八尾 隆生[詳細]

略歴

1960年生、大阪府出身、大阪府立大手前高等学校卒業、京都大学文学部史学科東洋史学専攻卒業(1983)、同大学大学院文学研究科博士前期課程修了(1986)、同博士後期課程研究指導認定退学(1989)、大阪外国語大学外国語学部講師(1993)、同助教授(1996)、広島大学文学部助教授(2000)、同大学大学院文学研究科助教授(2001)、同大学准教授(2007)、同大学教授(2010)

教育・研究内容

既存の編纂史料でのみ叙述されることの多かった前近代ヴェトナム史を、実地調査地やハノイ、ホーチミン市等の文書館で得た新出史料(家譜、法制文書、碑文など)をもとに再構成する試みにとりくんでいる。特に15世紀から18世紀の北部ヴェトナムの政治史・社会史・地方史研究においては、本国研究者ですらその存在を知らない、或いは十分に利用できていない史料も多い。大学院演習授業においてはそうした収集したての史料を受講院生とともに解読にとりくむ。そして中国や日本の類似史料と比較することで、漢字文化圏に属する諸国・諸民族の同質性、特異性をともに考えてゆきたい。

主な研究業績

  • 『黎初ヴェトナムの政治と社会』広島大学出版会,2009年
  • 『大清実録中東南亜関係記事<嘉慶>』東南アジア史学会関西例会,1986年[編著]
  • 「ヴェトナム紅河デルタ・ニンビン省瑰池社の開拓史―国家と地方官,民との交渉再考―」『東洋史研究』66(4),pp.570-601,2008年
  • 「藍山起義と『藍山実録』編纂の系譜―早咲きのヴェトナム「民族主義」―」『歴史学研究』789,pp.42-51,2004年
  • 「黎朝前期紅河デルタにおける屯田所政策」『アジア・アフリカ言語文化研究』64,pp.173-191,2002年
  • 「黎朝聖宗期の嘉興何氏―嘱書の比較から―」『東洋史研究』56(3),pp.205-233,1997年
  • 「黎朝聖宗期の新開拓地をめぐる中央政権と地方行政―安興碑文の分析―」『東南アジア研究』32(2),pp.143-168,1995年


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