平成21年度 工学研究科学生おもしろ企画の紹介

平成21年度「学生のおもしろ企画」助成企画概要

マイクロ波焼結による陶器造り

参加者数 / 世話教員

 5名 / 西野 信博(機械システム工学)

企画概要(抜粋)

 11月開催の大学祭において、参加者に陶芸造りをしてもらい、楽しんでしてもらう。一般的に行われる窯を使った「焼き」ではなく、マルチモードによるマイクロ波焼結(電子レンジ)で「焼き」を行うことである。

 参加者が行う作業内容は、捏ねた粘土をろくろで形作り、使用したい釉薬を選んでもらう。 後日、学生が素焼きを行い、焼きあがったら釉薬を塗る。最後に本焼きを行い完成させる。そして、参加者に完成した作品を郵送する。

実施時期 / 実施場所

 平成21年7月~11月(大学祭) / 工学部C4棟東側広場

モノづくり/ヒトづくり2009

代表者(参加者数)/世話教員

 長島 薫(30名)/ 岡河 貢(社会環境システム)

企画概要(抜粋)

 私たち建築設計・計画学研究室では、人が住まう建築的空間についての様々な設計・研究を行っています。生活空間の家具のもつ役割は人々の生活に大変密着したものであり、自分のサイズにあった家具を生活空間取り入れることは、自分たちに合う物の中で生活するという「我が家」づくりの一つだと言えます。また、自 分で実用的な家具を作るということには、モノに対する愛着・コストダウン・作業時においての人との出会いなど形の創造とだけにとどまらない様々なメリット が期待されます。そこで今回、私達は手作り家具の体験工作の場の提供、創作家具の展示を企画します。

 昨年はもみじへの掲載などで他学部の学生の参加が増え、今年も様々なPR活動により参加者の人数を増やしたいと考えています。来場者数のさらなる増加を目指し、来年の参加者募集の呼びかけなど、学部の枠を超えた人との交流ができる企画にしていきます。

実施時期 / 実施場所

 平成21年11月7日~8日(大学祭)/工学部コミュニケーションギャラリー(通称:ガレリア)

人力飛行機設計・製作活動 2009

代表者(参加者数)/世話教員

 吾郷 祐紀(24名)/ 岩下 英嗣(社会環境システム)

企画概要(抜粋)

 広島大学工学部HUESでは2002年より双発型の人力飛行機の設計・製作を行って鳥人間コンテストへ出場してきている。2007年からは大学院チームとし てKAEDEを発足させ、単発機にて新設されたタイムトライアル部門へも参加している。読売テレビにて放送の番組内においてはHUES・KAEDE両チー ム共に期待を持って取り上げられている。 昨年7月末の大会後、KAEDEは機体の修復・改良を行い、12月に笠岡空港にて第1回目の試験飛行を、3月に第2回目の試験飛行を実施済みである。 HUESは機体の全面作り直しを決断し、現在主翼製作を行っている最中である。本年1月に大会事務局から経費削減により本年の大会が休止になった旨連絡を 受けたが、同時に来年大会の開催決定とそのスケジュールについての説明会も開催された。今年は11月に書類選考となる予定である。
こうした背景を受け、本年度の「おもしろ企画」では、

  1. 2010年大会へ向けての機体の製作活動および笠岡空港での試験飛行の実施(9月)
  2. 大学祭での機体の展示会開催(11月)

を企画している。試験飛行で新造機の性能確認を行い、成果物としての機体を多くの学生や学外者へ見てもらい、ものづくりの楽しさを感受してもらいたい。

実施時期 / 実施場所

 平成21年 9月 試験飛行 / 岡山県笠岡飛行場

 平成21年11月(大学祭)機体展示会 / 広島大学東体育館

 (活動期間: 平成21年4月~平成22年3月)

モバイルブリッジ/橋を折畳んで運び,速く渡れ!

代表者(参加者数)/世話教員

 近広 雄希,古川 祐輔(10名)/ 有尾 一郎(社会環境システム)

企画概要(抜粋)

 地震,大雨,地すべり等の自然災害に伴う道路崩壊や橋の破損による交通路の遮断は,被災地の人々にとっては生命線の切断となり,交通路の迅速な復旧法の開発 は最重要な課題であると考えられる。そこで災害時の社会基盤を迅速に復旧させるために,新しいタイプの橋の構造を創案している。橋そのものを折畳んで現地 に運んで架設してしまうという,これまでにない構造物である。自走・展開・収納できる橋システムということから,モバイルな橋,「モバイルブリッジ」の開 発研究プロジェクトと題し,ここに提案する。

  来る大学祭では,この新しい橋の仕組を紹介し,興味や関心を持ってもらおうと計画している。モバイルブリッジの渡橋・展開体験を通じ,参加者に楽しんでも らうことはもちろん,橋の仕組みや原理を考える機会を養い、工学に興味を持って頂きたいと思っている。また,このモバイルブリッジの開発は継続的に行って いくつもりで,将来的には軽車両が渡れる程度の橋を目指す。

実施時期 / 実施場所

 平成21年11月7日~8日(大学祭) /11月7日:工学部E2棟周辺(Jr.サイエンスコーナー)
                       11月8日:角脇川周辺

全日本学生フォーミュラ大会への挑戦

代表者(参加者数)/世話教員

 横尾 貴史(10名)/ 西田 恵哉(機械システム工学)

企画概要(抜粋)

 私たちは2010年に開催される「全日本学生フォーミュラ大会」(主催(社)自動車技術会)に出場し,好成績を残すことを目標に2008年10月から活動開 始しました。本大会は学生自らがチームを組み,フォーミュラスタイルの小型レーシングカーを開発,製作し走行性能を競いあうことでものづくりの本質やその プロセスを学ぶ一方で,車両のマーケティング、企画・設計・製作、コスト等のものづくりにおける総合力を競うことを大会理念に掲げています。私たちもその 精神にのっとり,日ごろの座学で学んだ工学の基礎を実際に活かしながらマシン製作をして行こうと考えております。

  チームの立ち上げにあたっては,岡山大学,大阪大学のチームを見学し,大会の現状やレベルから製作法まで多くの情報を仕入れることが出来ました。それらの 情報をもとに,私たちはマシンのコンセプトを「基本に忠実な設計を行い,高い信頼性を有し,今後の土台となるマシン」と定めました。

  私たちは初めてマシンを製作するため設計ミス,トラブルが出てくることは十分想定されます。この場合,基本に忠実な設計をすることで,スムーズに問題点の 発見,復旧,改善を行うことができ,将来的な信頼性につながると考えます。私たちは現在そのコンセプトをもとに計画を立て,企画,設計を試みています。

実施時期 / 実施場所

 平成22年9月 / ECOPA(静岡県 小笠山運動公園)

広島にハブ空港を作るなら?~日本の空港を考える~

代表者(参加者数)/世話教員

 小林 大祐(9名)/ 一井 康二(社会環境システム)

企画概要(抜粋)

 私たちのメンバーのほとんどが所属する工学部第四類は、2年次に建築・社会基盤・輸送機器の各コースに分かれます。しかし、どれか1つに進んでもこれら3つ のすべての目線を持っていたく、また、興味のあることを早いうちから調べ、学び、より深く知りたいと考えています。そこで、もともと興味を持っていたのに 加え、建築・社会基盤・輸送機器の全ての融合、集大成である空港に目をつけました。現在、専門家の方をお招きして講演会を開いたり、実際に空港や大学の研 究室を訪れたりしたいと考えています。それにより、現在の空港や今まさに起きている問題などを理論的なことももちろんのこと、現実的な、より生の事実を肌 に感じ熟考していきたいと考えています。

 現時点の目標は、「もし日本にハブ空港をつくるなら?」などのテーマを決め、調査を行い、実際に模型を作って大学祭等で展示・発表することですが、最終的な目標は、メンバ―みんなでさまざまなテーマについて討論したうえで、決めていきたいと考えています。

実施時期 / 実施場所

 平成21年7月~11月(大学祭) / 工学部C4棟112研究室

自然で学ぶ・自然を守る~土木の魅力を伝えるボランティア活動~

代表者(参加者数)/世話教員

 西浦 大貴(9名)/ 日比野 忠史(社会環境システム)

企画概要(抜粋)

 本研究室では「瀬戸内海の水質改善」をテーマに研究しており,広島湾での水質調査や太田川での現地調査や生物調査などを行っている。本企画では本研究室での 研究内容や土木が生活に密接に関連していること,工学部で学んだ知識を子供たちや父兄に伝え,環境問題や土木に興味を持ってもらうことを目的としている。

 主な内容としては,宮島町包ヶ浦の海浜で、1泊2日の体験学習を行う。小学生とその父兄を対象にしており,工学的なおもしろ実験や自然を活用した企画等を通じて環境や工学に興味を持ってもらうことを目的としている。

  さらに今年はこれまで5年間継続して活動してきた中で得られた企画を立案・運営し,成功させてきたノウハウを活かし,宮島腰細浦における海岸清掃のボラン ティア活動の企画,運営も行いたいと考えている。このような活動を通じて学生は今後社会に出たときに必要となる企画の立案,運営能力,広報,伝達能力等を 養うことができる。さらに共催のボランティア団体との交流を通じた土木の目線ではない貴重な意見を頂くことができるなど対象者のみならず学生自身にとって も良い経験となる。

実施時期 / 実施場所

 平成21年8月22日~23日 / 宮島町包ヶ浦自然公園、宮島町腰細浦

つくって学ぶおもしろ建築-空間をミル・シル・ツクル-

代表者(参加者数)/世話教員

 光井 周平(16名)/ 松本 慎也,藤本 郷史(社会環境システム)

企画概要(抜粋)

 建築空間は,快適に生活でき,風雨や地震等に対しても安全なものでなくてはならない。当研究室では,安全で快適な空間を作り出すためには,どのような構造, 材料を用いて,どのように施工すればよいのかについて研究している。本企画は,学生が日頃の研究成果を交えつつ,模型作成等によって建築構造の面白さを一 般の方にも知ってもらうことを目的としたものであり,今年度は,建築空間を作り出すための様々な手法について,以下に示す企画を通じて来場者に紹介する。

  1. 建築空間をミル
    ダンボールを使ったドーム構造,木材等を使ったテンション構造を例に,簡単な構造物を学生で作成,展示する。
  2. 空間構造をシル
    現在用いられている種々の建築構造の例を模型等で示すとともに,これらの構造が力学的にどのように成り立っているのかを,パネル展示等で分かりやすく紹介する。
  3. 空間構造をツクル
    ドーム構造,テンション構造等の簡単な模型を実際に自分でつくってみてもらうことで建築構造への関心を深めてもらう。

実施時期 / 実施場所

 平成21年11月7日~8日(大学祭) / 工学部A1棟東側広場

『森のすみか』

代表者(参加者数)/世話教員

 百武 恭司(7名)/ 水田 丞(社会環境システム)

企画概要(抜粋)

■着想点

  大学構内の森の中を、風景の移り変わりを観察しながら散策していると、周囲から切り取られ、頭上の葉の間から降り注ぐ無数の柔らかな光が集まっている場所 を見つけることができる。このような場所を、日常とは異なる時間の経過と、貴重な自然環境を再認識できる場所として、建築を通して生かしていきたいと考え た。

■主題1 人と自然の新しい関係性

  現在、石上純也による「ヴェネチアビエンナーレ建築展 日本展示館」や藤本壮介による「House before House」に代表されるように、人が生活する空間に自然を引き込もうとする多くの試みが建築家によってなされている。しかし、自然に対する人間の優位 性、もしくはその逆となる関係性を拭うことができていないように思える。建築と自然を等価に扱うような、そんな新しい関係性を探ってみたい。

■主題2 環境問題への建築的アプローチ

  環境問題は建築が関わることができる大きな問題である。ただし建設行為は、根源的に自然を征服するという所から始まっている。建築から環境問題へのアプ ローチにはそもそも矛盾を含むものである。しかしその矛盾を引き受けながら、現実の建設活動の中で、最善の行動を探るべきである。これらの疑問に対して、 私たちは建築学の観点から「人と自然との関係性」に対する一つの解答を導き、訪れた人に環境問題に関しても目を向けてもらう空間をつくります。

実施時期 / 実施場所

 平成21年11月7日~8日(大学祭) / 角脇川周辺

二畳の茶室 2009

代表者(参加者数)/世話教員

 石川 陽一郎(9名)/ 岡河 貢(社会環境システム)

企画概要(抜粋)

 私たち建築グループでは、様々な用途、規模の空間についての設計・研究を行っています。その中で二畳の茶室は建築においての最小限空間であり、現代ではほとんど体験することのできない日本特有の伝統的な空間です。そして茶道もまた日本の伝統文化です。

  このように現代の生活によって失われつつある日本の伝統的空間を制作し、そこで茶会を開くことで、老若男女、幅広い層の来場者に空間と文化を感じていただ くことを目的としています。特に子供たちにとって、ほとんど茶室・茶道というものを体験したことがないと思われるので、大変有意義な企画となると考えてい ます。

  この「二畳の茶室」は、昨年度から始まった企画(二畳の茶室 2008)ですが、継続的参加を考え、第二回目として今年も参加します。このことで、現代においてなかなか体験する事の出来ない茶会・茶室空間を毎回違う 空間で飲み・感じることが出来るという、広島大学大学祭の顔となっていくことを考えています。
※コンテスト:鹿島出版会主催のSDレビュー2009(建築・環境・インテリアのコンテスト)への参加を予定しています。

実施時期 / 実施場所

 平成21年11月7日~8日(大学祭) / ぶどう池周辺

「Subaragoi Magazine」を通じた国際交流の促進と発展

代表者(参加者数)/世話教員

 Athika Chuntanapum(8名)/硲 隆太(機械システム工学),伊東 靖英(複雑システム工学)

企画概要(抜粋)

「Subaragoi Magazine」の発行

 ・広島大学に在籍している留学生の出身国および彼らの文化に関する情報を掲載し、雑誌を通して異文化交流の促進をする。

 ・広島大学内の国際交流活動および国際的かつ学術的な活動について情報を発信し広島大学での国際的な活動について広く知ってもらう。

 ・広島大学内だけでなく東広島市内または広島市の国際的な活動をしている団体にこの雑誌を配布し、広島大学の国際的な活動についてより多くの方々に知ってもらう。

 ・基本的に文章は全て英語で作成する。

「Subaragoi Magazine」を通した国際交流の促進と発展

 ・国際的な活動を「本」として残すことにより、一過的なものではない継続性のある国際交流活動を広島大学に根付かせる。

 ・活動紹介を通じて多くの人々がつながりを持てるようにし、この雑誌を通して新しい企画を生み出し、それぞれの活動を発展させる。

 ・この雑誌を通して国際交流活動に興味を持つ学生を増やし、広島大学の国際的な活動を盛り上げる。

実施時期 / 実施場所

 平成21年6月1日~平成22年3月30日 / 工学部A1棟244研究室


up