4月7日(月)、平成26年度科学技術分野の文部科学大臣表彰「科学技術賞 理解増進部門」において、大学院医歯薬保健学研究院 杉山政則教授が「健康長寿社会の実現に向けた先進乳酸菌科学の普及啓発」により受賞することが決定しました。
なお、表彰式は4月15日(火)に文部科学省において行われる予定です。
受賞決定の発表後、杉山教授は本学の霞キャンパスにおいて記者会見を行い、研究活動について説明を行いました。
杉山教授はこれまで、果物、野菜、花、穀類、薬用植物などから多数の乳酸菌を探索分離、その生物機能研究を行うとともに、健康を意識する人々への理解増進を進める活動を進めてきており、文部科学省・知的クラスター創成事業及び都市エリア産学官連携促進事業にも採択されています。
杉山教授がこれまで行ってきた活動の1つとして、食品臨床評価組織の創設があげられます。これは、取得した植物乳酸菌の保健機能性をヒト臨床試験により評価しようと始めたもので、平成26年4月現在、この評価組織には、4,000名を超える被験者ボランティアが登録されています。
また、未病や生活習慣病の予防改善対策に植物乳酸菌を活用しようと、乳酸菌の基礎及び実用化研究を推進し、こうした植物乳酸菌の研究成果の地場企業への技術移転は、地域産業の活性化と企業の開発意欲の向上にもつながりました。
一方で、栄養士、薬剤師、技術士、医療関係者、一般市民、大学生、高校生およびアジアの人々に、最新の乳酸菌科学を、平易に解説する取り組みにも力を入れてきました。特別講演や出前出張、日中韓国際シンポジウムの開催のほか、単独執筆を行った「基礎と応用 現代微生物学」と「植物乳酸菌の挑戦」は、高校生や大学生等にもわかりやすく先進乳酸菌科学について説明をしています。特に、「基礎と応用 現代微生物学」は日本図書館協会選定図書にも選ばれています。
今回の受賞決定について杉山教授は「これまで動物由来の乳酸菌の利用が大きく取り扱われてきましたが、優れた特性を持つ植物由来の乳酸菌をグローバルに広めていこうとする時期にこのような賞をいただき、とてもうれしく思います。「地域への貢献を」との思いから続けてきたこの普及啓発活動を、今後は世界に向けて展開するとともに、今後は食品分野に限らず、医療分野への活用にも繋げていきたいと思います。」と語りました。
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広島大学大学院医歯薬保健学研究院
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