第375回 物性セミナー

題目 The Kondo resonance in photoemission spectroscopy
講師 Prof. Friedrich Reinert (Wuerzburg University)
日時 2010年3月18日(木)14:30-15:30
場所 理学研究科物理科学専攻C212会議室
要旨 The Kondo resonance is a very peculiar and characteristic photoemission feature in a broad class of strongly correlated materials. It bears information about the low energy scale of many-body excitations in these materials and can be used as a probe for the local coupling between itinerant and localized states.

On the example of Cerium systems, this talk will give an introduction into the spectroscopic properties of Kondo systems first. These concepts are used for the further analysis of the famous quantum phase transition (QPT) in Ce[CuAu] and might be the key for the understanding of an unexpected low energy scale observed in organic adsorbate systems.

担当 島田(内6293


第374回 物性セミナー

題目 世界のエネルギー需給の現状と展望
講師 小宮山 涼一

(財団法人日本エネルギー経済研究所 計量分析ユニット(兼)国際動向・戦略分析グループ)

日時 2010年3月17日(金)15:50-16:50
場所 広島県民文化センター(鯉城会館) 5階 サファイア




担当 小島 由継(先進機能物質研究センター)


第373回 物性セミナー

題目 水素・燃料電池自動車の安全研究に関するJARIの取り組み
講師 三石 洋之

(財団法人日本自動車研究所 FC・EV研究部 安全研究グループ長)

日時 2010年3月17日(金)14:40-15:40
場所 広島県民文化センター(鯉城会館) 5階 サファイア




担当 小島 由継(先進機能物質研究センター)


第372回 物性セミナー

題目 燃料電池・水素の技術開発・実証等の取組
講師 佐藤 嘉晃

(NEDO 燃料電池・水素技術開発部 部長)

日時 2010年3月17日(金)13:40-14:40
場所 広島県民文化センター(鯉城会館) 5階 サファイア




担当 小島 由継(先進機能物質研究センター)


第371回 物性セミナー

題目 Ferromagnetic shape memory effect of thermoelastic martensites: fundamental and applied aspects

Vladimir Chernenko

(Universidad del País Vasco & IKERBASQUE, Basque Foundation for Science, Spain)

日時 2010年2月19日(金)14:00-15:00
場所 理学研究科 物理科学専攻 会議室 C212
要旨   The ferromagnetic shape memory effect (FSME) appears as a magnetic field-induced twinning/detwinning in the martensitic phase, resulting in the recoverable strain of the order of martensitic spontaneous distortion. The FSME is typical for thermoelastic martensites formed as a result of martensitic transformation in ferromagnetic matrix of Ni-Mn-Ga alloys which represent novel multifunctional materials with extreme mechanical, magneto-mechanical and mechano-magnetic properties as well as with peculiar type of magnetic behavior.
  The concept of the equivalence of mechanical and magnetoelastic stress is deduced from the magnetoelastic model based on the Landau theory. The main consequences of this model are briefly discussed.
  The magnetomechanics of ferromagnetic martensites in quasielastic and anelastic regimes at different schemes of loading will be considered.
  The superelastic behavior of Ni-Mn-Ga ferromagnetic martensites at orthogonal magnetic field is described. The proper theoretical treatment combining a magnetoelastic model and statistical approach is developed to describe quantitatively the superelastic strain under transversal constant magnetic field.
  As far as applied aspect is concerned, some results of ongoing research on magnetic shape memory thin films will be presented. Emphasis will be given to the transformation behavior and magnetism of submicron Ni-Mn-Ga martensitic films deposited on different substrates. The results are discussed in terms of thickness dependent residual strains as well as microstructural and crystallographic features.
担当 木村昭夫(理学研究科 内線7471)

第370回 物性セミナー

題目 Bring nanowires down to the real bottom: atomic wires on silicon surfaces
講師 Prof. Han Woong Yeom(CAWL, Yonsei University (Seoul, Korea))
日時 2010年1月28日(木) 14:30-15:30
場所 理学研究科 物理科学専攻 会議室 C212
要旨 During last ten years, we have investigated metallic atomic wire arrays of In, Au, Gd, and Pb self-assembled on silicon surfaces.  These wires have truly atomic dimension in width and thus are the thinnest wires one can get.
The motivations have been twofold; they might be (i) exploited in future nano- or molecular-scale device architectures and (ii) useful as a new class of model systems for physics studies on low dimensional electrons. In particular, these systems feature well-defined multiple 1D electron bands, which drive Peierls-type metal-insulator transitions through strong electron-lattice interactions [1].  In the first half of this talk, I will review the present understanding of these atomic wires focusing on the metal-insulator transitions.  In the second part of the talk, I will introduce a few recent systems and issues such as Pb/Si(557) [2] and Au/Si(110), which are stable at low temperature against the Peierls instability. In these systems, interesting electron-electron interactions were observed, which lead to giant kink in the electron dispersion and the possibility of non-Fermi liquid behaviors.  A few future directions in this prospering filed of researches will be suggested, such as doping and breaking down the wires into finite length rods.

[1] H. W. Yeom et al., Phys. Rev. Lett. 82 (1999) 4898; J. R. Ahn et al., Phys. Rev. Lett.  91 (2003) 196403; J. R. Ahn et al., Phys. Rev. Lett.  95 (2005) 196402.
[2] K. S. Kim et al., Phys. Rev. Lett.  99 (2007) 196804; Nano Lett. 9, 1916 (2009).

担当 奥田太一(放射光科学研究センター)・内線6297 ex 319

第369回 物性セミナー

題 目 コンプトン散乱を利用した物性研究
講師 櫻井吉晴(高輝度光科学研究センター,SPring-8)
日時 2009年12月17日(木)15:45-16:45
場所 理学研究科 C104 教室
要旨 X線の粒子性を実証したコンプトン散乱(効果)は、A. H. Compton自らが開発したX線分光装置[1]によって発見された。この発見から60年経った1980 年代、放射光X線の利用開始とともにコンプトン散乱測定技術の飛躍的発展がはじまり、第3世代大型放射光施設SPring-8においてひとつの物性実験手法として確立した。本セミナーでは、学部学生・大学院生を対象にコンプトン散乱による物性研究の基礎を説明した後、最近のトピックス[2-6]と近未来展望について 述べる。
1. A. H. Compton, Phys. Rev. 22, 409 (1923).
2. C. Utfeld et al., Phys. Rev. Lett. 103, 226403 (2009).
3. B. Barbiellini et al., Phys. Rev. Lett. 102, 206402 (2009).
4. K. Nygard et al., Phys. Rev. Lett. 99, 197401 (2007).
5. S. B. Dugdale et al., Phys. Rev. Lett. 96, 046406 (2006).
6. A. Koizumi et al., Phys. Rev. Lett. 86, 5589 (2001).


担当 圓山 裕 (理学研究科)・内線7386

第368回 物性セミナー

題 目 高輝度放射光回折を用いた表界面・薄膜・ナノ構造の研究の展開
講師 坂田修身(高輝度光科学研究センター,SPring-8)
日時 2009年12月17日(木)14:30-15:30
場所 理学研究科 C104 教室
要旨 放射光回折を用いた、表界面・薄膜の構造研究は本格的に開始されてから20余年が経過し、その対象は超高真空中の清浄表面の構造から様々な系に広がりつつある。また、測定システムも高度化、迅速化されつつある。


担当 圓山 裕 (理学研究科)・内線7386

第367回 物性セミナー

題 目 スピン・電荷・軌道の秩序が引き起こす強誘電分極の新たなメカニズム
講師 山内邦彦(CNR-INFM、 L'Aquila、イタリア)
日時 2009年12月21日(月)  16:20-
場所 先端物質科学研究科 402N

強磁性・反強磁性および強誘電性が共存する複合新機能材料、“マルチフェロイック物質”が近年注目を集めている。この物質の工業的応用として、多値メモリ材料や電場によって磁化を反転させる超低消費電力のMRAM材料などの実現が期待されているが、このような応用を可能にするような強い電気磁気効果を示す物質はまだ発見されていない。我々のグループ(BISMUTH PROJECT)は、そのような新奇マルチフェロイック物質を探索し、スピン・電荷・軌道の秩序とそれに伴って生じる強誘電性のメカニズムを明らかにすべく、遷移金属酸化物を中心に密度汎関数法計算を用いた研究を行っている。当講演では、主に以下の物質についての我々の研究を紹介する。
1)斜方晶ペロブスカイト型マンガン酸化物 RMnO3 (R:希土類元素)
斜方晶マンガン酸化物では、MnO6八面体のヤーン・テラー歪みに伴ってMnのeg軌道の縮退が解け、eg軌道が面内でジグザグに並んだ状態に整列(軌道整列)する。希土類元素RをLaからLuまで置換していくと、ランタノイド収縮に従って原子構造の歪みは大きくなり、Mnの局在スピンによる磁性の安定相はA型反強磁性相(R=La~Nd)から、SDW相(R=Tb, Dy)を経て、E型反強磁性相(R=Ho~Lu)へと変わる。E型反強磁性の秩序は結晶のもつ反転対称性を破り、強誘電分極を生じることが予測されている。この強誘電分極の起源を調べるため、我々は密度汎関数法計算で得られた波動関数から各原子サイトに局在したワニエ関数を構築し、Mn-d電子の空間分布を調べ、とび移り積分の値を求めた。その結果、強誘電分極の起源は、軌道整列したMn-eg軌道の電子がジグザグ状に並んだ同じスピンサイトの上を非対称的にとび移ることによるものだと分かった。 ここでは、斜方晶RMnO3における磁性と強誘電性の相関について、金森・グッドイナフ則を引用しながら議論する。
2)マグネタイト Fe3O4

担当 小口 多美夫 (先端物質科学研究科)

第366回 物性セミナー

題目 鉄系高温超伝導体の超伝導ギャップ構造
講師 芝内 孝禎(京都大学大学院理学研究科)
日時 2009年12月3日(木) 16:20-17:50
場所 先端物質科学研究科 403N
要旨 鉄砒素系高温超伝導の発現機構を議論する上で,その超伝導秩序パラメータであるエネルギーギャップ構造を決定することは非常に重要である.格子振動を媒介とした従来型のBCS超伝導体では,ギャップは等方的に開くのに対して,電子相関が重要となる非従来型の超伝導では、引力相互作用が異方的になり,フェルミ面の一部で超伝導ギャップの符号が反転する場合がある。鉄系超伝導体では,s状態とよばれる符号反転を伴いながらノードのない新しいタイプの非従来型超伝導状態が提案されているが,まだその詳細は明らかとなっていない.我々は,磁場侵入長,下部臨界磁場,熱伝導度などの準粒子低エネルギー励起に敏感な物理量の低温精密測定により,様々な鉄系超伝導体のエネルギーギャップ構造を明らかにしてきた [1-7].その結果同じ鉄系超伝導体でも物質によってノード構造の異なる超伝導状態が実現していることが明らかとなってきた.これは,他の非従来型超伝導体には見られない非常に興味深い特徴であると考えられる.


[1] K. Hashimoto et al., Phys. Rev. Lett. 102, 017002 (2009).
[2] K. Hashimoto et al., Phys. Rev. Lett. 102, 207001 (2009).
[3] R. Okazaki et al., Phys. Rev. B 79, 064520 (2009).
[4] S. Kasahara et al., arXiv:0905.4427.
[5] M. Yamashita et al., arXiv:0906.0622.
[6] K. Hashimoto et al., arXiv:0907.4399.
[7] H. Shishido et al., arXiv:0910.3634.

担当 世良正文 (先端物質科学研究科)

第365回 物性セミナー

題目 電力ネットワークの現状と将来
講師 宮里 健司 (関西電力株式会社エネルギー利用技術研究所)
日時 2009年11月19日(木) 14:45-15:45
場所 広島大学東広島キャンパス 中央図書館ライブラリーホール
要旨 私どもの研究所での水素に関する研究を簡単にご紹介します。 最近話題になっているスマートグリッドに関連して、電力ネットワークの現状と今後の目指すところ、また、水素システムとの比較についてお話をさせていただきます。
担当 小島 由継(先進機能物質研究センター)・内線3904

第364回 物性セミナー

題目 高圧水素ガス関連の規制と最新の材料技術及び今後の動向
講師 竹花 立美 (高圧ガス保安協会機器検査事業部)
日時 2009年11月19日(木) 13:40-14:40 
場所 広島大学東広島キャンパス 中央図書館ライブラリーホール
要旨 高圧水素を利用するにあたり、高圧ガス保安法関連では多くの金属材料が劣化することが最大の問題と考えています。高圧ガス保安法の概要と保安法の観点から、高圧ガス設備・容器の材料規制の考え方及び最近の基準化動向等を解説します。
担当 小島 由継(先進機能物質研究センター)・内線3904

第363回 物性セミナー

題目 マルチフェロイック物質の磁気・強誘電相転移
講師 野田 幸男(東北大学多 元物質科学研究所)
日時 2009年11月17日(火) 16:20-17:50
場所 理学研究科 物理科学専攻 会議室 C212
要旨 マルチフェロイック物質とは、定義そのものでは、強誘電・強磁性・強弾性の「フェロイック」な秩序が同時に実現している物質であるが、最近話題になっているのは、強誘電秩序と強磁性あるいは反強磁性などの磁気秩序が同時に実現している物質である。
[1] 近桂一郎,籠宮功: 日本結晶学会誌 41, (1999) 342.
[2] Y. Noda, H. kimura, M. Fukunaga, S. Kobayashi, I. Kagomiya and K. Kohn: J. Phys.: Condens. Matter 20, (2008) 434206
担当 黒岩 芳弘 (理学研究科)・内線7397

第362回 物性セミナー

題目 高温超伝導体の擬ギャップと超伝導ギャップ
講師 藤森 淳(東京大学大学院 理学研究科)
日時 2009年10月21日(水) 13:30-14:30
場所 理学研究科 物理科学専攻 会議室 C212
要旨 銅酸化物高温超伝導体が発見されて20年余り膨大な研究が積み重ねられてきたが,そのクーパー対形成機構と "擬ギャップ" の起源は今も論争の只中にある.一方,角度分解光電子分光(ARPES)やトンネル分光を用いた研究で,擬ギャップと超伝導ギャップの新奇な共存・競合の様子が明らかになってきている.本セミナーでは,最近のARPESの結果に基づいて,擬ギャップ形成,クーパー対形成について検討する.
担当 木村 昭夫 (理学研究科)・内線7471

第361回 物性セミナー

題目 単結晶中性子回折を用いたカゴ状化合物の精密構造解析
講師 金子 耕士 (日本原子力研究開発機構)
日時 2009年10月29日(木) 15:00 -
場所 先端物質科学研究科 403N
要旨 大きめの”カゴ”に内包されたイオンが示す”ラットリング”と呼ばれる大振幅振動は、優れた熱電性能に限らず、重い電子状態や超伝導といった、固体物理学において最も魅力的な物性をももたらす新たな要素として、近年盛んに研究されている。一方で、「ラットリングとはどういった事を指すのか?」という問いに対し、いまだに確立した見解
は得られていない。この問題に基本的な知見を加えるため、単結晶中性子回折を手法として、系統的な研究を進めている。本セミナーでは、代表的なカゴ状化合物の充填スクッテルダイトの中で、重い電子系化合物のPrOs4Sb12 , NdOs4Sb12及び同程度のカゴの大きさを持つPrRu4Sb12についての結果を、実験や解析方法の詳細も含めて報告する。
担当 木村 昭夫 (理学研究科)・内線7471

第360回 物性セミナー

題目 V酸化物における三量体と軌道整列
講師 勝藤 拓郎 (早稲田大学理工学術院)
日時 2009年10月21日(水) 14:40-15:40
場所 理学部C212
要旨 結晶中にもとの周期構造より高次の構造が形成される現象は、(スピン)パイエルス転移に見られるdimerや、電荷整列に見られるstripeなどがよく知られている。最近、Vイオンが三角格子やfcc格子をベースにした格子を形成する酸化物において、Vが三量体(trimer)を組む例がぞくぞくと見つかっている。
担当 小口 多美夫 (先端物質科学研究科)・内線7015

第359回 物性セミナー

題目 Ab Initio Cluster Studies for X-ray Absorption Spectroscopy : from molecules to surfaces and bulk
講師 Prof. Klaus Hermann (Theory Department, Fritz-Haber-Institut der MPG, Germany)
日時 2009年10月13日(火) 10:30-12:00
場所 理学部C212
要旨 Modern experimental methods allow us to obtain reliable spectroscopic data for free and ad-sorbed molecules as well as for local sites at substrate surfaces and in the bulk. Corresponding theoretical results, based on quantum chemical methods, can help to interpret these experimental spectra and can provide an understanding of excitation phenomena and other physical behavior on a microscopic scale. This applies, in particular, to electron spectroscopy experiments using synchrotron radiation such as X-ray absorption (XAS/NEXAFS), X-ray emission (XES), and X-ray photoemission (XPS).
In this talk we describe our quantum chemical approach to evaluate energetics and transition matrix elements for (polarization-resolved) photon absorption and emission involving electronically excited states. Our methods are based on modern Density-Functional theory (DFT) together with gradient corrected functionals as implemented in the StoBe code (Stockholm-Berlin collaboration). Relevant computational strategies will be discussed and illustrated by examples of recent theoretical studies on C6-ring containing hydrocarbons in gas phase, on phenyl propenes adsorbed at the Cu(111) surface, as well as on differently coordinated oxygen in the transition metal oxides V2O5 and MoO3 including supported vanadia particles. In all examples we compare our theoretical data with corresponding experimental results derived from electron spectroscopy using synchrotron radiation.
担当 小口 多美夫 (先端物質科学研究科)・内線7015

第358回 物性セミナー

題目 粘土フィルム「クレースト」の水素タンク素材への展開
講師 蛯名 武雄 (産業技術総合研究所 コンパクト化学プロセス研究センター)
日時 2009年7月9日(木)
場所 広島大学東千田キャンパス B棟2階 大講義室
要旨 層状ケイ酸塩構造を有する粘土を主材料とし、その層状結晶を緻密に積層させる技術で作製したフィルム「クレースト」のコンセプト、構造と特性について概説いたします。クレーストは高い耐熱性、ガスバリア性を有します。その水素ガスバリア性に着目した水素タンク用素材、ガスケット製品などの展開についても紹介いたします。 水素機能材料学シリーズ12
担当 小島 由継 (先進機能物質研究センター)・内線3904

第357回 物性セミナー

題目 低炭素社会に向けた高温ガス炉水素製造技術
講師 日野 竜太郎 (日本原子力研究開発機構 原子力基礎工学研究部門)
日時 2009年7月9日(木)
場所 広島大学東千田キャンパス B棟2階 大講義室
要旨 日本原子力研究開発機構(JAEA)では低炭素社会の実現に向け、高温ガス炉からの高温熱を用いて無尽蔵の水を熱分解する先端的なヨウ素-硫黄系熱化学水素製造プロセスの研究開発を、高温工学試験研究炉(HTTR)計画の下で進めています。本講演では、JAEAにおける水素製造技術開発を中心にHTTR計画を紹介します。 水素機能材料学シリーズ11
担当 小島 由継 (先進機能物質研究センター)・内線3904

第356回 物性セミナー

題目 永遠のエネルギー・太陽光発電を目指して
講師 黒川 浩助 (東京工業大学 統合研究院 ソリューション研究機構)
日時 2009年7月9日(木)
場所 広島大学東千田キャンパス B棟2階 大講義室
要旨 最近の1年間ほどの間に,太陽光発電を取り巻く社会的な環境が大きく変わった。G8サミット、福田ビジョン、住宅用太陽光発電の補助金制度復活、そして、日本版フィードインタリフ、...本講演では、太陽光発電産業動向、真の太陽光発電の価値(地球環境持続性・生存可能性)、ネットワークへの統合、クールアース50・革新型太陽光発電、そして、基幹エネルギーへ向かう太陽光発電の超長期見通しを占う。 水素機能材料学シリーズ10
担当 小島 由継 (先進機能物質研究センター)・内線3904

第355回 物性セミナー

題目 斜方晶YbFe2Al10型CeT2Al10 (T=Fe, Ru, Os) 単結晶の半導体的挙動
講師 西岡 孝 ( 高知大学理学部・教授)
日時 2009年7月6日(月) 18:00 -
場所 先端物質科学研究科 304S
要旨 Ce化合物の磁性は, Doniachの相図でおおまかに理解することができる。この相図の中で価数揺動領域の重い電子領域に近い領域において,特殊な結晶構造(ε-TiNiSi型,Y3Sb4Au3型,スクッテルダイト型)は半導体的挙動を示すことが知られている。本講演で紹介するYbFe2Al10型構造はこれらの特殊な結晶構造の新しい仲間であり,表題の物質はいずれも半導体的挙動を示す。T=Fe, Ruに関する半導体的挙動を最初に発見したのは室らである。

我々は表題の物質に加えて,他の希土類のほとんどの単結晶をAl自己フラックス法で育成し,Ce以外は通常の金属的な振る舞いを示すことを明らかにした。格子体積はいずれもランタノイド収縮からずれており,価数揺動領域にあることを示している。電気抵抗はいずれも室温から降温とともに増加する。この温度依存性は,近藤効果によるものとしても半導体的ギャップによるものとしても解析が可能である。T=RuとOsにはT0~30 K付近に電気抵抗,磁化率に鋭い異常を伴う相転移が観測されている。我々のNQRの実験からは,この転移は磁気転移でないことを示している。電気抵抗の振る舞いはかなり特異で,少数キャリア系Ceプニクタイトの圧力下の振る舞いに似ている。

担当 高畠 敏郎(先端物質科学研究科)・内線7025

第354回 物性セミナー

題目 Multiferroic Transitions and Magnetoelectric Coupling in BiFeO3
講師 Dhananjai Pandey(School of Materials Science and Technology, Banaras Hindu University, India)
日時 2009年7月2日( 木)  14:30 -16:00
場所 理学研究科 物理科学専攻 会議室 C212
要旨 Multiferroic materials exhibit simultaneously at least two different types of ferroic orders characteristic of ferroelectric, magnetic and ferroelastic phases. The phenomena of magnetic and ferroelectric orderings have been generally regarded as “mutually excusive” in oxide perovskites. Their coexistence in some magnetoelectric multiferroics has therefore evoked tremendous interest in recent years because of the interesting underlying physics and also the possibility of designing new generation sensor, actuator and memory devices.

 BiFeO3 is the only room temperature multiferroic with magnetic and ferroelectric transitions occurring at TN ~ 643 K and TC ~ 1103 K. The observation of an anomaly in the dielectric constant at the magnetic transition temperature is often taken as an evidence of magnetoelectric coupling of multiferroic origin. It has, however, been pointed out that such a dielectric anomaly may also result from magnetoresistive contributions due to space charge polarizations, especially in granular systems. It does not therefore necessarily provide evidence for intrinsic magnetoelectric coupling of multiferroic origin. In the (Bi1-xAx) (Fe1-xTix)O3 (A = Ba2+, Pb2+) systems, we have recently shown1,2 that the temperature variation of the high frequency dielectric constant, free from space charge contributions, still exhibits   an anomaly at the magnetic transition temperature. Further, it is accompanied with a pronounced change in the lattice parameters at the magnetic transition temperature revealing strong magnetoelastic coupling. More interestingly, there is a significant shift in the atomic positions below the magnetic transition temperature. We have shown that these shifts are due to a rare type of isostructural phase transition driven by one of the irreps of the ferroelectric space group. The ionic polarization calculated form the positional coordinates of the atoms in the unit cell is not only found to increase in the magnetic phase but also scale linearly with magnetization. Our observations provide the first direct and atomic level evidence for intrinsic magnetoelectric coupling of multiferroic origin in BiFeO3 based systems.  
1) A. Singh et al, Phy. Rev. Lett. 101, 247602 (2008).
2) S. Bhattacharjee et al, Appl. Phys. Lett. 94 012906 (2009).
担当 黒岩 芳弘 (理学研究科)・内線7397

第353回 物性セミナー

題目 An update on a hidden treasure in conventional admixed rare earth intermetallic compounds
講師 A. K. Grover (DCMP&MS, Tata Institute of Fundamental Research, Mumbai)
日時 2009年6月12日(金)  14:00 -15:30
場所 先端物質科学研究科409W

The attributes of a large conduction electron polarization (CEP) and the exchange bias field have received much attention in recent times in the context of spintronics and the magnetic multi-layer devices comprising ferro-antiferro interfaces, respectively. The rare earth (RE) based isoelectronic series of ferromagnetic intermetallic compounds offer the possibility of realizing and tailoring these attributes concurrently by synthesizing admixed RE-intermetallics, wherein a given RE3+ ion (R1) is partially replaced by another RE3+ ion (R2), such that R1 and R2 belong to the different halves of the series, and , where and are the magnetic moments of R1 and R2. Considering that J value for the ground multiplet level for the first/second half of the RE ions is L-S/L+S, respectively, their magnetic moments get (notionally) get aligned parallel / anti-parallel to the respective 4f-spins. In the above stated pseudo-binary RE alloys derived from a ferromagnetic intermetallic series, the conduction electron mediated RKKY based exchange interaction between the 4f-spins of R1 and R2 remains ferromagnetic, which in turn enjoins the magnetic moments, and , belonging to the different halves of the RE-series, to couple anti-ferromagnetically. The alloys near the stoichiometry, , are expected to imbibe the near-zero net-magnetization characteristic, and also display the magnetic compensation phenomenon as a function of temperature. The local magnetic moments of dissimilar RE ions can be made to undergo a field induced reversal in their orientations across the compensation temperature (Tcomp). While this happens, the CEP also undergoes a field induced reversal with respect to the externally applied field, and such an occurrence assumes an accentuated importance in determining the phase of the asymmetry (i.e., the exchange bias field) in the magnetization hysteresis loops and the sign of the magneto-resistance response. A status report on the ongoing explorations at TIFR on a wide variety of admixed rare earth intermetallics close to the zero-magnetization stoichiometry shall be presented. The recent new findings [1-7] include: (i) exemplification of the existence of exchange bias field on approaching Tcomp and its sudden phase reversal across Tcomp, (ii) identification of a step change in high field magnetization and its correlation with the fingerprint of field-induced entropic change in specific heat data, (iii) oscillatory character in the magneto-resistance response, including a change in its sign at Tcomp, (iv) novel repeated magnetic compensation behavior in some specific alloys, (v) synthesis of alloys undergoing magnetic orderings close to the ambient temperature and possessing large CEP, but, near-zero bulk magnetization , and permitting easy tuning of the exchange bias field for novel applications, etc.

[1] Prasanna D. Kulkarni et al., Phys. Rev. B78, 064426 (2008).

[2] Prasanna D. Kulkarni et al., J. Phys. D: Appl. Phys. 42, 082001 (2009).

[3] Prasanna D. Kulkarni et al., Cond-mat. arXiv:0811.0931, IEEE Trans. Magn. (2009) to appear.

[4] Prasanna D. Kulkarni et al., Cond-mat. arXiv:0812.0929, Europhys. Lett. (2009), submitted.

[5] Prasanna D. Kulkarni et al., J. Phys.: Conf. Ser. 150, 042102 (2009); 150, 042045 (2009).

[6] Prasanna D. Kulkarni et al., Solid State Physics (India) 53, 1097 (2008); 53, 1125 (2008) [7] S. Venkatesh et al., Solid State Physics (India) 53, 1219 (2008).

担当 田中 新(先端物質科学研究科) 内線 7012

第352回 物性セミナー

題目 量子スピンホール系のトポロジカルなエッジ状態と伝導現象
講師 村上 修一 (東京工業大学大学院理工学研究科、さきがけ・JST)
日時 2009年5月8日(金)  16:30 -
場所 先端物質科学研究科405N
要旨 最近スピン流の物理が注目されている。スピン流は時間反転で符号を変えないため、磁場・磁性等のない状況でも誘起されうる。この一つの例が量子スピンホール系であり、量子ホール系と同様のトポロジカルな秩序である。この効果は2次元や3次元で起こり、バルクでは絶縁体であるが、エッジ状態や表面状態がギャップレス(つまり金属的)でスピン流を運ぶ。このエッジ状態はトポロジカルに保護されており、非磁性不純物や表面のラフネス等があっても壊されない。スピン軌道相互作用が大きい非磁性絶縁体の中には、このような状態を実現しているものがあり、2次元・3次元系とも理論的提案・実験での観測報告が相次いでいる。本講演では量子スピンホール効果に関する理論・実験を、我々の最近の研究結果を中心に解説する。特にビスマス薄膜での量子スピンホール効果の理論的予言およびそうしたエッジ状態が引き起こす特異な伝導現象について解説する。
担当 若林 克法(先端物質科学研究科) 内線 7630