平成23年7月

■ 広島大学と高エネルギー加速器研究機構(KEK)は、有機エアロゾルと呼ばれる有機化合物の微粒子が大気中で水分を吸収し、雲を形成する能力が、従来の予想よりも小さくなることを発見した。エアロゾルによる雲の形成が地球を冷やす効果があると報告されており、将来にわたる地球温暖化の正確な予測につながると期待される(日刊工業、7.1)

■ 広島大は7月から、福島第一原発の半径20キロ圏内で活動を行った県警の警察官や県内の消防隊員を対象に、内部被曝の検査を始める。被災地で活動した公務員らの不安を取り除くのが狙い(読売、7.1)

■ 菅政権は6月30日、福島第一原発に被曝医療の専門医らによる医療チームを7月1日から9月まで交代で派遣する、と発表した。これまでの派遣と併せて複数の医師が24時間常駐する態勢ができる。医療チームは、広島大学が事務局となって、国立大学などに協力を求めていく。被曝のほか、熱中症や心疾患などを起こした作業員の緊急的な診療にあたる(朝日、7.1)

■ 広島大は6月30日、2012年春入学を目指す人向けの入試要項を発表した(中国、7.1)

■ 「平成の大修理」を進めている尾道市の浄土寺で、国の重要文化財の庫裏・客殿から18世紀初頭のものとみられる「長囲炉裏」が見つかった。重要文化財浄土寺建造物保存修理委員会メンバーで、広島大大学院文学研究科の三浦正幸教授は「江戸期の庫裏の形を再現できる貴重な資料」と語る(中国、7.1)

■ 政府の原子力災害対策本部は6月30日、福島第1原発へ緊急被曝医療の専門医を1日から常駐させると発表した。事務局は広島大霞キャンパスに設置。全国の国立大などの医師が48時間交代で勤務する。被曝のほか、熱中症や脳卒中、心臓病などの急病、転落事故などに迅速に対応できるようになる(中国、7.1)

■ 東広島市の西条農高は6月30日、広島市の広島大付属高のスーパーサイエンスクラスの生徒41人を学校に招き、合同授業を開いた。科学研究の発表もあり、両校の約170人が親睦を深めた(中国、7.1)

■ 広島市の広島大学付属中学校で1日、朝日新聞の出前授業があり、3年生約120人がメディアリテラシーなどについて学んだ(朝日、7.2)

■ 市民向け教養講座「ちゅーピーカルチャーセンター西条教室」が1日、東広島市西条岡町にオープンし、開所式が行われた。蔵田義雄市長らがテープカットで祝ったほか、広島大大学院文学研究科の佐藤利行教授の「異文化交流から他文化共生へ」と題した記念講演も開かれた(中国、7.2)

■ 広島大総合博物館は2日、東広島キャンパスに造られた水辺の空間ビオトープで、野生生物の観察会を開いた。91人の親子が参加して、水中や草むらで捕まえた生き物を観察した(読売、7.3)

■ 広島大は2012年度入試から、大学入試センター試験の採点方法を見直す。「地理歴史・公民」と「理科」で、2科目受験をした場合、1科目だけ必要な学科では、「第1解答科目」で判定することに改める(読売、7.3)

■ 乳がん患者や家族が月1回交流する「まちなかリボンサロン」が2日、広島市のウエストプラザに開設された。サロンは、県内の医師や看護師でつくる運営委員会が開設。訪れた患者約100人がお互いに悩みや不安を打ち明け、広島大病院乳腺外科の医師らスタッフに相談した(中国、7.3)

■ 小学生対象のけん玉検定会が2日、東広島市の黒瀬児童館であった。広島大のけん玉サークル「DAMAけん」の指導を受け、地元の小学生31人が挑戦した(中国、7.3)

■ 東広島市は、広島大学などと共同研究に取り組む中小企業や個人事業者への助成事業の対象に4社を選んだ。選ばれたのは、光工業、生体分子計測研究所広島研究所、西条庭園、RECの4社(中国、7.3)

■ 2人の子どもの父親でもある広島大学大学院准教授の岩田昌太郎さんが、育児に大切なことや、育児を通じて感じた想いについて語った(中国夕刊、7.4)

■ 広島市立大学は2012年4月より医療系の知識を持つ情報・工学技術者の育成をめざす「医用情報科学科」を新設する。広島市立大は09年度から広島大学や広島工業大学と連携して医療、情報、工学の垣根を越えた教育プログラムを展開。こうしたプログラムに対する学生のニーズが高いと判断し、学科開設を決めた(日経、7.5)

■ 島第一原発事故を受けて、放射線について詳しく扱っていなかった学校教育が問いただされている。また、広島大学原爆放射線医科学研究所が開く公開講座に立ち見が出るなど、大人の放射線に関する関心も高まっている(読売、7.5)

■ 書の心書道会主催の「第28回七夕書展」が7日、天満屋福山店で開かれる。団体賞では、広大付属福山中が優秀校に選らばれた。【毛筆】広島市教育委員会賞・木地桃香(広大付属福山)、三原市教育委員会賞・岡田みのり(広大付属三原)【硬筆】広島県教育委員会賞・内海智葉(広大付属福山)、読売新聞社賞・芦田真依(広大付属福山)、広島テレビ賞・和田萌楓(広大付属福山)、福山市長賞・竹原彩絵(広大付属福山)世羅町議会議長賞・門田佳央里(広大付属福山)(読売、7.5)

■ 広島大大学院教育学研究科との交流会のために来日している韓国の大邱大で障害者の就労支援を専攻している学生と教員の計13人が4日、東広島市にある黒瀬特別支援学校を視察した(中国、7.5)

■ 広島市立大は4日、情報通信技術を医療分野に応用する知識や技術を学ぶ「医用情報科学科」を来年4月から新設すると発表した。広島大大学院医歯薬学総合研究科などと連携し、医療現場に必要な人材を育成する(中国、7.5)

■ 広島大付属小の6年生80人が11月の文化祭で、巨大な紙に地元の伝統工芸である熊野筆を使って平和メッセージをつづるパフォーマンスを披露する。青少年育成県民会議の「夢配達人プロジェクト」の一環。1日には、書写教育研究家の松本仁志広島大准教授から助言を受け、筆の運び方などを練習した(中国、7.5)

■ 広島大東広島キャンパスで4日、大学が節電の啓発用に作った1万5千本のうちわの配布が始まった。同大はエアコン使用を抑えるために扇風機2千台を購入するなど、さまざまな節電策を展開中(中国、7.5)

■ フクシマとヒロシマ 福島第1原発事故を受け、広島大と福島大は、放射能汚染地域の影響調査などで連携する包括協定を結ぶ。福島大の渡辺明副学長は、住民の健康管理や各自治体の復興プラン策定に両大の調査研究を生かす考えを述べた(中国、7.5)

■ 広島大法科大学院は7日、広島市の東千田キャンパスで進学・入試説明会を開く。また、8月25日に開く個別相談会・学内ツアーの参加者を募集している(中国、7.6)

■ 広島山陽高は5日、来春発足する女子ハンドボール部の監督に広島メイプルレッズのコーチで元女子日本代表主将の青戸あかね氏が就任すると発表した。青戸氏は広島大でコーチ経験はあるが、監督就任は初(中国、7.6)

■ 原爆投下で降った黒い雨に関する国の援護対象地域を見直す厚生労働省の検討会が6日、第4回会合を開いた。健康意識調査について、結果を解析した飛鳥井望・東京都医学総合研究所副所長と大瀧慈・広島大原爆放射線医科学研究所教授を招き、委員6人が疑問点をただした(朝日、7.7)

■ 広島大東広島キャンパスで6日、広島大から呉市の大和ミュージアムに寄贈される旧呉海軍工廠で戦艦「大和」の艦体強度などを調べた大型試験機の贈呈式が行われた(読売、7.7)

■ 広島大大学院教育学研究科は、優れた教育を実践している個人や団体に贈る「ペスタロッチー教育賞」の本年度の候補を募っている(中国、7.7)

■ 戦艦大和の建造時に使われた強度試験機が6日、保有する広島大から呉市に寄贈された(中国、7.7)

■ 広島大東千田校舎で10日、日本科学者会議広島支部・JSA公開講座「ヒロシマ、ナガサキ、そしてフクシマ-被爆(曝)と原発を考える」が開かれる。講師は名古屋大名誉教授の沢田昭二さんと広島大名誉教授の滝史郎さん、同大教授の市川浩さん(中国、7.7)

■ 旧日本海軍の戦艦「大和」建造のため、旧呉海軍工廠がドイツから輸入した大型試験機が6日、所有する広島大から呉市海事歴史科学館(大和ミュージアム)に寄贈された。同大東広島キャンパスで行われた贈呈式で、浅原利正学長から小村和年・呉市長に目録が手渡された(毎日、7.7)

■ 全国的に夏の電力不足が懸念されるなか、広島工業大学や広島大学などでユニークな省エネ作戦が展開されている。広島大では「節電チャレンジ」として、各キャンパスにうちわ計1万5千本と扇風機計2千台を新たに導入し、エアコンの稼働を抑えて電力削減を見込んでいる(産経、7.7)

■ 近畿大学工学部は、次世代基盤技術研究所で研究や人材育成を本格化する。広島大学の霞キャンパスに整備された「ひろしま医工連携・先進医療イノベーション拠点」とも連携し、企業の次世代自動車開発に結びつく成果を目指す(日刊工業、7.8)

■ 東広島市は、広島大など市内の大学や研究機関と共同研究に取り組む地元企業への助成事業で、今年度分の申請を採択。選ばれたのは、「光工業」、「生体分子計測研究所」、「西条庭園」と「REC」の4社(読売、7.8)

■ ちゅーピーカルチャーセンターで8月、夏休み特別講座として、広島大学宇宙科学センターの協力の下、小学生を対象とした講座「宇宙ってこんなに不思議だよ!~やさしい天文講座~」を開講する(Cue、7.8)

■ 第28回中国ユース音楽コンクールのピアノ部門予選、【広島地区】小学1・2年:【金賞】坂本真侑(広大付東雲)【銀賞】三浦加奈(広大付東雲)【銅賞】内海有理(広大付東雲)、久保はるか(広大付)、小学3・4年:【金賞】井上侑樹(広大付)【銀賞】飯盛古野(広大付)【銅賞】踊場まこ(広大付)、森尾晃汰(広大付)、【福山地区】小学3・4年:【銅賞】鷲見祐加(広大付三原)、中学生;【銅賞】上野遥平(広大付福山)、高校生:【金賞】坂本麻衣(広大付福山)、【尾三地区】小学1・2年:【金賞】神前咲綾(広大付三原)【銀賞】亀田京平(広大付三原)【銅賞】大山美侑(広大付三原)小学3・4年【銀賞】倉田弥緒(広大付三原)【銅賞】小林思倫(広大付属三原)小学5・6年【銀賞】新川みみり、西野結花(広大付三原)

■ 広島大やリフト製造のアカシンなど産学の4団体は、折り畳み式を共同開発することで合意した。ベースになるのは、広島大大学院工学研究院の有尾一郎助教が人の通行用に試作した折り畳み式の橋。産学チームは車が通れるように強度を高めて大きくし、2014年3月までの実用化を目指す(中国、7.8)

■ 広島大学で3日、第16回広島大学ゆかたまつりが開かれた。会場には浴衣や甚平を着た学生や親子連れでにぎわった(プレスネット、7.9)

■ 東広島市は市内の中小企業などが広島大学などの市内の大学や公設試験研究機関と連携して行う共同・委託研究、技術指導を受ける際に要する費用の補助制度で、助成先を決めた。光工業、生体分子計測研究所広島研究所、西条庭園とRECの4社が選ばれた(プレスネット、7.9)

■ 福島県立医科大は8日、広島大原爆放射線医科学研究所の神谷研二所長と、長崎大大学院医歯薬学総合研究科の山下俊一科長が15日付で副学長に就任すると発表した。福島県民の健康管理や研究者育成のため、被曝医療に詳しい2人の知見を活用する考え(中国、7.9)

■ 長崎県保健医協会が今年春に原爆投下時に爆心地から約7.5キロ離れた長崎市北東部の「間の瀬地区」にいた20人から聞き取り調査をした結果、放射性物質を含む「黒い雨」が降った可能性があることがわかった。この結果を受けて、広島大学原爆放射線医科学研究所の星正治教授らが9日、現地で土壌調査を始めた(中国、7.10)

■ 福島県南相場市の肉用牛から暫定規制値を超える放射性セシウムが検出された問題で、広島大原爆放射線医科学研究所の細井義夫教授は「国の暫定規制値は『この肉を1年間、毎日食べると健康によくない』とされる値。規制値を超える放射性セシウムが検出された肉を1回食べただけでは、健康に影響はない」と消費者に冷静な対応を呼び掛けている(読売、7.12)

■ 広島大東千田キャンパスで31日、小学校高学年からを対象とした科学授業「サイエンスレクチャー」が行われる。広島大宇宙科学センター長の吉田道利教授が講師を務め、色や明るさが激しく変わる星や、死んでいく星が起こす大爆発などについて説明する(中国、7.12)

■ 福島第1原発事故で日本の原子力政策が論議を呼ぶ中、広島大東千田キャンパスで10日、広島大大学院総合科学研究科の市川浩教授が、原発が日本に導入された歴史について講演した(中国、7.12)

■ 若手の女性科学者を支援する「第6回ロレアル・ユネスコ女性科学者日本奨励賞」の受賞者が12日発表された。物質科学、生命科学分野の大学院博士課程に在籍、または進学予定の助成が対象。広島大からは、森田真規子さんが選ばれた(読売、7.13)

■ 反核兵器を主張する原水爆禁止運動や被爆者運動の中で、反原発の主張が常に共有されていたわけではなかった。旧ソ連のチェルノブイリ原発事故や福島第1原発事故を受けて、「核と人類は共存できない」と主張した故森滝市郎広島大名誉教授の言葉が見直されている(中国、7.13)

■ 尾道市因島の本因坊秀策囲碁記念館で11日、囲碁によるまちづくりをテーマにした公開ワークショップが行われた。香川大大学院地域マネジメント研究科が主催し、市民約20人も参加。都市間連携に詳しい広島大の山下彰一名誉教授は、地域発展に生かす文化力としての囲碁の可能性に言及した(中国、7.13)

■ 広島国際学院大で16日、福島第1原発事故による大気や土壌の放射能汚染についての講演会が行われる。広島ユネスコ協会主催。広島大原爆放射線医科学研究所の星正治教授が講師を務め、広島、長崎やチェルノブイリでの放射線の人体への影響について紹介する(中国、7.13)

■ 広島大は12日、東広島キャンパスに北広島町の大朝中の生徒を招き、留学生や日本人学生との交流会を開いた。交流会は異文化交流が目的で、大朝中の要望で実現した。同大の地域連携推進事業の一環(中国、7.13)

■ (教育に新聞を)活動を推進する日本新聞協会は13日、今年度の実践指定校を決め県内からは、広島大付属三原小をはじめとした18校が選ばれた。また、県NIE推進協議会が援助する今年度の実践指定校には10校が選ばれた(朝日、7.14)

■ 広島市中区にあるパークサイドビルの広島国際学院大学袋町キャンパスで16日、広島大学原爆放射線医科学研究所の星正治教授が「福島における原子力発電所の事故の状況」と題して講演を行う(産経、7.14)

■ 広島大大学院教育学研究科附属心理臨床教育研究センターでは、職場のストレスや人間関係のなやみなど、さまざまな心の相談を受け付ける「広島大こころの相談室」を設けている(東広島版Cue、7.15)

■ よりどりひろしま弁 vol.12、「ほんそほんそ」(意味:「いい子いい子」幼児語の一つ)。「どべ」(意味:最下位)。監修/広島大大学院教育学研究科日本語教育学講座、町博光先生(東広島版Cue、7.15)

■ 広島大東広島キャンパスで14日、駒野欽一駐イラン大使の講演会があり、学生や教職員の計48人が参加した。「イランと最近の中東情勢」と題して、中東の現状について講演した(中国、7.15)

■ 山下俊一・長崎大学大学院医歯薬学総合研究科長と神谷研二・広島大原爆放射線医科学研究所長が15日、福島県立医科大副学長に就任した。任期は来年3月までで、県民の健康調査や放射線が及ぼす健康への影響の研究、人材育成などにあたる(読売、7.16)

■ 家族の承諾だけで脳死下での臓器提供が可能となった改正臓器移植法の施行から、17日で1年が経つ。広島大病院消化器科外科・移植外科の大段秀樹教授は「臓器提供制度の定着には、医療関係者の意識の共有が必要だ。臓器提供という告知を病院に義務付てはどうか」と話す(中国、7.16)

■ 福島第一原発事故を受け、土壌汚染調査に参加した広島大原爆放射線医科学研究所の星正治教授が16日、広島市で講演を行い、調査結果をまとめたデータベースの作成と公開が必要と訴えた。星教授は講演で、日本政府による情報公開の遅れを批判した(読売、7.17)

■ 福島第1原発事故による放射能汚染問題で、原発周辺の土壌調査に参加した広島大学原爆放射線医科学研究所の星正治教授が16日、広島市中区で講演を行い、調査経過などを報告した。星教授は講演でこれまでの政府の対応について、事故直後の情報公開が不十分だったと批判し、情報公開の必要性を訴えた(産経、7.17)

■ 原発事故を受け、福島県で住民の内部被曝を独自調査した広島大名誉教授の鎌田七男さんが17日、広島市のいきいきプラザで「ヒロシマとフクシマ」と題した講演を行った。「西区九条の会連絡会」の主催(朝日、7.18)

■ NPO法人葬送の自由をすすめる会中国支部は24日、広島市の西区民文化センターで「自然葬を語る集いin広島」を開く。広島大大学院教授の町田宗鳳さんを講師に招き「自然葬の光と影」と題した特別講演を行う(中国、7.18)

■ 広島大理学部では、「科学リテラシー」という授業の一環として科学を分かりやすく楽しく伝えるサイエンスカフェに取り組んでいる。物理の本質を理解し、一般の人に説明する力を養うのが目的。授業では、2年生21人が5つの班に分かれて発表を行い、理学部の教職員の採点を行う。評価の高い班は8月8、9日のオープンキャンパスで高校生を前に登壇する(中国、7.18)

■ フクシマとヒロシマ 第3部:広島大は福島大と包括協定を締結。県立医科大とも連携し、被曝医療や環境、心理面で支援を行う。15日には広島大原爆放射線医科学研究所の神谷研二所長が、福島県立医科大の非常勤副学長に就いた。被曝から60年以上が経ち「平和」「核」分野での後継者育成への課題が指摘されている広島大。その存在意義に今また光が当たっている(中国、7.18)

■ 広島大原爆放射線医科学研究所元所長の鎌田七男医師が広島市のいきいきプラザで17日、「ヒロシマとフクシマ」と題した講演を行った。市民団体「西区9条の会連絡会」の主催で、約160人が参加した。講演会で鎌田医師は、福島第1原発事故を受けて行った独自の現地調査の結果を報告した(中国、7.18)

■ 呉市と広島大は、ごみの焼却時に出る溶解スラグを鉄筋コンクリートの材料に活用する場合、砂に混ぜる比率が3割までなら強度を確保できるとの研究成果を得た。日本コンクリート工学会中国支部に活用方針を定めてもら、本格利用を目指す(中国、7.19)

■ 広島市中区の中国新聞ビルで18日、環境問題や森林保全を考えるシンポジウム「C・W・ニコル氏と森を語ろう」が開かれた。作家のニコルさんが「森からみる未来」をテーマに講演。約400人が森の大切さなどを学んだ。学識経験者や小学校教諭ら4人もパネル討論に参加。広島大大学院の中越信和教授は「里山づくりの継続には市民参加型が効果的」と強調した(中国、7.19)

■ 広島の抱える問題点を手厳しく指摘する批評本「広島人に告ぐ!」(南々社)が話題を呼んでいる。著者の広島大大学院に在籍する比較文化学者の金文学さんは同書で、平和一辺倒の広島の現状に疑問を投げかけ、文化志向への転換をはかるべきだと主張する(産経、7.20)

■ 広島大東広島キャンパスの中央図書館で28日、「広島大学地域貢献研究成果発表会」を開く。呉市や東広島市など地域の課題に関する研究成果を発表する(日刊工業、7.20)

■ 全日本テニス選手権予選(9、10日・広島広域公園)【男子の部】シングルス、1位・平岡晃信(広島大)(中国、7.20)

■ 広島大総合博物館は22~27日、出前博物館「母なる里海・瀬戸内海」を竹原市のたけはら美術館文化創造ホールで開く。東広島市以外で出前博物館を開くのは初めてで、「開かれた博物館」として今後も学外展示に力を入れる(中国、7.20)

■ 松山市で全国の高校生が俳句を競う「俳句甲子園」に、東広島市の県立広島校文芸部が初出場する。富岡西高時代に2年連続で出場した広島大教育学部3年松本千鶴さんが20日、県立広島高を訪れ、「自信を持って笑顔で発言を」とエールを送った(中国、7.21)

■ 広島大1期生として書を学んだ元千葉大教授の久米東邨さんと、元島根大教授で毎日書道展審査会員の森下清鶴さんの作品展「広大書道一期・二人展」が20日、広島市中区の天満屋で始まった。26日まで(毎日、7.21)

■ 広島市立大学は2012年4月より「医用情報科学科」を情報科学部に新設する。情報通信技術を医療分野に応用、融合させるもので、広島大学、広島工業大学と連携する「情報医工学プログラム」の中核を担う(日刊工業、7.22)

■ 広島大産学・地域連携センターは21日、大学の研究内容を紹介するテクノフォーラムを東広島市のJSTイノベーションプラザ広島で開いた。太平洋セメントと開発を進めている、水素自動車の燃料タンクに入れる水素貯蔵材料について説明した(中国、7.22)

■ 放射性セシウムに汚染された稲わらを餌として与えられた肉牛の流通が全国で相次いで発覚した問題で、広島大原爆放射線医科学研究所の細井義夫教授は「数回食べた程度では、心配する必要はない」とした上で、稲わらの広域調査の必要性を指摘した(中国、7.22)

■ 岡田光正広島大名誉教授を部会長とした中央環境審議会瀬戸内海部会は22日、環境庁の諮問を受け、瀬戸内海の将来像についての審議を始めた。水質改善中心だった瀬戸内海保全の在り方を問い直し、干潟や藻場再生、景観の保全などについて討議する(中国、7.23)

■ 釣り人にゴミの持ち帰りなどのマナー向上を呼びかける「釣りマナー啓発隊」が全国で初めて広島県で発足し、22日に活動を始めた。啓発隊はボランティア男女15人から成り、隊長は木村隆司・少林寺広島基町道院長、副隊長は海野徹也・広島大大学院生物圏科学研究科准教授が務める(産経、7.23)

■ 日本医学教育学会大会が22日、広島市中区の広島国際会議場で始まった。福島第1原発事故を受け、広島大原爆放射線医科学研究所の神谷研二所長が「放射線障害-医学教育の中で伝えるべきこと」と題した緊急講演を行った(中国、7.23)

■ 広島市中区の原爆資料館で23日、米国出身の詩人アーサー・ビナードさんが「ヒロシマからフクシマまでの道」をテーマに講演を行った。日本ジャーナリスト会議広島支部の主催で、約130人が聞き入った。当日は、広島大原爆放射線医科学研究所元所長の鎌田七男医師や佐賀大の田村栄子元教授の講演も開かれた(中国、7.24)

■ 島根大と県立大、広島大の3大学は23日、益田市、津和野町、吉賀町の6高校を対象にした学校説明会を益田高を会場に開いた。大学での模擬授業もあり、広島大生物生産学部の西堀正英准教授が「大学では何を学べるか」をテーマに講義し、科学的な観察と発送方法を手ほどきした(中国、7.24)

■ 東広島市の建設残土処分場から豪雨のため土砂が流出し、2人が死傷した災害から25日で2年が経つ。災害の原因を調査した広島大の土田孝教授は「盛り土の高さや量を規制する枠組みが必要」と指摘する。災害の教訓を生かすため、規制を含めた対策が急がれる(中国、7.25)

■ 日本化学会中国四国支部は31日に広島市の市こども文化科学館で開く「おもしろワクワク化学の世界」の参加者を募集している。無料。小学3年~中学3年生が対象で、広島大学大学院理学研究科の教員らが講師を務める(中国、7.25)

■ 広島テレビの第499回放送番組審議会(委員長=藤原健蔵・広島大学名誉教授)は、3日分放送の「進め!スポーツ元気丸」について審議した。審議会には10人の委員が出席し、説明や企画力を評価する声が多く聞かれた(読売、7.26)

■ 広島大大学院の井内康輝教授が中心となり、旧日本軍の毒ガス製造工場があった大久野島の行員たちの被害と、イラン・イラク戦争で毒ガス攻撃を受けたイランの被害者の症例を図説集にする計画を、日本とイランの医師が進めている。図説集は日本語、ペルシャ語、英語を併記。来年3月の出版を目指す(中国、7.26)

■ 広島大東広島キャンパスで25日、宮島のファンでつくる宮島4弥山倶楽部代表でカメラマンの藤原隆雄さんの講演会が行われた。講演会は広島大の内海文化研究施設が開き、学生たち約50人が聞き入った(中国、7.26)

■ 広島大は25日、大学や短大の留学プログラムの利用者を対象とした独立行政法人日本学生支援機構の補助制度に、同大の15プログラムが採用されたと発表。留学する学生に対し期間に応じて8万~24万円を支給する(中国、7.26)

■ フクシマとヒロシマ:広島大病院の医師や放射線技師らは、これまで数多くの避難者に対して被曝検査に貢献してきた。長期化する低線量被曝を受けて、福島県民202万人を対象にした県民健康管理調査も間もなく本格化する。放射線と人体との関係を研究したヒロシマの医療。ヒロシマの医師達は今、その蓄積をフクシマで生かしている(中国、7.26)

■ フクシマとヒロシマ:今年は広島大に原爆放射能医学研究所(現・原爆放射線医科学研究所)ができて50年目の節目となる。フクシマで期待されるヒロシマの医療。その歴史を振り返る(中国、7.26)

■ 広島市中区の天野孝三さん(85)が、今月6~17日に米カリフォルニア州サクラメントであった世界マスターズ陸上に出場し、M85(85~89歳)の競歩2種目で金メダルを獲得した。天野さんは12歳で競歩に出会い、30歳前まで実業団で活躍。75歳になって入学した広島大大学院では、競歩の普及策を研究した(中国、7.27)

■ 県教委は26日、東日本大震災で被災した宮城県気仙沼高校の2年生12人を受験対策の合同合宿に招くと発表した。合宿は8月5日から4日間、江田島市青少年交流の家で開く。気仙沼高校の生徒は8月9日の広島大のオープンキャンパスなどにも参加する(朝日、7.27)

■ 県教委は26日、東日本大震災で被災した宮城県立気仙沼高校の2年生12人を、8月4~10日に広島に招待すると発表した。生徒らは江田島市で行われる学習合宿に参加し、厳島神社や広島平和記念資料館、広島大のオープンキャンパスも訪れる(読売、7.27)

■ 原爆投下から2年後の1947年、広島文理科大(現・広島大)の学生が広島、長崎両市の被曝樹木162種類約500本を間作した記録が見つかった。植物への放射線への影響に着目した研究で、針葉樹が放射線に弱いことなど米国の研究者の指摘を20年先取りした内容(読売、7.27)

■ 第65回県陸上競技選手権大会兼第66回国体県予選会、【男子】1500m、1位・衣松英亮(広島大)、5000m、3位・相葉直紀(広島大)(読売、7.27)

■ 放射線影響研究所の大久保利晃理事長は27日、福島県立医科大と教育研究に関する協定締結に合意したことを明らかにした。8月中にも調印する。被爆者団体や行政、医療関係者の意見を聞く「広島地元連絡協議会」(会長・浅原利正広島大学長)で報告された(中国、7.28)

■ フクシマとヒロシマ:福島第1原発事故を受け、県には連日、内部被曝検査に関する問い合わせが相次ぐ。広島大病院は近く原発周辺で支援業務に当たった消防隊員や警察官の内部被曝の検査を開始。一般の方もいずれは対象にしたいと話す(中国、7.28)

■ 広島大大学院生物圏科学研究科の加藤範久教授のグループは、タコを食べると大腸内の善玉菌が増えて悪玉菌が減ることを突き止めた。大腸がんや大腸炎の予防につながる可能性がある。研究成果は28日、同大東広島キャンパスである地域貢献研究成果発表会で報告する(中国、7.28)

■ 第56回全国高校軟式野球選手権県予選大会27日、広陵4-1広大福山、広大付6-4県立広島(日経、7.28)

■ 原爆投下直後、段原国民学校(現段原小)で児童の救助に当たった当時広島工専生(現広島大工学部)の加藤義典さんが28日、段原公民館で子どもたちに体験を語った。地域の母親グループと同公民館の主催で、近隣の小学生や保護者約60人が参加した(中国、7.29)

■ 広島県NIE(教育に新聞を)推進協議会(会長・小原友行広島大大学院教授)は30日、広島市の中国新聞ビルで学習会を開く(中国、7.29)

■ 福島第1原発事故を受け広島大と福島大は28日、放射線が健康や社会に与える影響、放射性物質の除去などの研究で連携する協定を結んだ。福島大は同日、長崎大とも同様の協定を締結した。3大学は適宜連携する(中国、7.29)

■ 広島大は28日、住民や自治体と連携して地域課題の解決策を探る地域貢献研究事業の成果発表会を広島大東広島キャンパスの中央図書館で開いた(中国、7.29)

■ 広島大理論物理学研究所所長などを務めた理論物理学の三村剛昂博士は、1952年の「日本学術会議」で原子力利用に向けた政府への申し入れが提案された際、原子力は簡単に軍事転用されると指摘し、提案は撤回された。今福島第1原発事故が、科学者に改めてその是非をつきつけている(毎日夕刊、7.30)

■ 広島市のホテルで29日、5月末で広島経済大専務理事を退任した広島陸協の川村毅名誉会長の慰労会が行われた。川村氏は、広島大総合科学部教授などを歴任し、鹿屋体大副学長に就任した経歴を持つ(中国、7.30)

■ 新聞を使った教育の在り方を考える広島県NIE学習会が30日、広島市の中国新聞ビルであった。教諭や新聞記者がNIEの役割や推進策を話し合った。広島大付属三原小の長野由知教諭は「ニュースの背景や記者の思いをもっと児童に伝えたい」と語った(中国、7.31)

■ 今を読む 広島大大学院博士後期課程・西本紫乃:国民が国政に参加できない中国では、2007年ごろからインターネットが民意を表現する場として大きな力を持つようになってきている。23日に発生した中国の高速鉄道事故に関連したネット世論について読み解く(中国、7.31)

■ 広島市中区のホテルで30日、広島県医師会の碓井静照会長が、朝日小綬章と第67回中国文化賞を受けたのを祝う会が行われた。原田康夫元広島大学長が「地域医療や被爆者の検診に熱心に取り組んでくれた」と祝福した(中国、7.31)

■ 広島大大学院生物圏科学研究科の施設である竹原水産実験所は30日、竹原市の施設を初めて一般公開した。市内の親子連れ約220人が海洋研究の最前線に触れた(中国、7.31)


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