小川 恒男[詳細]

略歴

1959年生、私立修道高校卒業(1978)、広島大学文学部文学科中国語学中国文学専攻卒業(1982)、広島大学大学院文学研究科博士課程前期修了(1985)、広島大学大学院文学研究科博士課程後期中途退学(1986)、山陽女子短期大学講師(1986)、四国大学講師(1989)、同助教授(1995)、広島大学文学部助教授(1998)、同大学大学院文学研究科助教授(2001)、同准教授(2007)、同大学教授(2010)

教育・研究内容

中国古典詩を中心に広い意味での語学的アプローチによる教育研究を進めている。一方では、その終焉を見届けるべく「近代」前夜とも言うべき清末の詩を読んでいる。詩人たちは時代に即した主題を見出し、新しい語彙を獲得しつつ、何よりも自らが詩人であることの意味を問い掛けなければならなくなっていた。また、文学が創作される「場」について考究するひとつのモデル・ケースとして六朝楽府を読んでいる。伝統的主題を踏襲する作品群が生み出される場は、新しい表現が試みられる実験室の機能を担うことになった。六朝楽府と清末詩とを読むことによって、中国古典詩をより大きな流れの中で俯瞰できるのではないかと思う。

主な研究業績

  • 「明治の東京を描いた詩(一)―郁曼陀「東京雑事詩」―」『中国中世文学研究』55,pp.47-56,2009年
  • 「六朝詩に見える「楼蘭」―楽府「白馬篇」を中心に―」『中国中世文学研究』52,pp.15-40,2007年
  • 「3年ごとの豊湖―黄遵憲「遊豊湖」「庚午六月重到豊湖誌感」―」『中国古典文学研究』2,pp.311-321,2004年
  • 「黄遵憲「遊豊湖」について」『中国中世文学研究』45・46,pp.353-369,2004年
  • 「黄遵憲詩の物語性について」『新しい漢字漢文教育』37,pp.21-29,2003年
  • 「黄遵憲詩の「饒舌」について―類型化と叙述性―」『日本中国学会報』55,pp.181-195,2003年
  • 「家族の物語―黄遵憲の家族を描いた詩―」『中国中世文学研究』44,pp.82-93,2003年
  • 「龔自珍「漫感」詩の解釈について」『四国女子大学紀要』10(2),pp.299-309,1991年


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