広島大学の名講義(工学部) 2018年度後期

以下の授業が2018年度後期の学部の「名講義」の上位15科目に挙げられました。(ただし、演習や実習、受講者10人未満の講義は除いています。説明文は、講義概要や到達目標等から抜粋しています。)

 

材料科学  松木 一弘

近年、技術の進歩に伴って、機械や機械システムの高度化のために新しい材料の開発が迫られる場面も多くなり、「材料のわかる機械技術者」や「機械のわかる材料技術者」の要請が強くなった。この場合の「材料」には微視的な性質や挙動にまで立ち入らなければならない内容が多く含まれるようになってきている。本講義では、後続の材料関連の講義の基礎として、機械材料の構造と変化をもたらす諸現象を理解する。
(1)結晶構造の種類、結晶内の方向と面の表示、結晶欠陥および材料の構造を理解・説明できる能力。(B-1)
(2)平衡の概念、平衡状態図および原子の拡散、相変態を理解説明できる能力。(B-1)
(3)弾性変形、擬弾性および熱膨張等の原子の結合に起因する性質を理解・説明できる能力。(B-1)
(4)結晶のすべり変形と塑性変形、転位の運動および材料の強化機構を理解・説明できる能力。(B-1)

 

機械力学II  菊植 亮

機械力学Ⅰの内容をさらに深め、多自由度系の振動、連続体の振動、回転体の振動などの現象を理解し、現実の機械や構造物に発生する振動問題とその解析手法に関する知識を修得し、より複雑な振動現象を理解するのに必要な応用力を身に付ける。
1)多自由度系の運動方程式を導くことができる。
2)連続体の振動を支配する運動方程式を導き、その解を求めることができる。
3)固有振動モードの概念を理解する。
4)有限要素法の原理とそれによる振動解析法を理解する。
5)自励振動、係数励振振動の現象を理解できる。
6)回転体の振動についての現象を理解することができる。

 

触媒化学  佐野 庸治

触媒は近代の化学工業を支えるに重要な科学技術である。これに関して、(1)触媒の果たして来た役割、(2)基礎的考え方、(3)触媒の調製法と構造解析法等を解説するとともに、資源・エネルギー・環境問題への応用に関しても最近の成果を紹介する。

 

輸送機器環境工学プロジェクトII  濱田 邦裕・田中 義和・竹澤 晃弘

実際の物作りおよび授業の節目に実施するプレゼンテーションを通じて、以下の能力を修得させる。
1.講義等で得た工学的手法を駆使し、制約された条件下で計画的に物作りを実施し、目標を達成する能力を修得する。
2.設計・製作内容の要旨を論理的にまとめ、発表・討議することによってコミュニケーション能力を修得する。
3.制約条件を踏まえて、複数の設計案を提案し、それらの優劣を評価して適切な設計案を選定する。

 

機械設計  山田 啓司

歯車や軸あるいは軸受けなどの機械要素を組み合わせて目的の仕様を満たす機械を設計するには、個々の部品の知識だけではなく、機械として組み上げたときの総合的な性能・思想が必要となる。機械設計では、全ての機械のマザーマシンと呼ばれる工作機械を対象に、以下の基礎事項について修得する。
1)工作機械の重要性・必要性を理解する(B-2)
2)工作機械の設計上考慮すべき事項を修得する(B-2)
3)工作機械の要素設計技術を修得する(B-2)

 

量子化学III  早川 愼二郎

1) 分光学および分光測定法の基礎を理解する。
2) 分子軌道法の基礎と分子構造解釈への応用を理解する。
3) 電子遷移の特性を理解し、その応用方法を取得する。
4) 振動・回転スペクトルの特性を理解し、その応用方法を取得する。

 

理論有機化学  吉田 拡人

高度な有機化学の反応性や性質を学習し、多彩で多様な有機化学を組織的に理解できる能力を身につける。
授業の目標:
1. カルボン酸誘導体の性質、合成法、反応性を理解する
2. カルボニル基α位の酸性度とそれに伴う反応性を理解する
3. 分子軌道の概念と反応性とのかかわりを理解する

 

制御工学II  和田 信敬

現代制御理論は、状態空間表現に基づき、システムの時間応答特性や安定性の解析、フィードバック制御系の設計、状態推定などの手法を与える。その特徴として以下が挙げられる。
・多変数系、不安定系、非線形系など、古典制御理論の適用が困難な対象も扱える。
・計算機の使用に適したシステマティックな解析・設計手法が整備されている。

本講義では、現代制御理論の基本的考え方と手法を理解することを目的とする。
1)動的システムを状態方程式として記述する方法を修得する。
2)状態方程式の解とその性質を修得し、安定性の概念を理解する。
3)システムの可観測性と可制御性の概念と解析手法を修得する。
4)極配置および最適制御による状態フィードバック制御系の設計法を修得する。
5)オブザーバを用いた出力フィードバック制御系の構成法を修得する。

 

ロボット工学  高木 健

車輪型移動ロボットおよびアームロボットを例として、下記のことを学ぶ。
・仮想仕事の原理
・動力伝達機構
・電動モータの構造及びその制御方法
・車輪型移動ロボットおよびアームロボットの構造
・運動学、逆運動学

 

専門有機化学III  池田 篤志

有機化学の基幹となす一群の化合物であるベンゼン誘導体、カルボニル化合物、および、これらから誘導される重要な化合物の性質、合成法および反応について講義し、以下に示す有機化学の学問に必要な基礎知識を習得することを目標とする。
(1) 不飽和共役分子の電子構造を理解し、その反応性、物性との相関を理解する。
(2) ベンゼン系化合物の芳香族性に関する基礎的な知識を習得し、その特異な安定性と特徴的な反応性について理解する。
(3) 各種芳香族求電子置換反応を学び、その類似点と相違点を理解すると共に、置換基の共鳴・誘起効果が置換反応の反応性と配向性に及ぼす影響を理解する。
(4) カルボニル化合物の構造的特徴に由来する求電子付加反応を習得し、その合成化学への有用性を理解する。
(5) カルボニルα水素の酸性度に起因する各種の反応の様式を習得することで、エノラート種の反応と合成化学への応用を学ぶ。
(6) 比較的簡単な基本有機化合物から出発し、上記各種の反応を組み合わせることで、有用な炭化水素化合物への合目的骨格合成法を習得する。

 

電気化学  大山 陽介

現代の自然科学や科学技術を支える重要な材料化学分野の一つである電気化学について概説し、基礎的概念、知識を講義する。
主な学習内容の概要は以下のとおりである。
(1) 物質の化学変化とエネルギー
(2) 電極電位
(3) ボルタンメトリー
(4) 電極反応・電子移動
(5) 電池・光電変換
(6) めっき・表面加工

 

高分子工業化学  塩野 毅

高分子物質は様々な産業や日常生活に広範に使用されている。実際に実用化、工業化されているあるいはされようとしている有用な高分子材料について概説する。
1) 高分子の物性、特性に関する基礎的事項を理解する。
2) 高分子材料の具体的な種類とその応用を知る。
3) 高分子材料の実際の応用における問題点を知る。
4) 高分子物質の先端技術領域での応用を知る。

 

土の力学  土田 孝・橋本 涼太

社会基盤施設の建設・管理においては、それらが立地する地盤に関する工学的な知識・技術が不可欠である。地盤を工学的に取り扱うための基礎的な知識として土の力学について学ぶ。

 

成形加工学I  山本 元道

加工プロセスのうち、付加加工である溶接・接合、成形加工である溶融成形(鋳造など)について概要がわかり、これらの加工プロセスの基礎原理と付随して起こる種々の基礎現象に関することが理解できる。さらに、生産技術の位置付けについて企業のエンジニアに特別講義をしていただき、工場見学も行うことにより、講義の理解を深める。
(1) 付加加工を行うための加工プロセスを理解・説明できる能力の習得(B)
(2) 成形加工を行うための加工プロセスを理解・説明できる能力の習得(B)
(3) 企業における生産現場での加工プロセスの役割を理解・説明できる能力の習得(B)
(4) 各種加工プロセスを用いた生産現場の見学を通じて、実際の技術がどのように使われているかを理解・説明できる能力の習得(B)

 

流体工学I  尾形 陽一

流体力学を学ぶ際の目標は、基本法則を深く理解し、その基本法則を実際の場面に適用して有用な結果を導き出せるようになることである。本講義では特に後者について、いくつかの例題を考えながら、その基礎(非圧縮性流体)を学ぶ。
(1)物体に働く流体力を計算するための方法を理解する(B-2)
(2)渦無し流れの扱い方を理解する(B-2)
(3)物体形状が物体に働く流体力に及ぼす影響を理解する(B-2)
(4)境界層という考え方およびその扱い方を理解する(B-2)


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