久保田 啓一[詳細]

略歴

1959年生、福岡県出身、福岡県立三池高等学校卒業、九州大学文学部文学科卒業(1982)、九州大学大学院文学研究科修士課程修了(1985)、九州大学大学院文学研究科博士後期課程中退(1986)、有明工業高等専門学校助手(1986)、同講師(1988)、梅光女学院大学文学部講師(1989)、同助教授(1994)、広島大学文学部助教授(1996)、広島大学大学院文学研究科教授(2001)

教育・研究内容

日本近世文学、特に近世和歌を主たる研究対象とし、近世の冷泉家とその門流、近世中期江戸の幕臣文化圏、全国各地の大名家の歌壇、及び雅文学たる和歌と対を為す俗文学の狂歌等を研究している。また、大田南畝、近世の紀行文、井原西鶴の浮世草子などについても論文を執筆しており、基本的には雅俗両方にわたる近世文学全般についての教育が可能である。教育方法は精密な注釈を施しつつ作品を精読し、そこからさまざまな問題点を発見させるというもので、論文執筆に際しては内容の充実のみならず正確な文章表現をも求めるという方針を貫いている。

主な研究業績

  • 『和歌文学大系74 布留散東 はちすの露 草径集 志濃夫廼舎歌集』明治書院,2007年[共著]
  • 『歌論歌学集成 第十六巻』三弥井書店,2004年[共著]
  • 『新日本古典文学大系明治編4 和歌俳句歌謡音曲集』岩波書店,2003年[共著]
  • 『近世冷泉派歌壇の研究』翰林書房,2003年
  • 『新編日本古典文学全集73 近世和歌集』小学館,2002年
  • 「近藤芳樹の活動拠点としての広島」『国文学攷』218,pp.1-15,2013年
  • 「広島藩の文芸と藩儒寺田臨川(下)」『語文研究』113,pp.15-26,2012年
  • 「広島藩の文芸と藩儒寺田臨川(上)」『語文研究』112,pp.36-47,2011年
  • 「所謂「明和十五番狂歌合」をめぐって―点取狂歌としての枠組―」日下幸男編『中世近世和歌文芸論集』思文閣出版,2008,pp.315-329
  • 「近世堂上派の『古今集』享受―萩原宗固を中心に―」, 森正人・鈴木元編『文学史の古今和歌集』和泉書院,2007,pp.173-196
  • 「和歌添削における誤読―冷泉為村の指導に即して」『江戸文学』36,pp.145-153,2007年
  • 「大田南畝の天明七年―文武奨励と狂歌界離脱をめぐって―(特集 文学と学問の間 近世文学)」『文学』8(3),pp.110-118,2007年
  • 「近代歌人としての立場―万葉・古今享受と幕末歌人評価と(特集 古今集1100年)」『文学』6(3),pp.75-86,2005年


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