ダルミ・カタリン[詳細]

略歴

教育・研究内容

  村上春樹の文学を中心に、日本近現代文学における「魔術的リアリズム」について研究している。「魔術的リアリズム」は、主に欧米圏の文学研究において、幻想的な物語世界を描いた村上春樹の文学を論じる際に用いられてきたキーワードの一つである。一方で、日本における文学研究では、村上春樹の文学に対して「魔術的リアリズム」という言葉は殆ど用いられておらず、村上春樹の文学の受容において、欧米圏と日本の間に根本的な差が見られる。このような差を出発点とし、欧米、とりわけハンガリー語圏と英語圏における研究成果を踏まえつつ、村上春樹の文学を中心に、日本近現代文学における「魔術的リアリズム」について研究している。また、読者の視点に着目しながら、欧米と日本における村上春樹の文学の受容に見られる差の原因を探っている。

主な研究業績

  • 「村上春樹『騎士団長殺し』における「ヨーロッパ」―「マギッシャーレアリスムス」との関連性と「アンシュルス」のモチーフを中心に―」『近代文学試論』56、 pp. 53-68、2018年
  • 「村上春樹「タイランド」論―魔術的リアリズムと〈像(イメージ)〉の世界をめぐって―」『国文学攷』233、pp. 1-13、2017年
  • 「村上春樹「TVピープル」論 ―魔術的リアリズム作家が描くリアリティ」『近代文学試論』54、pp. 55-67、2016年
  • 「村上春樹と魔術的リアリズム―「踊る小人」に見る一九八〇年代」『近代文学試論』52、pp. 67-77、2014年


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