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[研究成果]「かわいいものを見ると集中できる」ことを発見しました!

 広島大学大学院総合科学研究科の入戸野 宏(にっとの ひろし)准教授らの研究グループは、幼い動物のかわいい写真をみた後には、注意を必要とする作業の成績がよくなることを実験によって示しました。


 入戸野准教授らのグループは、大学生132名を対象として3つの実験を行いました。幼い動物(子犬や子猫)の写真7枚を好きな順番に並び換えるという作業を1分半行わせたところ、手先の器用さを必要とする課題(実験1)や指定された数字を数列から探して数える課題(実験2)の成績が、写真を見る前と比べて、それぞれ44%、16%向上しました。幼くない動物(犬と猫)の写真を並び換えた大学生では成績向上は生じず、おいしそうな食べ物の写真を並び換えることにも効果はありませんでした。実験3では、かわいい写真を見ることが注意の範囲に与える効果を検討しました。ヒトは通常対象の細部よりも全体に注意を向けるので、全体的な特徴の方がすばやく処理されます。しかし、かわいい写真を見た後には細部が注目されるようになり、細部と全体の処理に要する時間に差がなくなりました。「かわいい」という感情には対象に接近して詳しく知ろうとする機能があるために、このような細部に注意を集中するという効果が生じたと考えられます。


 本研究の結果は、かわいいものを見ると気分が良くなるだけでなく、行動も変わることを示しています。「かわいい」は、キャラクターや商品として生産されるとともに、日本のポップカルチャーを代表するキーワード(kawaii)として世界に拡がっています。しかし、かわいいとは何か、かわいいと何がよいのかについては、これまで学術的な説明がなされていませんでした。今回の知見は、かわいいものが普及する心理的背景を説明する一つのヒントとなると期待されます。


 本研究成果は、2012年9月27日(木)午前6時(日本時間)発行の科学誌「PLOS ONE」(http://dx.plos.org/10.1371/journal.pone.0046362)のオンライン版で公開されています。

※本研究はJSPS科研費 23330217「“かわいい”感情の機能に関する行動科学的研究」の助成を受けたものです。


【お問い合わせ先】
広島大学大学院総合科学研究科 准教授 入戸野 宏
nittono@hiroshima-u.ac.jp(@は半角に変換してください)

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