それぞれの道を歩む先輩たち

當山 敦己さん

『多様な性を尊重する活動をしています』
ここいろhiroshima 共同代表

自分らしさとは:人と違うことこそ魅力

 「自分は周りの人と違う気がする…」そう気づき始めたのは小学校高学年でした。出生時の生別は「女性」。しかし、私の心には「男性」である自分が存在していたのです。「性同一性障害」という言葉を知ったときには、「同じ違和感を抱えた人がほかにもいるんだ」と、たしかに安心はしました。しかし、ネットを調べてみても手術の話ばかり。教員になりたかった私は、将来像を描くことができませんでした。

當山 敦己

 大学生3年生になると、周囲は就活に励み始めました。しかし私は、女性向けのリクルートスーツは着たくない一方、男性向けを着ることは許されないようにも感じ、スタートラインに立つことすらできずにいました。そんなとき、バイト先のある先輩が言いました。「人と違うことこそ魅力。いつでも味方だから、生きたいように生きていってほしい。」私は自分に正直に生きると決め、男性として就職し、性別適合手術を受け、女性から男性へ戸籍を変更しました。

学生の皆さんへ:「誰か」にとって大切な役割をになうこと

 多様な性を受け止め合える社会を作ろうと、私は小さな講演会から活動をスタートさせ、現在は「ここいろhiroshima」で、子どもたちと遊ぶ会を企画したり、学校で出張授業をしたりしています。
 また、ここいろhiroshimaの活動をする一方で、障がいのある方と関わる福祉の仕事もしています。同じ障がいであっても、生きづらさや大変さは一人ひとり違います。その人自身に向き合い、変化を間近で感じられることが私自身の活力になっています。
 福祉の仕事も「ここいろhiroshima」の活動も、社会にとって、そして「誰か」にとって大切な役割を担っています。皆さんもこれから過ごす時間の中で、「自分がどんな存在でありたいか」「自分に何ができるのか」を問いかけながら後悔しない人生を歩んでほしいと思います。

(『あなたがあなたの道を歩むために』2019年度版~掲載)
(2023年度版一部更新)
*所属・職名等は『あなたがあなたの道を歩むために』2019年度版掲載時点のものです。

 

當山さんが活動されている「ここいろhiroshima」のご紹介(学外ページへ移動します。)


up