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【研究成果】オタマジャクシの背中側にも足が生えることを世界で初めて示しました

本研究成果のポイント

  • カエルのオタマジャクシの尾切断端から新たな足が生じる現象を使って、尾の腹側だけでなく、背中側にも実験的に足を誘導できることを世界で初めて示しました。

概要

広島大学両生類研究センターの田澤一朗助教および矢尾板芳郎教授は、カエルのオタマジャクシの尾の背中側に足を実験的に誘導できることを示しました。脊椎動物の背中側にも足(ここでは太ももから爪先までのこと。「肢」と同義)を発生させるポテンシャルがあることを発見したのは世界で初めてです。カエルのオタマジャクシの背中側に足が生えたことは「再生中の尾において、部分的に頭尾軸と背腹軸の位置情報が逆転した」ことで説明できます。

本研究成果は、2017年12月に日本発生生物学会機関誌「Development, Growth & Differentiation」にオンライン公開されました。

2月2日、本件について、広島大学東広島キャンパスにおいて記者説明会を行いました。

説明を行う田澤助教(左)と矢尾板教授(右)

図1. オタマジャクシの尾部背側から生じた後肢

図2. 過剰肢が誘導された個体の透明骨格標本

田澤一朗助教からのコメント

なぜ尾は足ではなく尾なのでしょうか。切った尾から足が生えるメカニズムを解明すれば、その答えにたどり着くかもしれません。答えにたどり着けば、いろいろな器官を自由に作り出せる医療技術につながるでしょう。

論文情報

  • 掲載雑誌: Development, Growth & Differentiation (59: 688-700)
  • 論文題目: Vitamin A induced homeotic hindlimb formation on dorsal and ventral sides of regenerating tissue of amputated tails of Japanese brown frog tadpoles. Development
  • 著者: I. Tazawa and Y. Yaoita
  • DOI番号: doi: 10.1111/dgd.12407
【お問い合わせ先】

広島大学両生類研究センター
助教 田澤 一朗

TEL: 082-424-4495
FAX: 082-424-0739
E-mail: itazawa*hiroshima-u.ac.jp (*は半角@に置き換えてください)


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