名前:マリッセ・サンチェス・トレス
国籍:コスタリカ
専門:比較教育学
所属:教育学研究科 教員研修プログラム
趣味:ダンス(一般的な音楽やトロピカル音楽)、アニメを描くこと、工芸、サッカーなど
教員研修プログラムの一環で、比較教育学を専門に勉強しています。研修プログラムの期間は1年半で、もう1年が過ぎました。
ええ、何年間か小学校の教員をしていて、コスタリカ大学の教員もしています。日本の文部科学省の奨学金が得られたのでこちらに来ました。
そうですね。世界的に評価されているフィンランドの(教育)モデルに取り組んでいます。コスタリカの識字率は97%を超えているのですが、シラバスを改訂しようとしています。(というのは)コスタリカにはしっかりと構成された「特別活動」、例えば放課後のクラブみたいな時間がありません。(だから)スポーツや芸術、文化といった時間が特に注目されています。
日本では授業計画、特別活動、道徳の3分野を勉強することにしています。日本での観察をもとに、これらを改善していくような方法をコスタリカの教育省に提案できるようになりたいです。
ええ、例えば参観日ですね。日本では、毎月行われていて、親が授業を見て、子どもと交流することができています。コスタリカではそういう参観日はそれほど頻繁には行われないし、親もただ見るだけです。
それに、日本では生徒と親が課外活動に参加するのが必須になっています。
その通りです。1940年代から軍隊を保有していません。今の大統領は「問題解決のために軍隊は必要ない。必要なのは人々と平和的に議論できる賢明な言葉だけだ」と言っています。コスタリカの人は日本の人と同じでとても平和的です。日本とコスタリカは全く違う背景を持っていますが、平和を愛するということになると共通していますよね。
日本の平和教育については、全ての教育段階でとてもうまく実施されていると思います。こちらで初めて平和教育の授業を受けた時には、将来は研究分野を(平和教育に)変えてみようかと思いました。
2つの見方があるのかな。一つは、昔の日本に関することで、有名な文化遺産が豊富にあるということと、もう一つは今の日本はおしゃれで芸術的な人たちだって思っているということ。一般的に日本ではみんなアニメを描けるってコスタリカの人たちは思っていますよ。(笑)
そんな!でもそれが一般的な考えなんです。若い世代では「漫画文化」にとても興味を持っています。
ええ。自分のデッサン集も持っています。これがスケッチブック。他にもあるんですが、家にあります。
(絵を見せながら)絵を描くのがとても好き。
漫画は美しくて、芸術性のある表現だと思います。
アニメそのものに興味があるわけではないんですが、いろんな線やいろんな動き、ジェスチャーがとても生き生きしていてあざやかだから。素敵な想像の世界に浸れます。いつか退職したらアートの世界に入っていきたいです。
そうそう、面白いですよね。子どもの時からこうしたアートとともに育ってきました。みんなにとても人気があります。
そうですね。今ではアニメの多く、特にテレビゲームがとても攻撃的で暴力的なのがあります。それが原因で子ども同士が衝突するというケースもよく見られます。親も教育者もこうしたことを分かって、子どもにきちんと説明しないといけないですよね。
でも一方で、アニメの中にはいい価値観を強調して子どもに伝えているのもあります。だからアニメからいい結果になることもあるということを考えることも必要です。
とても気にいっています!たくさんの友達、日本人の学生や世界中からの留学生と友達になっています。私にとって日本は人生の学校みたいなもの。これまでとても素敵な人に出会いました。いつも何でも助けてくれるホストファミリーや友達がいます。
いろんな機会に集まっては、喋って、楽しんで、笑って、毎週、誕生日会をやっているみたいなものですね。
サルサダンスクラブに入っています。ダンスが好きなんです。ラテンの人たちはサルサやメレンゲ、クンビア、レゲエのようなトロピカル音楽が好きです。
でも日本の踊りも楽しいですよ。徳島に行って阿波踊りの踊り方を習ったことがあります。忘れられない経験になりました。
最初の印象・・・ええと困ったな。コスタリカではとても小さい町に住んでいるので、西条ってとても大きな町に見えるんです(笑)。(日本は)公共の交通機関や公共サービスが整っています。コスタリカではサービスのほとんどが「ティコタイム」つまり、思っているよりも時間がゆっくりとしています。
ええと驚いたこと・・・いっぱいあります。例えばどこにでも非常ベルがあって、時には困惑しますよね。2回ほど間違えてボタンを押してしまって、突然、人が心配そうにいっぱい集まってきたことがありました。セキュリティシステムがすごいのでびっくりしました。他には、コスタリカにはホットスプリング(温泉)がありますが、日本の温泉とは雰囲気も入り方も違いますし。
困ったことと言えば、長時間床に座るのは慣れないですね。よく学校で生徒が何でもないようにずっと床に座っていますが、私にはできません。数分で脚がしびれてしまいます。
それと言葉では困っています。ちゃんと自分のことを表現したくても、いい言葉が見つからなくて、時には一言も分からなかったりします。日本語は美しいので面白いのですが、特に漢字が難しいです。
買い物は、女性にとって世界の共通語だと思いますよ(爆笑)。日本で買い物するのは好きです。いいものが揃っているので買いすぎに気を付けないといけないですね。
キャンパスは、施設や図書館がとても整っていますよね。図書館では必要なのが何でもありますし。学生はみんなフレンドリーだし先生方も親切です。だから広島大学は過ごしやすいですね。
アドバイスは、文化が違うからといって心配しないでということ。自分を高める多文化理解のチャンスだから。特に言葉のことでミスをするのも恐れないで、いつも微笑みながら手伝ってくれる人がいるから。
ええ、たくさんあります。まず教育制度の改善に貢献したいです。アートも続けたいです。また子どもたちが文化というものについて少しでも理解できるよう、日本語とスペイン語、英語で書かれた小さな本を作るというプロジェクトを考えているんです。そしてラテンアメリカとアジアの人々に共通していることを共有してほしい。日本では、違いはいっぱいありますが、「フレンドシップ」という、言葉の壁も国境もないとても大切なことを学びました。子どもたちには、寛容でいろんな文化を受け入れることで友達を作るという価値を分かってもらいたいですね。
ありがとうございます。
日本での勉強の目的をしっかりと持っていて、冷静にまた興味深く日本とコスタリカを比較されているマリッセさん。
インタビューでは、冗談を交えながら情熱的にとても楽しく話をしてくれました。改めて日本を見直すことができました。
アニメの絵がとても素敵でしたよ!(H.O.)
|
取材を終えて |
マリッセさん(左)とホストマザーの方(右) |



お問い合わせはこちら