広島大学の名講義(工学部) 2019年度前期

以下の授業が2019年度前期の学部の「名講義」の上位11科目に挙げられました。(ただし、実習等及び受講者10人未満の講義は除いています。説明文は、講義概要や到達目標等から抜粋しています。)

 

鉄筋コンクリート構造・演習  半井 健一郎・小川 由布子

多数の道路・鉄道橋、地下構造物、エネルギー備蓄タンク、上下水道・衛生施設等の鉄筋コンクリートの設計に不可欠な圧縮耐力、曲げ耐力、せん断耐力、ひび割れ幅、たわみ等の基本的性質と解析方法について習得することを目標とする。

 

機械材料I  松木 一弘

鉄鋼材料は、機械構造用材料として多量にまた広範に利用されている重要な材料である。本講義では、「材料科学」の授業で習得した知識を基礎に、以下について修得する。
1)鉄鋼材料の機械的性質が化学成分や組織とどのように関連しているかを理解する。
2)各種の熱処理や表面処理によって機械的性質を改善・調整できる原理を学び、機械・構造物の目的と性能を十分に発揮させるために必要な材料処理法および材料選択法を修得する。
3)鉄鋼材料に関する基礎知識と問題解決能力を養う。

 

量子化学II  今榮 一郎

化学が対象とする無機化合物や有機化合物は複数の原子から構成されている。それゆえ、化学に携わる者にとって原子の構造や原子同士の結合の本質を理解することは重要である。このような観点から、本科目では以下の知識と能力を習得することを目標としている。
(1)水素型原子の波動関数の特徴を理解している。
(2)オービタル近似の意味を理解しており、多電子原子の電子構造を議論できる。
(3)ボルン-オッペンハイマー近似の意味を理解している。
(4)分子の電子構造を原子価結合法・分子軌道法を用いて説明できる。
(5)簡単な多原子分子の分子軌道をヒュッケル近似により計算できる。

 

生産システム  江口 透

生産活動を効率良く行うためには、対象とする生産システムの特徴を踏まえた上で適切な方策を適用し、品質・コスト・納期などの観点から多面的に計画・管理する必要がある。本講義では、機械加工組立産業を中心とした生産システムの目的、分類、構成、および生産計画法、在庫管理法、スケジューリング法などを学び、生産システムの基本的項目を理解・修得することを目標とする。

 

専門有機化学II  大下 浄治

     Jones「有機化学」第7章-第12章に基づいて講義し、以下に示す有機化学の知識を修得させる。
1)置換アルカンの求核置換反応、脱離反応
2)アルケン、アルキンの構造、性質、およびそれらへの付加反応
3)アルカン、アルケンのラジカル反応
4)ジエン類の性質と反応

 

材料力学  半井 健一郎

本授業では、力のつり合い、応力、ひずみについて説明し、梁やトラスなどの構造物の設計の基礎を学ぶ。

 

基礎有機化学II  尾坂 格

生命活動から先端材料まで幅広い科学技術を支える有機化合物、有機化学の基礎的知識と概念を学習し、高学年での専門的授業の予備知識を習得する。具体的には以下の目標を達成して欲しい。
(1) 有機化合物の命名法を理解し、化合物名からその分子構造が書ける。
(2) 有機化合物をアルコール、ケトン、アミンなど官能基別に分類でき、この官能基に基づいて、その性質や物性や反応性をおおまかに理解できる。
(3) 酸性度、塩基性度などの諸性質を決定する電子的、立体的因子を理解して、同一物質群の中で諸性質の強弱を予想できる。
(4) 官能基別有機化合物の一般的合成法を習得する。
(5) 官能基の特性に基づく反応様式、反応機構を徹底的に理解し、知らない化合物の反応でもその主な生成物が予測できる。

 

流動論  島田 学

流体の流れ現象は、化学装置の設計および操作条件の評価のために重要である。本講義では、主として粘性流体の流動現象に関する教育を行う。本講義の受講により、学生は流動の基礎理論を理解し、また流動状態の解析の仕方および流体輸送のための管路系の設計の指針を修得することができる。
この授業で学習する主な内容は次の通り。
(1) 粘性流体の性質
(2) 運動量輸送と応力の関係、および熱、物質輸送との相似性
(3) 質量・運動量の保存則からの流動の基礎式の導出
(4) 簡単な流れ系に対する速度・圧力分布などの計算
(5) 乱流の性質とレイノルズ応力
(6) 速度境界層の概念と境界層内の速度分布
(7) 管内層流、乱流のエネルギー損失の機構と数式による表現
(8) ベルヌーイの式による管路系のエネルギー保存の表現
(9) 簡単な管路系の所要動力計算
(10) 代表的な流れの測定装置とその原理

 

建築設備Ⅰ  金田一 清香

はじめに、建築設備の位置づけや概論を説明し、空気調和設備の種類や役割を学習する。また、空気調和設備計画に必要な熱負荷計算と湿り空気線図について物理的な意味を理解するのが目標である。
本講義の受講により、建築と設備の整合性と維持管理の重要性が理解できるとともに、建築におけるエネルギー利用計画や空気調和設備計画の手法を知ることができる。

 

生体電気工学  辻 敏夫

人間を電気システムとしてとらえ、その電気的入出力メカニズムの生理学的、精神物理学的基礎を学ぶとともに、人間がかかわるさまざまな問題、事例を人間工学的観点から解説する。本講義の受講により、学生は生体電気工学の考え方、生体の電気工学的理解、生体電気特性、人間工学の適用法を習得することができる。

 

交通システム工学  藤原 章正

交通システム計画の目標設定、調査、分析、予測、評価といった一連のプロセスを理解し、主な交通施設を対象として各段階で必要となる能力を習得する。本科目の履修は、将来、社会において交通計画の立案や交通政策の評価を行う際の基礎となる。
具体的には、
1.交通システム計画の策定プロセスを理解することにより、複数の科学的視点から社会と人間との関係を解明するための問題構成力を養う。
2.交通調査の役割と方法を理解することにより、必要な情報を収集し、問題点を発見・認識するための問題構成力を養う。
3.交通需要予測の意義を理解し、モデルの推定法を習得することにより、交通現象をモデル化し予測するための問題解析力を養う。 
4.交通施設計画の原則、交通政策の基本概念を理解することにより、現実の交通施設の技術的課題を分析するための前提を設計する問題構成力を養う。
5.交通需要予測および施設計画の原則に基づいて、価値・判断基準を設定し、複数の交通代替案の優劣を評価するための問題解析力を養う。 


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