遺伝子診断検査事業者選定チェックリスト

 4年前に「遺伝子検査ビジネスにご用心を」というコラムを掲載しました。その後の技術の進歩はますますめざましく、簡便・安価に遺伝子検査ができる時代となってきました。
  最近では、大学の研究所と大手ゲーム会社が共同して検査ビジネスを開始する、というニュースをご覧になった方もいらっしゃるでしょう。しかしながら「結果の判断についてはまだ研究段階で、今後結論が変わる可能性がある」という点は4年前とあまり変わっていません。
このような状況をうけ、経済産業省では平成25年2月に「遺伝子検査ビジネスに関する調査」報告書を発表しています。
http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/bio/24idenshibizinesu.pdf
  この中で「遺伝子診断検査事業者選定チェックリスト」が示されました。下記の13項目をチェックし、これらを満たす検査事業者で検査をしてもらうのが望ましいとされています。

  • 検査の結果得られる判定は医師の診断ではないことを明記している
  • 遺伝子検査の結果から体質などに関する判定をするための科学的根拠(論文や自社の研究結果) をしっかり持っていることを説明している
  • 遺伝子のどこを調べるのか説明している
  • 検査の結果からの判定は同じ遺伝子の特徴を持っている人たちの間での一般的傾向であることを示している
  • ホームページやパンフレットで行われる説明の資料と同意書を見ることが出来る
  • 事前に書面による詳細な説明があり、同意を確認した後に検査を進める
  • 検査の結果に従う有償の商品の販売、有償の生活指導などの二次的サービス提供の有無をはっきり示している
  • 有償の二次的サービスが不要の場合は拒否できる仕組みになっている
  • 有償の二次的サービスの科学的根拠が明記してある
  • 事業を進めるに当たって準拠しているガイドラインの名前を明示している
  • 経済産業省の個人遺伝情報保護ガイドラインに従っている旨の記載がある
  • 遺伝子の検査をする場所又は機関名が明示されている
  • 検査の前後でカウンセリングなど相談に乗る仕組みがある

  これらのポイントに注意すること以外には、遺伝情報は究極の個人情報!個人情報保護の問題にも注意が必要です。「特定非営利活動法人 個人遺伝情報取扱協議会」(http://www.cpigi.or.jp/index.html)が設立され、自主基準を定めて活動しています。個人が医療者を介さず、検査会社を直接利用して遺伝子検査を受けようと思われた場合には、これらの情報を参考にして、慎重に判断をしてから検査を受けるようにして下さい。


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