公開授業・分科会(2019)

国語科

教科主題

国語科における 「探す」 ための 「学び」 (1)

 国語科では,「国語科における『探す』ための『学び』(1)」をテーマに掲げ,「探す」ために教科で何を「学ぶ」のかを探っていきます。
 「探す(探究)」の出発は「課題の設定」であり,換言すれば「問いを立てる」ことです。国語科において「生徒自ら問いを立てる力」をどのように養っていけばいいのか,どのような授業を構想すればいいのかを「探究」していきたいと思います。
 公開授業は,「「花山天皇の出家」(『大鏡』)―語り手に着目して―(高校2年)」と「「カメレオン」(チェーホフ)―社会を見る窓―(中学2年)」,研究発表は「「探す」ための「学び」を積み重ねる―文学的文章の取り組み―」を予定しています。今年も昨年同様,参加者による小グループでの討議を計画しています。

公開授業(1限)9:30~10:20

今井 真由美 「花山天皇の出家」(『大鏡』)―語り手に着目して―(高校2年)

公開授業(2限)10:35~11:25

加藤 健伍  「カメレオン」(チェーホフ)―社会を見る窓―(中学2年)

研究発表・研究協議(3・4限)11:40~12:30,13:30~15:10

◆研究発表

村髙 聡子  「探す」ための「学び」を積み重ねる―文学的文章の取り組み―

◆研究協議

指導助言者

山元 隆春  広島大学大学院教育学研究科教授 

社会科・地理歴史科・公民科

教科主題

『学ぶ』から『探す』へ-『探す』ために社会科・地理歴史科・公民科で何を『学ぶ』のか-

 社会科・地理歴史科・公民科では,自ら社会的事象について探究していくためには,何を学ぶべきなのかを追究した授業実践を行います。
 中学社会科歴史的分野では,中学1年生を対象に,新聞の特集記事及びデータベースを活用しながら,平成時代を大観し,時代の特色を多面的・多角的に考察・表現する授業実践に取り組みます。
 「現代社会」の立場からは,来るべき科目「公共」を想定して,そもそも「公共的空間」とは何かを考えるような契機となること,公民科「倫理」の立場からは,生徒各自にとって早晩直面するような現実的な課題を取り上げることで,生徒自らが課題を見つける契機になること,その両方を満たすテーマとして,科学者と軍事研究の問題を考える授業を試みます。

公開授業(1限)9:30~10:20

鶴田 輝樹  歴史を大観するためのNIE学習―平成とはどのような時代だったのか― (中学1年)

公開授業(2限)10:35~11:25

高田 悟  「現代社会」から「公共」へつなげる授業―科学者と軍事研究の問題を考える― (高校1年)

研究協議(3限)11:40~12:30
講演(4限)13:30~15:10

[演題] 社会科・地理歴史科・公民科における“探す”学び

[講師] 棚橋 健治 広島大学大学院教育学研究科教授    

指導助言者

棚橋 健治  広島大学大学院教育学研究科教授

数学科

教科主題

探究的な学習活動を促す数学科の授業づくり

 数学科の授業では,学習者が数学的な見方・考え方を働かせながら数学的活動を行うことを通して,考えを発展させたり統合的に物事を捉えたりするような深い学びが求められています。こうした学びを実現し,これからの時代に求められる学力を培うためには,学習者の探究的な学習活動が鍵となります。
 中学1年では,身の回りのことがらを題材にして,適切な図を用いながら数学的に考察する学習に取り組みます。
 高校1年(数学A)では,ICTを活用しながら図形の性質を予想し,作図の方法を探究していく学習活動を展開します。

基調提案(1限)9:30~10:20

富永 和宏

公開授業(2限)10:35~11:25

秋枝 幸江  作図の利用 (中学1年)

公開授業(3限)11:40~12:30

井上 芳文  図形の性質と作図 (高校1年)

研究協議(4限)13:30~15:10

指導助言者

小山 正孝  広島大学大学院教育学研究科教授

理科

教科主題

「探す」ための理科の授業づくり

 理科ではこれまで「深い学び」のための授業づくりに取り組んできました。これまでの実践の成果を踏まえ,学びの質の改善のための授業づくりを提案します。
 中学理科(第2分野)の授業では,新学習指導要領において新しく示された「身近な地形や地層,岩石の観察」を取り上げ,「探究活動」と「地球システム」をキーワードにして「探す」ことにつながる「深い学び」を提案します。 
 高校化学の授業では,「気体の性質」からボイルの法則を取り上げ,気体の体積と圧力を調べる探究活動を行います。実験結果を基に大気圧を求めることができ,大気圧が再認識できれば,「探す」ことを通して「学ぶ」ことへフィードバックできたことになります。

基調提案・講演(1限)9:30~10:20

◆基調提案

内海 良一  「探す」ための理科の授業づくり

◆講演
[演題] 「主体的・対話的で深い学び」と理科の授業

[講師] 磯﨑 哲夫 広島大学大学院教育学研究科教授

公開授業(2限)10:35~11:25

杉田 泰一  身近な地形・地層・岩石を探る (中学2年)

公開授業(3限)11:40~12:30

内海 良一  ボイルの法則(高校2年選択)

研究協議(4限)13:30~15:10

指導助言者

磯﨑 哲夫  広島大学大学院教育学研究科教授

保健体育科

教科主題

自ら学ぶ力を育てる授業の創造

 体育科・保健体育科では,運動や健康に関する課題の発見とその解決を図る主体的・協働的な学習活動を通して,「深い学び」「対話的な学び」「主体的な学び」という3つの関係性を重視した学習過程に着目しました。
 公開授業では,高校2年種目選択「ブラインドサッカー」と中学1年女子「サッカー」を取り上げます。仲間と対話し,協力して課題を解決することに加え,その運動がもつ特性に触れ,より多くの生徒が魅力を共有し,充実した能動的な学びが形成されるよう展開します。
 多様化が進む現代社会において,スポーツのする・みる・ささえるの観点も日々変化しています。生徒に,いまの体育・スポーツを通して,これからの体育・スポーツをどのように伝えていくかを皆さまと考えていきたいと思います。

公開授業(2限)10:35~11:25

橋本 直子 重元 賢史  ブラインドサッカー(パラスポーツ)(高校2年男女選択)

公開授業(3限)11:40~12:30

世羅 晶子  サッカー (中学1年女子)

研究協議(4限)13:30~15:10

指導助言者

上田 毅  広島大学大学院教育学研究科教授

芸術科(音楽)

教科主題

主体的な学びを促す授業づくり

 中学1年では創作と鑑賞とを関連づけた授業を試みます。授業計画としては次の3段階を考えています。第1段階では,歌による無限カノンである輪唱曲をいくつか演奏し,その面白さを感覚的にとらえさせます。第2段階では,主にアルトリコーダーを用いて輪唱曲や輪奏曲を創作することを通して,輪唱曲のしくみを発見させます。第3段階では,カノンの名曲を鑑賞し,創作で学習したことを活かして,構造としてのカノンの面白さを発見させ,深い学びに導きたいと考えています。
 高校1年では標題音楽をテーマにした器楽・指揮活動を通した『表現をさがす』授業を試みます。ある標題音楽のイメージを鑑賞を通して膨らませ,生徒自らが実際に指揮や演奏で音色やテンポなどの変化を試行錯誤していくことによって,どのように音楽表現が変化していくのかを探究するという実験的な授業を試みます。

公開授業(1限)9:30~10:20

増井 知世子 カノンの面白さを探す―輪唱・輪奏曲の創作を通して―(中学1年)

公開授業(2限)10:35~11:25

原 寛暁   器楽における演奏表現の可能性を探す(高校1年選択)

研究協議(3限)11:40~12:30

指導助言者

三村 真弓  広島大学大学院教育学研究科教授

芸術科(美術)

教科主題

主体的な学びを促す授業づくり

 美術科では昨年度から米国シカゴ大学実験学校(University of Chicago Laboratory Schools)と交流を行っております。現地とは13時間もの時差があるためテレビ会議での交流は難しく,現在のところ,同じ課題に向き合って制作した作品をビデオレターにして紹介し合ったり,実験学校の芸術祭で本校の生徒作品を展示したりする方法で交流を進めています。
 本授業では,送られてきた作品紹介ビデオをグループで鑑賞し,鑑賞した内容を発表してクラスで共有することを計画しています。時間は90分。自画像を通して個性や表現方法,文化の違いについて理解を深めます。

公開授業 10:35~12:05

森長 俊六  異文化理解を深める自画像の鑑賞(高校1年選択)

研究協議(4限)13:30~15:10

指導助言者

中村 和世  広島大学大学院教育学研究科教授

英語科

教科主題

自ら問いを立てて探究する英語授業

 公開授業は,中学1年では,教科書の内容について自ら問いを立てる活動などを通して,探究活動を自律的に行うために必要とされる力を育てることを目指します。
 高校2年では,技能統合的な言語活動を通じた他者との関わりや,本文を読み自分自身や実社会に結びついた問いを立てる活動などから自律的に学習に取り組む態度の育成を目指します。
 教科分科会では,広島大学の深澤清治先生に,場面や他者との関わりの中で学習者自身の文脈を意識した「自分事」としての英語学習についてご講演をいただきます。

公開授業(1限)9:30~10:20

村田 修   探究する自律型学習者―統合的な言語活動を通じて―(高校2年)

公開授業(2限)10:35~11:25

井長 洋    自律的に探究できる生徒の育成をめざして(中学1年)

研究協議(3・4限)11:40~12:30,13:30~15:10
講演

[演題] これからの英語教育―「他人事」から「自分事」へ―

[講師] 深澤 清治 広島大学大学院教育学研究科教授

指導助言者

深澤 清治  広島大学大学院教育学研究科教授
西原 貴之  広島大学大学院教育学研究科准教授

技術・家庭科

教科主題

未来を創る技術・家庭科(2)―問題に気づき,解決に導く創造力を育む授業づくり―

 技術・家庭科(技術分野)では,「D情報の技術」において生徒が自らの生活場面から解決すべき問題を主体的に見いだし,個々に設定した課題を設計・制作する深い学びにつなげるための指導方法を検討しています。公開授業では,「ネットワークを利用した双方向性のあるコンテンツによる問題解決」を題材に,プロダクトデザインの思想に基づく問題解決の授業を実践提案します。
 高校家庭基礎では,新学習指導要領に示されている生活文化の継承・創造と持続可能な社会の構築を関連付けた授業を展開します。世界の郷土料理に使用されている食材や食器,また食の作法などに焦点をあて,食文化の多様性を体験することなどにより,食文化はどのように継承していくべきかを考察,発信する授業を提案します。

公開授業(1限)9:30~10:20

一ノ瀬 孝恵 Sustainable Gastronomy―持続可能な食文化―(高校1年)

公開授業(2限)10:35~11:25

向田 識弘  双方向性のあるコンテンツのプログラミングによる問題解決(中学3年)

研究協議(3限)11:40~12:30
教材展示(1~4限)

指導助言者

鈴木 明子  広島大学大学院教育学研究科教授
谷田 親彦  広島大学大学院教育学研究科准教授


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