術・工業の発展が適切な社会・経済システムの中でのみ人類に幸せをもたらすことを逆説的に示しているといえます。

 当工学研究科では、幅広い教養と実力を兼ね備えた技術者の養成、世界をリードする高度な研究、循環型社会実現のための方法論の構築、などこれからの社会を良くするために貢献するつもりです。

 優秀なる大学院生が多数入学され、工学研究科が活発な教育・研究の場となることを願っています。