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第16回広島大学バイオマスイブニングセミナーが開催されました



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2014年1月22日(水)、「第16回広島大学バイオマスイブニングセミナー」が広島大学東広島キャンパスにおいて開催されました。

本セミナーは、広島大学バイオマスプロジェクト研究センターと中国地域バイオマス利用研究会の共催で開催しており、バイオマスに関する基本的な考え方から 最先端の情報までをカバーして、この地域におけるバイオマスの活動に資することを目的とするものです。

【プログラム】 

  • 解説

    広島大学 大学院工学研究院 教授 松村 幸彦

松村教授

  • 講演

食品廃棄物の水熱前処理

広島大学 大学院工学研究科 博士課程前期2年 福田 有輝

福田さんの講演

 タイ王国のバンコクでは、1.6Tg/dの食品廃棄物が発生しており、他の有用な形態に変換が求められています。同国では国王主導でエタノール製造が進められており、エタノール発酵を行うことが期待されています。

 炭水化物やセルロースは加水分解処理して単糖類とし、これをエタノール発酵することとな ります。この時に水熱前処理を用いることによって環境にやさしい糖化処理ができます。セルロースの水熱前処理における挙動は調べられていますが、食品廃棄 物には調理に用いられる酸や調理油などが含まれているために、添加の影響を確認する必要があります。

 そこで本研究では、添加の影響を実験的に検討することを目的とします。

  • 講演

海洋微生物ラビリンチュラによる褐藻糖質からの高付加価値脂質の生産

広島大学 大学院先端物質科学研究科  博士課程前期1年 Kim Hazel V. Arafiles

Kimさんの講演

 海藻などの海洋バイオマスは、安価であり食料との競合がほとんどない有用な代替バイオマス資源です。

 本研究では、褐藻であるコンブに多く含まれるマンニトールを炭素源として高度不飽和脂肪酸やカロテノイドなどの高付加価値脂質を生産するため、マンニトール酸化細菌による糖質変換とラビリンチュラによる脂質生産を組み合わせた単行複発酵システムの開発をめざしました。

 各種条件検討の後、乾燥マコンブを基質原料としたバイオリアクターでの培養試験を行った結果、ドコサヘキサエン酸とアスタキサンチンが最大生産量としてそれぞれ53.5 mg/Lと18.0 mg/L得られました。これは、褐藻がラビリンチュラによる高付加価値脂質の発酵生産基質として有用であることを示した最初の例です。

  • 講演

ボールミルを用いた水熱条件下におけるセルロースの粉砕

広島大学 工学部 第一類(機械システム工学系) 4年 古瀬 成大

古瀬さんの講演

 水熱条件下においてリグノセルロース系バイオマスの粉砕処理を行った際のセルロースの挙動を明らかにするために、ボールミルを用いてセルロースの同時水熱粉砕前処理を行いました。

 前処理後の生成物にさらに酵素処理を行うことによって、前処理がグルコース生成量に与える影響を調べました。

高温の条件が有効でしたが、回転速度、ボール投入量の変化はグルコース生成量にあまり影響を与えませんでした。

  • 講演

セルロースを用いた同時糖化発酵(SSF)と糖化発酵分離方式(SHF)の特性

広島大学 工学部 第一類(機械システム工学系) 4年 崎本 弘輝

崎本さんの講演

 近年、ガソリンに代わる燃料としてバイオエタノールが注目されてきました。バイオエタノールを精製する過程では、水熱前処理をしたリグノセルロース系バイオマスを酵素と酵母を用いて糖化・発酵を行う必要があります。

 本研究では、モデル物質であるセルロースを用いて糖化と発酵を同時に行う同時糖化発酵と糖化、発酵を別々に行う糖化発酵分離方式を行い、各温度(30℃、35℃、40℃)での反応の特性を得ることが目的です。

  • 司会

    広島大学 大学院工学研究院 助教 神名 麻智

【お問い合せ】

広島大学 大学院工学研究科 熱工学研究室 中嶋

メール: y4naka[AT]hiroshima-u.ac.jp

([AT]は半角@に置き換えてください。)


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