広島大学の名講義(工学部)2021年度後期

以下の授業が2021年度後期の学部の「名講義」の上位10科目に挙げられました。(ただし、実習等及び受講者10人未満の講義は除いています。説明文は、講義概要や到達目標等から抜粋しています。)

 

材料科学   松木 一弘

近年、技術の進歩に伴って、機械や機械システムの高度化のために新しい材料の開発が迫られる場面も多くなり、「材料のわかる機械技術者」や「機械のわかる材料技術者」の要請が強くなった。この場合の「材料」には微視的な性質や挙動にまで立ち入らなければならない内容が多く含まれるようになってきている。本講義では、後続の材料関連の講義の基礎として、機械材料の構造と変化をもたらす諸現象を理解する。
(1)結晶構造の種類、結晶内の方向と面の表示、結晶欠陥および材料の構造を理解・説明できる能力。(B-1)
(2)平衡の概念、平衡状態図および原子の拡散、相変態を理解説明できる能力。(B-1)
(3)弾性変形、擬弾性および熱膨張等の原子の結合に起因する性質を理解・説明できる能力。(B-1)
(4)結晶のすべり変形と塑性変形、転位の運動および材料の強化機構を理解・説明できる能力。(B-1)

なお、「知識・理解」、「能力・技能」の評価項目は、下記のとおりである。
「教科書の各章末問題を十分な知識・理解のもとに回答できる能力。」

※「授業の目標」の各項目の末尾に示されている(B-1)は第一類の学習・教育目標を表している。詳細は下記URLを参照すること。
http://home。hiroshima-u。ac。jp/mec/1rui/

 

微生物学Ⅰ  青井 議輝

バイオテクノロジーの主役となる微生物には驚くほどの多様性がある。その多様性を生む進化の仕組みと系統学を学び、最新の分子分類学に基づく微生物体系を理解する。さらに、代表的な微生物の特徴と能力を学び、自然界における微生物の多様な役割を理解する。また自らテーマを決めて調査およびプレゼンテーションを通じて、主体的に微生物学を学びつつ、その学問的・社会的な意義について理解する。

 

機械力学Ⅰ  菊植 亮

機械に生じる振動を対象に機械力学Iにおいては、主として一般の線形振動系に共通な特性を全て含む1自由度、および2自由度の振動系について解説し、機械振動に関する基礎知識を教育する。本講義の受講により運動方程式の持つ意味とその解析法、および振動の基礎的特性が理解でき、また、振動絶縁の原理が把握できる。
(1)線形自由振動の定式化のプロセスを理解・説明できる能力を修得する。
(2)線形減衰振動の定式化のプロセスを理解・説明できる能力を修得する。
(3)線形強制振動の定式化のプロセスを理解・説明できる能力を修得する。
(4)振動絶縁の原理を理解・説明できる能力を修得する。

 

要素設計Ⅰ  茨木 創一

現代の社会にあふれる機械・装置は、小さな機械部品の集合である。世の中のほぼすべての機械に使用されている汎用的な機械部品として、ねじ、キー、ばね要素、軸、軸受、動力伝達要素などが挙げられる。このような機械要素の仕組み、作動原理、使用法、使用限界などを正しく理解しておくことは、機械工学のエンジニアの基礎知識として重要である。機械要素学は材料力学、弾性力学、機械材料学、熱処理、機械加工学、機構学、トライボロジー(潤滑)、機械力学などに関連する要素が網羅されており、機械関連学問を総合する学問といえる。本講義では、応力、応力集中、寸法公差など機械要素設計の基礎を説明したうえで、基本的な機械要素であるねじ、キー、ばね要素、軸、軸受、動力伝達要素について講義する。

 

システム制御Ⅱ  脇谷 伸・木下 拓矢

「システム制御I」に続き、制御工学の基礎となる現代制御の理論、ならびに制御系設計法について講義する。この講義で学習する主な内容は次の通りである。
(1)システムモデリング(微分方程式と状態空間表現)
(2)システムの特性(可制御性・可観測性)
(3)システムの構造(正準構造・可制御/可観測正準形・実現問題)
(4)制御系の安定性(内部安定・入出力安定)
(5)状態フィードバック制御系設計(極配置・オブザーバ)
(6)最適制御系設計(レギュレータ問題・サーボ問題)

本講義は反転講義を取り入れており、事前に講義動画を用いて予習を行い、講義では講義動画に関連するキーポイントの解説や質疑応答、また課題演習に取り組む。また、課題にはMATLAB & Simulinkを用いたプログラミング演習も行う。

 

基礎化学工学     都留 稔了

本科目では、化学工学のみならず工学の広い分野で重要な基礎的概念である、流体の流動現象、熱の移動現象、物質の拡散現象の概念を修得し、これらの現象の定量的、数学的表現法を学習し、移動現象の速度論的基礎を学ぶ。

なお、「知識・理解」、「能力・技能」の評価項目は、下記のとおりである。
(1)Newtonの粘性の法則と運動量流束の概念、Fourierの法則と熱流束の概念、Fickの法則と拡散(物質)流束の概念のイメージを修得する。
(2)層流・乱流の概念を修得する。Reynolds数の定義と物理的意味を修得する。運動量収支(Shell Balance)から層流の速度分布が導出できる。
(3)流体摩擦係数の定義を修得する。圧力損失が計算できる。
(4)機械的エネルギー収支式(Bernoulliの式)の概念および物理的意味を修得する。
(5)拡張されたBernoulliの式を修得する。ポンプの所要動力が計算できる。
(6)熱伝導による温度分布および熱流束がShell Balanceから導出できる。
(7)温度境膜、伝熱係数の概念を修得する。Nusselt数、Prandtl数の物理的意味を修得する。
(8)熱交換における熱交換量が計算できる。総括伝熱係数の概念を修得する。対数平均温度差の概念を修得する。
(9)二重境膜説の概念、および境膜物質移動係数、総括物質移動係数の概念を修得する。

 

ロボット工学  高木 健

車輪型移動ロボットと腕型ロボットの機構と特徴ついて講義します。

 

データ処理および数値解析  杉尾 健次郎

(1)プログラム言語Pythonの修得を通してデータ構造の重要性を理解する。
(2)Pythonによるデータ分析を修得し、科学技術のための計算機利用の基盤を作る。
(3)Pythonの多様なライブラリの利用を通して現代型プログラミングの基礎を修得する。

 

腐食防食  矢吹 彰広

金属の腐食、防食を理解するために金属の表面状態、溶液との界面状態、電気化学の基礎的知識を学ぶ。本講義を受講することにより、電位、電極反応、分極、腐食の形態、防食技術を習得できる。腐食防食技術は化学プラントの安全運転のための重要な基盤技術の一つである。

なお、「知識・理解」、「能力・技能」の評価項目は、下記のとおりである。
(1)金属の表面、金属と溶液の界面を理解できる。
(2)腐食の形態、電極、電位を理解できる。
(3)ネルンストの式、電位-pH図を理解できる。
(4)分極、Butler-Volmer式を理解できる。
(5)ターフェル式、分極曲線、腐食電流、腐食電位を理解きる。
(6)不働態、腐食抑制剤を理解できる。
(7)コーティング、防食技術を理解できる。

 

応用数学I  川下 和日子

基本的な常微分方程式の解法を習得し、微分方程式の応用に必要な数学的基礎を身につけること。具体的には:

(1)微分方程式に関する基本的な術語や概念を理解すること。
(2)1階線形微分方程式の解法を身につけること。
(3)変数分離形の微分方程式の解法を習得すること。
(4)線形微分方程式の解法の一般的な原理を理解すること。
(5)2階定数係数線形微分方程が解けること。
(6)高階定数係数線形微分方程式と1階連立微分方程式の関係について知ること。
(7)微分方程式のべき級数解を数学的に正しく扱うこと。
(8)微分方程式の応用例について知ること。


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