以下の授業が2022年度前期の学部の「名講義」の上位7科目に挙げられました。(ただし、実習等及び受講者10人未満の講義は除いています。説明文は、講義概要や到達目標等から抜粋しています。)
生体電気工学 辻 敏夫
人間を電気システムとしてとらえ,その電気的入出力メカニズムの生理学的,精神物理学的基礎を学ぶとともに,人間がかかわるさまざまな問題,事例を人間工学的観点から解説する。本講義の受講により,学生は生体電気工学の考え方,生体の電気工学的理解,生体電気特性,人間工学の適用法を習得することができる。
化学工学量論 矢吹 彰広
化学プロセスの基本的理解とその定量的な把握のために必要な物質およびエネルギー収支の取り方,量論関係の扱い方を学ぶ。本講を受講することにより,化学技術者として必要な化学プロセスの全体像を把握する手法の基礎を習得できる。この手法は単に化学工業のみならず,各種の製造業,バイオ関連産業,エネルギー関連産業などほとんど全てのプロセス工業に共通な基礎的手法の一つである。
なお,「知識・理解」,「能力・技能」の評価項目は,下記のとおりである。
1) 化学プロセス計算について理解する。
2) 物質量の取扱いと単位系について理解する。
3) 理想気体と実在気体のPVT関係について理解する。
4) 化学プロセスの物質収支計算を理解する。
5) 物理状態変化とエンタルピー収支計算を理解する。
化学装置設計・実習 矢吹 彰広・石神 徹
化学技術者として必要な基礎的な製図法および設計法を説明し,簡単な製図と設計問題を演習させる。またCADによる作図実習,授業と並行して少人数グループで工作実習を行う。本実習により,学生は基本的な化学装置の性能設計計算および製作製図ができるようになる。
なお,「知識・理解」,「能力・技能」の評価項目は,下記のとおりである。
1) 製図法規を習得し,初歩の図面を書くことができる。
2) 製図法に基づいた文字,数字,ローマ字を書くことができる。
3) 立体図を第三角法で製図することができる。
4) ボルト,ナットの組立図を製図することができる。
5) フランジを設計し,製図することができる。
6) CADを用いてフランジ,ボルト,ナットを製図することができる。
7) 熱交換器の性能設計を行い,それに基づいて部品図および組立図を製図することができる。
8) 芯出し作業、タップ立て作業,金鋸作業を行うことができる。
9) 工作機械(フライス盤,ボール盤,コッターマシン)の操作を行うことができる。
鉄筋コンクリート構造・演習 半井 健一郎・小川 由布子
多数の道路・鉄道橋,地下構造物,エネルギー備蓄タンク,上下水道・衛生施設等の鉄筋コンクリートの設計に不可欠な圧縮耐力,曲げ耐力,せん断耐力,ひび割れ幅,たわみ等の基本的性質と解析方法について習得することを目標とする。さらに,客員教員の協力のもと,プレストレストコンクリート構造に関する実務的な内容を理解する。
専門有機化学III 池田 篤志
有機化学の基幹となす一群の化合物であるベンゼン誘導体,カルボニル化合物,および,これらから誘導される重要な化合物の性質,合成法および反応について講義し,以下に示す有機化学の学問に必要な基礎知識を習得することを目標とする。
(1) 不飽和共役分子の電子構造を理解し,その反応性,物性との相関を理解する。
(2) ベンゼン系化合物の芳香族性に関する基礎的な知識を習得し,その特異な安定性と特徴的な反応性について理解する。
(3) 各種芳香族求電子置換反応を学び,その類似点と相違点を理解すると共に,置換基の共鳴・誘起効果が置換反応の反応性と配向性に及ぼす影響を理解する。
(4) カルボニル化合物の構造的特徴に由来する求電子付加反応を習得し,その合成化学への有用性を理解する。
(5) カルボン酸の多用な化学的性質を学び,その付加-脱離機構についてふれる。
粉体工学 福井 国博
工学分野では微粒子を対象にした操作が非常に多い。微粒子の物理的性質と粉体に関する基礎知識を修得し,公害防止管理者試験(大気,粉塵関係)の技術的設問が60%以上解けることを目標とする。
なお,「能力・技能」の目標は,下記のとおりである。
1 粒度分布の測定法と測定原理を理解する。
2 微粒子の運動方程式とその解法を理解する。
3 粒子の捕集及び分級の理論と各種の装置の測定原理を理解する。
4 粒子充填層の性質とその利用法を理解する。
5 遠心場を利用した粒子分離装置の捕集理論を理解する。
6 ろ過理論,粉砕法則を理解する。
鉄筋コンクリート構造 寺本 篤史
鉄筋とコンクリートの材料特性および梁,柱の水平,鉛直部材の基本的な力学的特性と設計法に関して計算例,設計例を具体的に解説し,基礎的知識を確実に習得させる。以下の知識と能力を習得することを授業の目標とする。
(1) 鉄筋コンクリート構造における許容応力度設計法の概念を理解できる。
(2) 曲げと軸力を受ける部材断面の曲げモーメントと曲率の関係を計算できる。
(3) 曲げと軸力を受ける部材の終局強度を計算できる。
(4) 曲げ及び軸力受ける部材の曲げ補強を設計できる。
(5) せん断を受ける部材のせん断補強を設計できる。