平成22年度 工学研究科学生おもしろ企画の紹介

マイクロ波焼結による陶器造り

代表者(参加者数) / 世話教

 佐藤 伸宙(5名) / 西野 信博 (機械物理工学)

企画概要(抜粋)

 11月開催の大学祭において,参加者に陶芸造りをしてもらい,楽しんでしてもらう。

 工学的要素としては,一般的に行われる窯を使った「焼き」ではなく,マルチモードによるマイクロ波焼結(電子レンジ)で「焼き」を行うことである。

 7月に断熱材(消耗品),9月に粘土を購入し,見本をつくっておき,大学祭当日に参加者に陶芸の無料体験をしてもらう。参加者が行う作業内容は,捏ねた粘土をろくろで形作り,使用したい釉薬を選んでもらう。作品は4週間程度乾燥させた後,学生が素焼きを行い,焼きあがったら釉薬を塗る。最後に本焼きを行い完成させる。そして,参加者に完成した作品を郵送する。今年は1日で40人の参加人数を予定している。

実施時期 / 実施場所

 7月~2月 工学部A3棟東側(場合によってはC3棟東側)

活動報告書

『茶室空間』の追究

代表者(参加者数) / 世話教員

 百々路 三視郎(10名) / 岡河 貢 (建築学)

企画概要(抜粋)

 本企画は,工学部とぶどう池の間にある敷地で2畳の茶室を自分たちで設計・施工して2日間設置し,一般の人々に茶室の空間を味わってもらうものであり,2年前から実施している。

 広島大学茶室研究会は建築学科の学生で組織しており,日々,建築の空間性や社会性を考えて,創作活動や研究をしている。今回の企画では,学業の成果ということだけではなく,今までにない茶室空間を提案し,それを一般の人々に体験してもらうことを目的としている。茶室という非日常的な空間を演出していくことで,一般の人々にただお茶を飲む場所以上に何かを感じ取ってもらい,少しでも建築の作り出す芸術性を理解していただきたいと思っている。

実施時期 / 実施場所

 11/6~7 (大学祭) 工学部敷地内(東福利会館南側)

活動報告書

Steel Bridge Competition 2010

代表者(参加者数) / 世話教員

 福田 光央(9名) / 藤井 堅 (社会基盤環境工学)

企画概要(抜粋)

 スチールブリッジコンペティションは,米国で10年以上の歴史を有する大会であり,アジア大会も各国で開催されている。本コンペティションは,これらの国際大会に準拠した取組であり, 今回,当研究室のメンバー全員で初めて参加を試みる。

 鋼橋の設計・製作・架設の一連の流れを理解し,模型橋梁を実際に作製することを通して,「共同技術に関する技術」,「基礎工学知識を応用する技術」,「プ ロジェクトの実施に際し,生じる問題の解決方法」を習得することができる。そして,これまでに学んできた材料力学・構造力学を設計・製作に生かすことで, さらなる自分たちの能力アップに大変役立つと思われる。また,他大学との交流も深め,お互いの技術向上につなげたい。

実施時期 / 実施場所

 9/9~9/10 愛知工業大学

実施報告

モノづくり/ヒトづくり

代表者(参加者数) / 世話教員

 島津 亮介(17名) / 岡河 貢 (建築学)

企画概要(抜粋)

建築設計・計画学研究室では,人がより良く住まう建築空間に関しての設計・研究を行っている。生活空間での家具のもつ役割は人々の生活に大変密着したもの であり,自分の身体にあった家具を生活空間に取り入れることは,自分に合う物の中で生活するという「我が家」作りの1つだと言える。また,自分で実用的な 家具を作ることには,モノに対する愛着・コストダウン・作業時においての人との出会いなど形の創造だけにとどまらない様々なメリットが期待される。

そこで,次の目的のもとに,手作り家具の体験工作の場の提供,創作家具の展示を企画する。

  1. 家具づくりを通して,生活空間の設計手法を学ぶ。
  2. 展示を通して,自分達の手で家具を作ることに興味を持ってもらう。
  3. モノづくりを通してヒトづくりを図る。

実施時期 / 実施場所

 11/6~11/7 (大学祭) 工学部コミュニケーションギャラリー

実施報告書

『Kankyo』

代表者(参加者数) / 世話教員

 市川 研二(5名) / 水田 丞 (建築学)

企画概要(抜粋)

 私たちの普段の生活では,利用することのない道が身近に数多く存在する。大学構内の角脇川周辺の道もその一つであり,設置されているベンチを利用している 人が少なく,ただの自然に恵まれた通路として存在しているのが現状である。今の時代において貴重な自然環境を再認識させる建築空間を創造し,このような場 所に新たな風景を発掘していきたいと考え,人々が賑やかに活動あるいは休息の場となる公園的建築を創作する。

 環境に配慮するため,今回の企画では,使用する材料として,壊してもリサイクルできるようなもの(空き缶,デニムくず等)を選ぶ。そこから生まれる新たな空間や非日常的な風景を感じられるような設計手法を探っていきたい。

 また,自然環境を身近に感じ取ってもらうためには,まず建築が自然と対立する存在にあってはならないと考える。人間と自然環境が密接に結びつき,活動の場と安静の場をもてなす建築空間を提案したい。

実施時期 / 実施場所

 11/6~11/7 (大学祭) 角脇川周辺

実施報告書

建築をミル・シル・ツクル ― しくみにふれよう ―

代表者(参加者数) / 世話教員

 大町 恵学(39名) / 大崎 純,松本 慎也 (建築学)

企画概要(抜粋)

 建築空間は,快適に生活でき,風雨や地震等に対しても安全なものでなくてはならない。建築構造学講座の各研究室では,安全で快適な空間を作り出すためには,どのような構造,材料を用いて,どのように施工すればよいのか,様々な側面から研究を行っている。

本企画は,学生が日頃の研究成果を交えつつ,模型作成等によって建築構造の面白さを一般の方にも知ってもらうことを目的とし,次の企画を通じて,建築空間を作り出すための様々な手法について来場者に紹介するものである。

(企画1) 各研究室で行っている研究内容について紹介するとともに,それぞれの研究テーマに関連する建築構造技術の原理を見て,触って,学べる展示を行う。

(企画2) 建築空間を作り出すための幾つかの構造形式について学生で勉強会を行い,その成果を踏まえて小規模空間を作成し,展示を行う。

(企画3) ドーム構造,テンション構造等の簡単な模型を実際に来場者につくってもらうことで建築構造への関心を深めてもらう。

実施時期 / 実施場所

 11/6~11/7 (大学祭) 工学部A2棟東側芝生

実施報告書

人力飛行機の設計・製作活動

代表者(参加者数) / 世話教員

 伊藤 悠真(27名) / 岩下 英嗣 (輸送・環境システム)

企画概要(抜粋)

 工学部HUESは2002年から双発型の人力飛行機の設計・製作を行い,鳥人間コンテストに出場している。2007年からは大学院生チームKAEDEを発足させ,タイムトライアル部門にも出場している。

 次回大会に向けてKAEDEは2回のテストフライトを行っており,HUESは1年かけて機体の全面改良が完了し,3回の試験飛行を行っている。昨年11月 に行われた書類選考で両チーム合格を果たし,7月に開催される2010年大会に出場する予定である。HUESは8度目,KAEDEは3度目の挑戦となる。

 HUESは,新型機の調整のためテストフライトを行い,迎角,尾翼の調整を行っていたが,4月のテストフライトで,主翼桁中心の強度不足により,飛行中に 主翼桁が中心から折れて墜落,大破してしまい,機体はほぼ作り直しという状態になってしまった。現在は,大会までに1回はテストフライトができるように, 急ピッチで作業を行っているところである。すでにフレームは完成し,7枚ある主翼も5枚が完成した。製作精度が落ちないようにメンバー一同作業に励んでい る。KAEDEは機体操作性の向上のため,新たに「エルロン」を搭載した。6月中に再びテストフライトを行い,最高の状態で大会に臨む予定である。

 大会までは,機体の修復・調整はもちろん,パイロットの養成,次世代への技術継承も行うつもりである。

実施時期 / 実施場所

 21年4月1日~22年7月31日 工学部G2・G3棟

 (試験飛行) 岡山県笠岡ふれあい空港

オリジナルWebサイト

 HUES on the Web 

実施報告書

全日本学生フォーミュラ大会への挑戦

代表者(参加者数) / 世話教員

 北川 幸紀(7名) / 西田 恵哉,濱崎 洋 (機械物理工学)

企画概要(抜粋)

 2010年に開催される「全日本学生フォーミュラ大会」に出場し,好成績を残すことを目標に2008年10月から活動している。本大会は学生自らがチーム を組み,フォーミュラスタイルの小型レーシングカーを開発,製作し走行性能を競いあうことでものづくりの本質やそのプロセスを学ぶ一方で,車両のマーケ ティング,企画・設計・製作,コスト等のものづくりにおける総合力を競うことが理念に掲げられている。

 私たちも,その精神にのっとり,日ごろの座学で学んだ工学の基礎を実際に活かしながら製作に取り組んでいる。車両コンセプトは「基本に忠実な設計を行い, 高い信頼性を有し,今後の土台となる車両」である。現在は,車両の製作をほぼ完了し設計審査とコスト審査の資料作りに注力している。

 このような大会に挑戦し好成績を残すことは,広島大学の工学教育の質の高さや,熱心さを企業や受験生に印象付けることが期待される。また,学生にとって も,この活動を通じ,ものづくりの難しさ面白さ,他大学のレベルの高さを目の当たりにすることで,より深く積極的に学ぶ意欲にもつながっている。チーム一 同全力をあげて良い成績をあげることができるように努力したい。

実施時期 / 実施場所

 9/7~9/11 静岡県小笠山総合運動公園

オリジナルWebサイト

 Phoenix Racing

実施報告書

自然で学ぶ・自然を守る ~土木の魅力を伝えるボランティア活動~

代表者(参加者数) / 世話教員

 小枝 豪志(9名) / 日比野 忠史 (社会基盤環境工学)

企画概要(抜粋)

 本研究室では「瀬戸内海の水質改善」をテーマに研究しており,広島湾での水質調査や太田川での現地調査や生物調査などを行っている。

 本企画は,本研究室での研究内容や土木が生活に密接に関連していること,工学部で学んだ知識を小学生やその父兄に伝え,環境問題や土木に興味を持ってもら うことを目的としており,宮島町包ヶ浦の海浜において,土木に関連する簡単な実験など,自然の中で1泊2日の体験学習を行うことを主な内容とするものであ る。

 今年はこれまで6年間継続して活動してきた中で得られた企画を立案・運営し,成功させてきたノウハウを活かし,本研究室の学生に限らず多くの学生にボラン ティア活動の魅力や意義を伝えることも行いたいと考えている。このような活動を通じて学生は今後社会に出たときに必要となる企画の立案,運営能力,広報, 伝達能力等を養うことができる。さらに共催のボランティア団体との交流を通じた土木の目線ではない貴重な意見を頂くことができるなど対象者のみならず学生 自身にとっても良い経験となる。

実施時期 / 実施場所

 8/21~8/22 宮島町包ヶ浦自然公園,宮島町腰細浦

実施報告書


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