平成24年12月

■ 広島大は任期満了に伴う学長選考会議で、浅原利正学長を再任した。任期は来年4月から2年間(産経、12.1)

■ 広島大学は知的障害のある職員が指導役となり、中学生に自らの仕事を教えるという取り組みを行っている。職員に働き続ける自信を持ってもらい、中学生には働くことへの具体的なイメージを持ってもらうのがねらい(朝日、12.1)

■ 東広島市教委と広島大は1日、発掘調査を続けている同市鏡山の国史跡、鏡山城跡周辺の説明会を行った。調査に携わった広島大の藤野次史教授たちの案内で参加者はとりでの痕跡などを見てまわった(中国、12.2)

■ 第56回中国四国学生駅伝が、2日に行われる。4連覇を目指す広島大Aが出場する(中国、12.2)

■ 【病院の実力】主な医療機関の心臓病治療数(2011年) 広島大病院 冠動脈バイパス手術 28人、心臓カテーテル治療 191人、心臓弁膜症手術 45人、胸部大動脈瘤治療 52人、先天性心疾患手術 0人(読売、12.2)

■ 広島大学の総合博物館の出前博物館「命のゆりかご~豊かな里海のいきものたち」が、4日~9日まで東広島市のフジグラン東広島2階の市民ギャラリーで行われる。本年度の日本新聞協会賞を受賞した中国新聞社の連載写真企画「命のゆりかご~瀬戸内の多様な生態系」の掲載写真パネルや広島大が所有する標本などが展示される(中国、12.3)

■ 広島大病院は2日、長崎市の病院で脳死判定された患者の膵臓と腎臓を、広島県内の40代の女性に移植する手術を始めた(中国、12.3)

■ 第56回中国四国駅伝競走大会が2日に行われ、広経大が4年ぶり12度目の優勝を果たした。広島大Aは4連覇を逃した(中国、12.3)

■ 広島大の学生や卒業生、教員などでつくる「広島大学仏教青年会(仏青)」が財団法人化して今年で30年目となる。専門家を講師に招いての公開講演会や、夏休みに小学生を募り会館に泊まって仏教を教えるなど、さまざまな取り組みを通じて地域に根差している(中国、12.3)

■ 広島大病院は3日、脳死判定された患者から提供を受けた膵臓と片方の腎臓を広島県内の40代の女性に移植する手術を終えたと発表した(中国、12.3、12.4)

■ 広島大学の宮岡裕樹特任講師などは、セ氏400度以下の比較的低い温度で水から水素をつくり出す実験に成功した。既存の技術ではセ氏800度~1500度程度必要であったが、この技術を用いれば太陽熱や工場廃熱でも水素がつくり出せるという(日経、12.4、科学、12.7)

■ 人工減少や少子高齢化に伴う地域のあり方を考える講演会が3日、広島市のホテルで行われた。広島大学大学院の藤原章正教授が住民の高齢化が進む団地の現状や課題、その対策について話した(中国、12.4)

■ 広島大学は8日、広島市の広島国際会議場で『今「宇宙」がおもしろい―宇宙と素粒子の連携』をテーマに公開学術講演会を開く。観山正見広島大学特任教授、村山斉東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構長、佐藤勝彦自然科学研究機構長、深沢泰司広島大学教授が講演を行う(日刊工業、12.4)

■ 【緑地帯 広島とロシア①】広島大学名誉教授の井上研二氏が、ロシア語を学び始めた学生時代について語る(中国、12.5)

■ 広島大学大学院理学研究科は3日、理学研究科長に放射光科学研究センター長の谷口雅樹教授を選んだ。また、同大学院先端物質研究科は、高畠敏郎研究科長を再任した。任期はそれぞれ来年4月1日から2年間(朝日、毎日、12.4、中国、12.5)

■ 広島大学は6日、広島市で理・工、ライフサイエンスなど幅広い分野の産学官連携の担当者、コーディネーターを対象に産学官連携研修会を開く。広島大学の産学官コーディネーターの沖井孝文氏、手塚弘人氏が講演するほか、パネル討論も行われる(日刊工業、12.5)

■ 【緑地帯 広島とロシア②】広島大名誉教授の井上研二氏が、広島県での歩みと、ロシアへの渡航歴などを紹介している(中国、12.6)

■ ひろしまダンスフェスティバル(11月17日、広島大) 【大学】▽優秀賞創作ダンス・表現 広島大健康スポーツ系コース23有志 ▽同リズムダンス 広島大リズミックス(中国、12.6)

■ 瀬戸内海の里海としての魅力と変容の危機を考える「命のゆりかごシンポジウム」が2日、広島市の中国新聞ビルで開かれた。海中写真家の中村征夫氏の基調講演や中村氏、松田治・広島大学名誉教授、アオギスの研究で広島大に協力している日本釣振興会中国地区支部役員の小池勝氏と自然保護官補佐の大高下理恵氏らによるパネル討論の様子がまとめられている(中国、12.6)

■ 広島大大学院教育学研究科は6日、研究科長に宮谷真人教授を選んだ。任期は来年4月1日から2年間(朝日、中国、12.7)

■ 放射線影響研究所は「黒い雨によるがんリスクの増加はみられなかった」との結果を8日付けで発表した。被曝線量が推定できる約1万3000人の健康状態や固形がん、白血病などによる死亡数等を調査し、雨に遭わなかった人と比較を行った結果、黒い雨によるリスクの上昇はみられなかったと判断した。今回の分析結果について、広島大原爆放射線科学研究所の大瀧慈教授は「爆心地近くで被爆した人と、遠くで被爆した人とは(爆発直後に受ける)初期放射線量が違い、黒い雨でリスクが増える割合も異なる。雨を浴びた場合などを検討した詳細な分析も示すべきだ」と話す(読売、12.8)

■ 【緑地帯 広島とロシア④】広島大名誉教授の井上研二氏が、日本の大学でロシア語を選択する学生が激増した時代について話している(中国、12.8)

■ 県内にある18の大学と短大は7日、学生ボランティアの情報共有化に向けた協議を始めた。県社会福祉協議会が呼び掛け、広島大などの担当教職員が集まった。初会合では、現状報告が行われた(中国、12.8)

■ 東広島市の中学2年の男子生徒が10月に自殺したとされる件で、外部の有識者でつくる調査委員会が7日、初会合を開き、調査の進め方や日程について話し合った。終了後、委員長に決まった広島大大学院の吉中信人教授は「中立公正な立場で真摯に調査したい」と話した(中国、12.9)

■ 新聞を通じた学習を広めようと、県NIE推進協議会は8日、広島市の中国新聞ビルでシンポジウムを開いた。参加した教師や生徒が取り組みについて語った。広島大付属東雲中3年の小桜智穂さんは広島原爆の日について書かれた記事を切り抜いて学習し、「福島の事故と重ねた報道が多くの新聞に見られたが、純粋に原爆・平和だけのことを報じてほしいとも感じた」と話した(朝日、12.9)

■ 広島大は、医学部の医学科の「ふるさと枠広島県コース」の定員を来年4月入学分から3人増やす。枠は、一般入試の後期日程に設ける。広島県内の高校出身者が対象で、在学中に月20万円の奨学金が貸与され、広島県内の過疎地などの医療機関で9年間勤務すれば返還は免除される(中国、12.11)

■ 【緑地帯 広島とロシア⑤】広島大学名誉教授の井上研二氏が、長年ロシアと接してきた経験から感じた「ロシア人」について語る(中国、12.11)

■ 第32回中四国学生剣道新人戦(9日) <男子団体>3位 広島大A <女子団体>3位 広島大A (毎日、12.11)

■ 広島中央サイエンスパーク研究交流推進協議会は13日、「広島中央サイエンスパーク研究公開フォーラム」を開く。広島大学は、1件の研究成果を発表する(日刊工業、12.11)

■ 広島大や新潟大などでつくる研究チームは、15年前に佐渡島で見つかったカエルを新種と断定し、サドガエルと命名した。広島大付属両生類研究施設の三浦郁夫准教授によると、サドガエルはツチガエルに似ているが、脚部・腹部が黄色く、鳴き声も異なる(中国、読売、産経、日経、朝日、12.12、毎日、12.13、科学、12.21)

■ 【緑地帯 広島とロシア⑥】リーマンショックによるエネルギー価格の下落や大都市と地方との経済格差などロシア社会にも様々な問題が山積している。広島大学名誉教授の井上研二氏は、現体制を取り巻く状況などについて語っている(中国、12.12)

■ 広島交響楽団は来年創立50年を迎える。音楽ファンには知られているが、一般的な認知度はそれほど高くなく、苦しい経営が続いている。広島大工学部出身で楽団を運営する広島交響音楽協会の金田幸三理事長が活性化策などについて語る(日経、12.12)

■ 広島文理大(現広島大)出身で植物生態学者の宮脇昭氏が震災がれきを利用して「森の防潮堤」を築く構想について語る(中国、12.12)

■ 【緑地帯 広島とロシア⑦】広島大名誉教授の井上研二氏が、日ロ間の北方領土問題について語る(中国、12.13)

■ 広島大学放射光科学研究センターの上野哲朗研究員、沢田正博准教授らの研究チームは、百から数千個の原子数で構成されるナノメートルサイズの微小な磁石の研究に特化した実験システムを開発した。今後、ナノ磁石を使う次世代の高密度磁気記録子などの開発への貢献が期待されるという(日刊工業、12.14、科学、12.21)

■ ひろしまベンチャー育成基金は「第19回ひろしまベンチャー助成金」の助成先を決めた。広島大からは、学生枠金賞に渡邊龍信さん、銀賞に山川健さん、北林大輝さん、本多真二郎さん、中村孝さんが選ばれた(日刊工業、12.14)

■ 七つの旧帝大と東京工業大、筑波大、広島大の理学部長で構成する「国立大学法人10大学理学部長会議」は若手の理学研究者への支援拡充を求める提言をまとめた。研究経費などが短期的な競争資金に集中していることを問題視し、「長期的な基盤的経費による安定的かつ継続的な若手研究者支援を広く社会に訴える」としている(日刊工業、12.14)

■ 平成24年度岩谷科学技術研究助成の助成先が決定した。広島大・下栗大右助教の「マイクロ渦流燃焼器を利用した超小型・高出力電源の開発」など20件が採択された(科学、12.14)

■ 【私の一票】坂越正樹・広島大副学長と広島大4年でNPO法人「ドットジェイピー」中国支部副代表の藤基貴文さんがそれぞれ若い世代に対する施策の必要性を語っている(読売、12.15)

■ 広島大文書館は、前呉市長の小笠原臣也氏の回顧録「私の人生公路」を発行した。回顧録は2部構成で、1部は幼少期から市長時代までの小笠原氏の歩みがまとめられている。2部は文書館の小池聖一館長たちによるインタビューというかたちになっている(中国、12.15)

■ 今回の衆院選の比例代表中国ブロックで、中国地方で活動拠点・実績がない自民党の吉野正芳氏と上杉光弘氏が当選した。吉野市は福島に、上杉氏は宮崎県にそれぞれ活動拠点を置いており、今後も中国地方で活動する予定はないという。広島大法学部の森辺成一教授は「法的な問題はないが、地域の代表を選んだつもりの有権者からすれば心情的に釈然としないだろう」とみる。「衆院の比例代表は参院と違ってブロック単位で位置づけが中途半端」とも指摘した(中国、12.18)

■ 自民党が公約に掲げた政策などに対する意見を中国5県の経済人や首長が述べた。このうち自民党が掲げた「大学9月入学を推進」との公約に対して、秋入学の併用を打ち出した広島大の浅原利正学長は「例えば医師国家試験は2月にあるので、医学部は秋入学を導入するのは難しい。秋入学を可能にする制度を整えてほしい」と話した(日経、12.18)

■ 【言】自民党が圧勝した衆院選から、自民党復権の意味や今後の展望などについて、川崎信文・広島大副学長が語る(中国、12.19)

■ 第58回青少年読書感想文全国コンクールの県審査があり、特選、入選作品が決まった。特選の県議会議長賞に広島大付属高2年の槇田清佳さん、県教育員会賞に広島大付属中3年の宮崎詩己さん、広島大付属校1年の須田彩花さんの作品が選出された。広島大付属小2年の村田義樹さん、守矢雅喜さん、大塚風花さん、溝垣拓実さん、4年の石井利沙さん、5年の鬼頭里歩さん、広島大付属東雲中1年の田島響さん、広島大付属中2年の畠添咲希さん、広島大付属中3年の田坂健太さん、平垣内緑さん、広島大付属東雲中3年の古賀慎平さん、広島大付属高2年の西勇貴さん、木村小百合さんの作品が入選した(毎日、12.21)

■ 広島大は21日、卒業の条件に英語能力試験TOEICの一定以上の成績を課すことについて、学生との意見交換会を開いた。議論を参考にして、本年度中に方針をまとめる(中国、12.22)

■ 広島県府中町の小学生が10月、母親の暴行を受けて死亡したとされる事件で、広島大大学院の八木田敦教授を委員長とする県の検証委員会は22日、県庁で会合を開いた。再発防止策を検討するために県内で起きた他の虐待事案の分析を求める意見があり、県は応じる考えを示した(中国、読売、朝日、12.23)

■ 広島市消防局では、救急救命士が救急車内で行うことができる医療行為を広げるための実証実験に取り組んでいる。実験は三つの医療行為について行われており、救急救命センターを置く広島大病院などの4病院が受け入れ、本人や家族の承諾を得た上で、救急救命士が医師の指示で処置を行う(読売、12.23)

■ 【キャンパス リポーター発】広島大は1月17日に「研究紹介と交流のゆうべ」を開く。広島県内の企業向けに大学の研究内容を紹介し、個別の技術相談に応じる。同大大学院の江崎哲教授が、商品の販売に影響を与えるデザインについて話し、その後の交流会で、江崎教授と同大職員の産学官コーディネーターが技術相談に応じる予定(中国、12.24)

■ 広島大の学生が23日、サンタクロースの格好で西条地区でごみ拾いをした。環境サークル「えこ・ぺーじ」が企画したもので、サークルのメンバーと呼び掛けに応じた学生や卒業生計15人が参加した(中国、12.24)

■ 【まな☆VIVA 理科】広島大大学院教育学研究科の林武広教授が太陽系の天体について解説している(中国、12.24)

■ 【記者回顧2012】記者が、原爆投下直後に広島に入った被曝者は、がんで死亡する危険度が高くなるという広島大の統計解析の結果を伝えた記事に対する読者からの反響について述べている(読売、12.25)

■ 独立行政法人の産業技術総合研究所中国センター所長の中村修氏が広島大などの教育機関との協定など、産総研中国センターの産業技術育成の取り組みについて語る(日経、12.26)

■ 広島県は医療用ヘリコプター(ドクターヘリ)を来年7月から運用することを決めた。県は運用の中核となる広島大病院と県立広島病院の医師や看護師の研修を「ドクターヘリ先進地」の倉敷市や福岡県久留米市で進めている。今後、試験飛行が順調に進めば、運用開始を前倒しする可能性もある(中国、12.26、朝日、12.27)

■ 広島大は26日、太平洋戦争末期に東南アジアから「南方特別留学生」として広島大の前身である広島文理科大へ留学中に被爆して修了しないままになっていた元留学生3人に、名誉博士号を授与すると発表した。大学の基本理念の一つである『平和を希求する精神』の実現に大きく貢献した点が評価された(毎日、中国、読売、12.27)

■ 26日、自民・公明両党の連立による第2次安部内閣が発足した。新政権への注文や政策課題について広島大学副学長の川崎信文氏と岡山経済同友会代表幹事の泉史博氏がそれぞれ意見を述べている(日経、12.27)

■ 広島大学大学院の川口隆行教授が、19日に死去した「はだしのゲン」などの作者である中沢啓治さんの作品と原爆、平和への思いについて語っている(中国、12.27)

■ 広島大大学院の坂口剛正教授がマスクの正しい使い方について説明している(中国、12.28)

■ 広島大病院の新診療棟が来年9月20日に開院する。来年4月に完工予定。「スポーツ医科学センター」などを整備する(日経、12.29)

■ 広島大は東京電力福島第1原発事故による福島県からの避難者を対象に、内部被曝線量を測定する特別検診を11月に再開したと発表した。機材の精度を高めるために今年1月から一時中断していた(産経、12.29)

■ 【ヒロシマの記録2012】 (1月~6月) 3月20日 広島大原爆放射線医科学研究所が設立50周年を記念して、福島第1原発からの復興支援をテーマにした国際シンポジウムと式典を広島市で開催、6月14日 広島市の平和団体などが広島大の浅原学長に、本部跡地の旧理学部1号館に自然史博物館を設置するよう要望(7月~12月) 8月3日 核軍縮に取り組むNGO「中堅国家構想」が、前広島市長の秋葉忠利広島大特任教授を新たな議長に選んだと発表、9月16日 広島原爆の入市被爆者のうち8月8日までに広島市内に入った人はそれ以降に入った人よりも固形がんによる死亡リスクが高いことが、広島大原爆放射線医科学研究所の大滝慈教授たちの研究で明らかになった(中国、12.31)


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