アフリカルチャーゲームワークショップ 実施しました



2009613日(土)、広島大学大学院国際協力研究科において,課題発見セミナーの一環であるアフリカルチャーゲームワークショップ(参加人数は夏季海外インターンシップ派遣者12名を含む24名)を実施しました。セミナーの運営には埼玉からICnetのスタッフ3名が来られました。
アフリカルチャーゲームは,参加者全員がアフリカの小農家の家族の一員になり、役に応じて農村生活を疑似体験します。ゲームは一年ごとに進み4年分実施しました。今回は8つの家族が、それぞれ生き残りをかけてゲームを進めます。子供の世話が大変で作物を収穫できないと、栄養失調になりますし、子供を学校に行かせてしまうと、人手が足りなくなります。病気をすると現金が必要になり、銀行に借りると利子がつきます。現金収入を得るために、出稼ぎに行ったりもします。一日をかけておこなったゲームですが、アフリカの農村で生活をすることの難しさを実感し、またどうすればよかったのかということを振り返ることによって、見えてくることがたくさんありました。

【感想】

  • 限定された条件の下ではありましたが、途上国の人たちがどのような状況でどのような気持ちで生きているのかを、かなりの現実性を持って体感できるものだったように思います。問題点のあり方をドナー側ではなく、生活者の立場で抽出できる内容だったようで、参加者には非常に教訓的な経験であったように思います。セミナーとしてはまだ半ばですが、ワークショップの目的は十分に達成できました。

    (大学院国際協力研究科 肥後 靖教授)

  • 丸一日、村に住む家族を演じていた参加者の方々は、厳しい条件の中でどうやって生き残るのかに没頭しているようでした。その過程で、「赤ちゃんを大事にする」、「子供に教育を受けさせる」といった先進国の価値観が、条件が変わるといかに脆いものか実感されたことと思います。私自身は、オブザーバーとして全体の流れを観察していましたが、それでも退屈する暇はなく様々な発見がありました。10年以上の歴史があるゲームならではのノウハウが満載され、健康状態が悪いときの病気のリスク設定など細かい部分に至るまで配慮の行き届いたプログラムであったと感じています。今後、留学生の多いIDECでさらなる活用を図るには、村の住民だけでなく援助する側の役割を設定するなどの工夫が有効かもしれません

    (大学院国際協力研究科 高橋 与志准教授)

  • 人生ゲームのようなスタイルで、内容そのものが意外で有意義でした。考えれば考えるほど難しくなって、安心して挑戦できる基盤(資金等)がないので、リスクを冒すことが怖く、日本では心配しなくてもいいことを気にするようになったところが新鮮でした。 (参加学生)


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