エクステンションセンター > お知らせ - 記事詳細

お知らせ - 記事詳細

広島夕学講座「ダビンチ的発想 -迅速な災害リカバリー(孤立化対策)のための、折り紙から伸びる橋の発想-」(工学研究院 有尾一郎助教)を開催しました。

7月13日(火)の広島夕学(せきがく)講座では,通常のインターネット配信による講座とは異なる,本学大学院工学研究院の有尾一郎助教による講演を広島商工会議所と連携して開催しました。

講演は、昨年の兵庫県佐用町の大雨被害により、合計22箇所の橋が流された被災現場の写真の説明から始まりました。二軒の民家があった場所のすぐそばの橋が寸断された写真の説明があり、写真には橋が流されたはずなのに細い橋のようなものが渡されている様子が見えています。住民の方にお話を聞いたところ、災害直後にその場所にどうしても人の渡れる橋が必要であったとのこと。橋が無いと向こう岸に行きたい時、その度に危険を冒して一旦川土手を下りて向こう岸に渡り、再度土手を上がらなくてはなりません。その不便さ・危険さを解消するため親戚の人たちと協力して,木製の手作りの応急的な橋を作ったという話を聴いたとのことでした。とりあえず橋があることにより被災後の生活のレベルが少しでも上がります。このことからもとにかく災害後早期に人が渡れる応急橋が必要であることを痛感したとのことでした。現在でも行政においては災害復旧用の応急橋がありますが、運搬に一週間、設置に一週間が必要であり、さらに設置するためにはクレーンなどの重機が必要で、設置作業を行うための広い場所も必要であるなど設置条件が多いため稼働率は非常に低いという現状があるとの説明がありました。そのために、できるだけ迅速に簡易に設置できる応急橋が必要であり、住民にとっての災害時のためのツールとしてモバイルブリッジが必要であるという説明でした。

また、ダビンチが構想した橋で現在ノルウエーで再現されている橋の紹介もあり、併せて同じくダビンチが構想した「モバイルブリッジ」の紹介もあり、構造は先生のものとは全く異なりますが、戦争時に攻めるときに架け、攻められたときは外すという、機動的、軍事的な橋であったとの説明でした。

そして、モバイルブリッジの発想の経緯の説明がありました。子どものおもちゃのマジックハンドの伸び縮みがヒントになったことや、長い棒や柱などが縦方向に圧縮荷重を受けたときにある限度を超えると横方向に曲がる「座屈」という現象、座屈はナノレベルの微視構造から巨視的な地質学のしゅう曲現象まで包括する構造不安定性の根幹的なもので,これまでは建造物にこの座屈が起こらないように考えられていましたが、橋をコンパクトに折り畳むために逆にこの座屈による「折り」を有効に利用するための研究を行ったことの説明がありました。

さらに「座屈」の原理の応用で、ゴミの体積減量化のため、ペットボトルをつぶすことに応用したこと及び衝突・衝撃の際の耐衝撃緩和機能にも利用できるのではないかという,利用と活用の視点から「うまい座屈のさせ方(理想的な折畳まれ方)」を考えているとの説明がありました。

そして最後には、「モバイルブリッジは大丈夫、なぜなら折り紙付きだから」というジョークで締めくくりました。

参加者はモバイルブリッジやつぶせるペットボトル等の説明を興味深い様子で聴講されていました。

当日の資料はこちらでご覧いただけます。

この記事に関するお問い合わせ先
エクステンションセンター
電話:082-424-6140
Eメール:extension-center(a)office.hiroshima-u.ac.jp  (a)は@に置き換えてください。

ページのトップへ