第546回 物性セミナー
題目 | 帯電した水酸化物層に挟まれた2次元ナノ空間での分子/イオンの挙動・機能を探る |
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講師 | 笹井 亮 氏(島根大学 大学院自然科学研究科 環境システム科学専攻・教授) |
日時 | 2020年11月19日(木) 16:20- |
場所 |
オンライン開催 |
要旨 | 帯電した金属水酸化物が積層することにより形成される2次元ナノ空間ー層間ーに取り込まれた分子やイオンなどは静電相互作用だけでは説明できない様々な挙動を示すことが知られている.この特殊な空間を利用して,ユニークな物性を示す様々な物質群が報告されているが,層間における分子やイオンの状態や挙動の詳細について十分明らかになっているとは言えない.私たちは近年,水酸化物の層間に取り込まれた無機イオンの状態が共存する水分子の影響を多大に受けること,さらにこの水との相互作用がその物質の物性に大きな影響を与えることを明らかにするとともに,その時の無機イオンや水分子の状態を詳細に明らかにすることに成功している.例えば,ある状況で層間の水はあたかも―180℃での氷と同じような構造をとっていることなどである.講演では層状水酸化物の一種である層状複水酸化物中の無機イオンや水の状態の詳細解析の方法と結果について紹介するとともに,層間に取り込まれた光機能性有機イオンが示すユニークな現象についても紹介したい. |
担当 | 森吉 千佳子(内線7399) |