第289回 物性セミナー(4研究科共同セミナー:12月13日)



題目: 放射光による磁性研究 --円偏光を用いて--



講師: 水牧仁一朗 (財団法人高輝度光科学研究センター)



日時: 12月13日(水)16:30より



場所: 理学部C212会議室



要旨



 放射光X線が物性研究の舞台に上がってからすでに20年という年月が経った。その間に、X線の偏光特性を制御する技術が格段の進歩を遂げ、円偏光から直線偏光まで自在に扱うことが可能となった。これにより、円偏光X線を用いた内殻光吸収磁気円二色性(Magnetic Circular Dichroism)測定が、これまで多くの研究者により行われてきた。内殻光吸収は元素特有の吸収端を用いるため、磁性体を構成するいくつかの元素のうちのある元素のみの情報を取り出すことができるという特長を持っている。また双極子選択則により調べたい電子軌道をも選ぶことが可能である。本講演では、基礎的および応用的観点から行ったMCDを用いた磁性体研究の例をいくつか紹介する。また内殻吸収MCDがどのような起源で起こるかについても説明を行う予定である。





担当: 木村昭夫(理学研究科 7471)





---4研究科共同セミナーの認定科目です---

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後援 先進物質機能研究センター







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