有松 唯[詳細]

略歴

東京大学文学部歴史文化学科卒業(2005)、東京大学大学院人文社会系研究科基礎文化研究専攻修了(2007)、日本学術振興会特別研究員(DC2)(2008)、リヨン第2大学大学院社会科学科古代世界言語・歴史文明学専攻修了(2011)、東京大学大学院人文社会系研究科基礎文化研究専攻博士課程退学(2011)、日本学術振興会特別研究員(PD)(2011)、東北大学学際科学フロンティア研究所新領域創成研究部助教(2014)、国際連合教育科学文化機関(UNESCO)専門官補(2016)、広島大学大学院文学研究科助教(2017)、同准教授(2019)

教育・研究内容

古代オリエント(中近東)の考古学を専門としている。中近東は、人類史上の画期的現象が自生し、自律的に展開・発達した稀有な地域である。我々の社会がどのように成り立ったのかを考えるには当地の歴史の解明が不可欠であり、同時に、「我々はどこからきて、どこへゆくのか」という人文学の普遍的命題に向き合うにも最適なフィールドと言える。なかでも、アッシリアやアケメネス朝といった、古代帝国の成立過程の解明を目指している。とくに、アケメネス朝ペルシャは古代オリエントを統一した初めての勢力であり、また世界帝国とも称されるが、成立過程には多くの謎が残されている。また、その過程における、鉄の実用化プロセスにも着目している。こうした人類史上の課題に、理論の構築からフィールドでの調査研究に基づく実証的アプローチまで、多様な方法で取り組んでいる。

主な研究業績

  •  「カスピ海南西岸域における鉄器時代の遺跡分布」『オリエント』49巻2号 日本オリエント学会,pp.236-237,2006年
  • 「イラン、カスピ海南西岸域における鉄器時代文化の地域性とその変化-土器分析を中心に-」『西アジア考古学』8号 日本西アジア考古学会,pp.87-102,2007年
  • 「イラン、カスピ海南西岸域における鉄器時代移行期の様相-触角状突起付青銅剣身の分析を中心に-」『 西アジア考古学』9号 日本西アジア考古学会,pp.131-141,2008年
  • 「遺跡分布から見たイラン北部山岳地帯における鉄器時代居住形態の分析」『オリエント』53巻2号 日本オリエント学会,pp.1-33,2010年
  • 「イラン北部、鉄器時代における葬送儀礼の機能的変化」『考古学研究』第58巻4号 考古学研究会,pp.87-106,2012年
  • 「イラン北部、鉄器時代後期における精製土器斉一化現象の実態」『西アジア考古学』13号 日本西アジア考古学会, pp.19-35,2012年
  •  Homogénéisation de la céramique fine de la deuxième moitié de l’âge du Fer au nord de l’Iran dans le cadre de l’horizon à céramique de type de Orange ware. Iranica Antiqua, pp.213-232, 2015
  • 『帝国の基層-西アジア領域国家形成過程の人類集団- 』 東北大学出版会,379p, 2015


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