糖尿病・生活習慣病予防医学

米田 真康 寄附講座教授

【研究キーワード】
糖尿病、生活習慣病、在米日系人医学調査、生活習慣の欧米化、肥満、メタボリックシンドローム

【最近のハイライト】
 当寄附講座は、小野薬品工業、興和創薬、田辺三菱製薬、テルモ株式会社の寄附により、2018年4月1日に開設されました。

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【教育内容】
 現在、広島県、特に県東部(福山・府中および尾道・三原医療圏)では糖尿病内科の医師が非常に少なく、県内全域で糖尿病の専門的治療が十分に実施されているとは言えない状況です。また、糖尿病とその合併症の急性増悪に対して24時間体制で治療可能な病院が不足している地域が存在しています。
 当寄附講座は、専門的治療や急性期治療を担う糖尿病専門医や療養指導医の育成・増員に寄与するとともに、糖尿病診療に関わるコメディカルスタッフへの専門的教育や研修指導を実施します。さらに広島県や広島県医師会(広島県糖尿病対策推進会議)と連携・協同して、これらの人材育成を県内全域において包括的に行うことにより、各医療圏における糖尿病診療の連携体制を構築し、診療レベルの向上を目指します。

【図説明】 IoTやICTを活用した独自のネットワークシステムを構築し、広島県の糖尿病医療過疎(糖尿病専門医不在)地域の糖尿病患者に生活習慣の遠隔指導を行ったり、現地の医療機関を訪問して医療スタッフの教育をしています。
 

【研究内容】
 明治以降、日本人の海外移住が始まりましたが、その移民たちの出身都道府県のなかで広島県が最多であることが知られています。
 広島大学大学院医歯薬保健学研究科分子内科学(旧 内科学第二)教室では、「在米日系人医学調査 (the Hawaii-Los Angeles-Hiroshima Study)」と称する、広島から米国に移住した日系移民を対象とした疫学研究を、1970年に開始し、今日までおよそ50年に亘って継続してきました。遺伝素因は同一でありながら、生活習慣(環境因子)が異なる2つの日本人集団、すなわち、米国式の生活習慣で暮らすハワイやロサンゼルス在住の日系米人と、日本式の生活習慣で暮らす広島在住の日本人の調査成績を比較解析することにより、「生活習慣の欧米化」という環境因子の変化が日本人の疾病構造(肥満、糖尿病などの代謝疾患、動脈硬化性疾患など)へ与える影響について、多くの知見を報告してきました。
 当寄附講座では本医学調査を継承し、日本人における肥満や糖尿病の発症、動脈硬化進展に関与する危険因子を詳細に検討し、その機序を明らかにすることにより、日本人の生活習慣病発症および重症化予防のための効果的な保健指導や治療介入策を提唱することを目指します。

【図説明】 在米日系人医学調査は、1970年からハワイ、1978年からロサンゼルスで始まり、2015年までに計24回実施され、のべ受診者は13,000名を超えています。


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