学長賞を受賞して(藤井博信)

 平成16年度の学長賞を受賞し大変嬉しく思っています。それは、広島大学に着任以来、30有余年にわたって研究してきた成果が広島大学の発展にとって意義あるものであったと認められたからです。
 振り返ってみますと、私は、良き共同研究者に恵まれてきました。昭和62年、総合科学部学部長殺傷事件で恩師の岡本哲彦先生を失いましたが、これを契機に私の研究に対する姿勢が一変しました。広島大学の名誉を回復するため私の出来ることは研究を通して貢献するしかないと考えたからです。それから、高畠敏郎先生を助教授に、浴野稔一氏を助手に向かえ、当時理学部の藤田敏三先生のグループとともに、広島大学に新しい強相関電子系の物性研究拠点を形成し、多くの新しい成果を世界に発信することが出来ました。その後、両先生はともに成長、現在は広島大学COE「すきまの科学」の代表者および主要メンバーとして活躍されています。その後、こうした研究は両先生に任せ、私は水素貯蔵材料の研究に着手しました。折茂慎一氏を助手に向かえ、新しい着想による水素貯蔵開発技術を構築することが出来ました。折茂氏は平成14年7月東北大学金属材料研究所の助教授として栄転、現在、広範な活躍を始めています。新たに、停年を目前にして、平成14年4月、市川氏を助手として向かえ、新しい錯体水素化物の開発研究に着手、市川助手も縦横無尽な活躍を始めたところです。このように、私の研究には、常に最良のパートナーが存在し、二人三脚によって研究できた事を痛感しています。

平成15年12月3日
広島大学自然科学研究支援開発センター 教授 藤 井 博 信


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