量子生命科学セミナー(第16回)



量子生命科学セミナー

2006年度後期の量子生命科学セミナーは,10月6日にスタートします。後期は,教室が変わりますのでご注意ください。履修登録は,前期の「量子生命科学セミナー」とは別です。後期の「量子生命科学セミナー」を「もみじ」で履修登録してください。



日時:2006年10月6日(金)14:35〜16:05



場所:理学部E210室



講演題目: 構造生物学の産業的インパクト



講演者:鈴木 榮一郎 氏(味の素株式会社 理事)



概要:

構造生物学の主役はタンパク質である。タンパク質と弊社事業との関わりとしては,味の素(旨味)やアスパルテーム(甘味)の受容体,医薬(阻害剤・遮断薬/作動薬等)の作用対象,グルタミン酸等のアミノ酸発酵菌における生合成系酵素,などを列挙することができる。そこに,新しい展開として,解明可能範囲の拡大並びに所要期間の短縮(テクノロジーの進歩),米国の国策(プロパテント政策)への対応などを背景に,西暦2000年前後のわが国では,タンパク質の立体構造解析に企業的関心が熱気にも似たものとして醸成された。しかしながら,今現在は,必ずしもその当時のような関心が持続している訳でもない状況にある。その原因・理由に関する演者の個人的見解は,極めて単純であり,科学的発見と産業的有用性のギャップの厳しさに関する認識の欠如にあると言わざるを得ない。タンパク質の立体構造情報を産業的に有用なものとして活用していくためには,どうすれば良いかについて,以下,限定的な例に過ぎないながらも,幸いにして昨年,学会,財団等から高い評価を頂いた3つの実用例を弊社の当該研究の戦略もまじえて紹介することで,そのインパクトを実感して頂ければ,誠に幸いである。



量子生命科学セミナーは「ナノテク・バイオ・IT 融合教育プログラム(NaBiTプログラム)」の一環として、理学研究科で開講されています。「ナノテク・バイオ・IT融合教育プログラム」(NaBiTプログラム)は,広島大学大学院理学研究科および量子生命科学プロジェクト研究センターを母体として平成15年度からスタートしました。詳細は,http://www.nabit.hiroshima-u.ac.jp/を参照してください。(お問合せ先:相田美砂子(内7412))


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