平成30年2月

■1月31日、広島大研究員の嘉陽礼文さんらは広島市中区の原爆ドームの一部だったとみられるれんがの破片を、平和教育などに役立ててもらうため、交流協定を結んでいるドイツのミュンスター大学に発送した(中国、毎日、産経、2.1)

■31日、広島大を含む国公立大学の2次試験の出願が締め切られ、同日文科省が志願状況を発表した。広島大の志願倍率は、前年より0.2ポイント減の3.5倍だった(中国、日経、2.1)

■【緑地帯(4)】広島大大学院共同研究講座の杉山政則教授は、大学の研究費用について、政府から支給される運営費交付金のみに頼ることなく、研究者自らが研究成果の実用化に向けて民間企業を探し、大型資金を確保する時代がきたと話した(中国、2.2)

■被爆建物「旧中国配電南部変電所」が老朽化に伴い解体されることが決定し、1月31日付で被爆建物としての登録が抹消された。広島大名誉教授の杉本俊多さん(建築史・意匠学)は、市は被爆の被害を伝える貴重な建築物を未来に残せるように一部保存など提案する必要があると話した(読売、2.2)

■2日、広島大両生類研究センターの田沢一朗助教と矢尾板芳郎教授は、オタマジャクシの尾を半分切除して残った部分の背中側に過剰肢と呼ばれる足が生える現象を世界で初めて確認したと発表した(中国、2.3)

■9日まで、広島大総合博物館企画展「インドを知ろう」が同大学士会館2階で開催される。インドの文化や自然、産業を伝えるパネルや三輪タクシー「オートキリシャ」、民族衣装のサリーなどを展示している(中国、2.3)

■【緑地帯(5)】広島大大学院共同研究講座の杉山政則教授は、これまで酒粕の新機能開発などの研究に取り組んできたが、今は植物乳酸菌によるアレルギー症状改善薬やウイルス感染症予防薬の開発を進めている(中国、2.3)

■【病院の実力】2016年の主な医療機関の皮膚病に関する治療実績が公表された。広島大病院の新規外来患者数は、皮膚がんが92人、皮膚がんで化学療法を受けた患者が12人、重症薬疹が2人、アトピー性皮膚炎が44人だった(読売、2.4)

■【病院の実力(広島編)】広島大病院皮膚・運動器診療科講師の河合幹雄医師は、皮膚の病気について、皮膚がんは転移さえしなければ命に関わることはないため、何か異変を感じたら早めに受診してほしいと呼び掛けた(読売、2.4)

■文科省はこれまで2次試験の正解の公表を各大学に委ねてきたが、大阪大や京都大で入試ミスが発覚したことを受け、積極的な公表を促す方針を表明した。広島大はこれまで非公表だったが、今後公表について検討を行う(読売、2.4)

■広島大と包括的連携協力の協定を結んだ中国産業の福居裕晃社長は、同大との連携を通じ少子高齢化などの地域の課題に向き合い、安全で住みやすい環境の創造に寄与したいと話した(中国、2.6)

■【緑地帯(6)】広島大大学院共同研究講座の杉山政則教授は、生活習慣病の予防改善に資する保健機能に関心を持ち、植物由来の乳酸菌を研究素材に定めた(中国、2.6)

■5日、広島市は広島大本部跡地の被爆建物である旧理学部1号館について、具体的な活用策を考える有識者による初会合を開いた。座長に就任した広島大平和科学研究センターの川野徳幸センター長は、広島ならではの研究の発信拠点として利用できるよう検討したいと話した(中国、2.6、朝日、2.14)

■【緑地帯(7)】広島大大学院共同研究講座の杉山政則教授は、100年以上前から腸内細菌の状態が心身の健康に及ぼす影響をが指摘されていたこと、ストレスの多い現代社会では腸内環境を整える乳酸菌研究の将来性は大きいことを話した(中国、2.7)

■「お金」を題材にした金融広報中央委員会の作文コンクールで、広島大付属東雲中3年の生徒の作文が日本銀行総裁賞を受賞した。5日、同校で表彰式が行われた(中国、2.7)

■5日、広島大のベトナムとカンボジア出身の留学生6人が原爆養護ホーム「舟入むつみ園」を訪れ、書道など体験を通じ、デイサービスに通う被爆者16人と交流した(中国、2.7、毎日、2.18)

■広島大と静岡大の研究グループが、6億年後には地球上から海がなくなる可能性があるという研究結果をまとめた。広島大の片山郁夫教授は、今後もなぜ地球に海が存在するのかを考えたいと話した(朝日、2.8)

■【緑地帯(8)】広島大大学院共同研究講座の杉山政則教授は、腸内細菌叢(腸内フローラ)といくつかの疾患との関係も明らかになるなど、微生物研究には将来性や魅力が十分あるとし、微生物の力を借りた医薬品の開発に情熱を注ぎたいと話した(中国、2.8)

■1月22日、広島県内の大学生が東広島市の事業所などで体験就労する広報型インターンシップ委託事業「地域マイスター留学」の体験報告発表会が行われた。広島大、近畿大、安田女子大、広島市立大の5人の大学生が10日間就労体験したあと、企業パンフレットの制作を行った(プレスネット、2.8)

■8日発表された「学校華道インターネット花展」の審査で、広島大医学部2年の松苗響香さんが、最高賞の池坊最優秀賞に選ばれた(中国、2.9)

■8日、福島県の内堀雅雄知事が広島大病院を訪問し、同大の越智学長と会談した。広島大は、震災発生直後から現在まで延べ1300人を超える緊急被曝医療チームを派遣しており、今年4月から、救急医1人を福島県富岡町の県ふたば医療センター附属病院へ追加派遣する(中国、読売、2.9、朝日、2.10)

■【ヒロシマを生きて(11)】戦後、核研究で他国に遅れをとるべきではないという声が高まっている中、広島大の前身である広島文理大の理論物理学研究所の所長を務めていた三村剛昴博士は、1952年の日本学術会議総会で、自身の被爆体験を踏まえ、軍事転用が可能な以上平和利用という美名に惑わされて原子力の研究を行うべきではないと主張した(毎日、2.10)

■2014年と15年に噴火災害に見舞われた鹿児島県口永良部島で長年、魚の観察を続けてきた広島大の水圏資源生物学研究室の学生らが、現地での調査結果をまとめた魚類図鑑「緑の火山島 口永良部島の魚類」を出版した(読売、2.10、プレスネット、2.22、中国、2.26)

■11日、広島大や石材会社などが共同開発した石臼を使ってチョコレートを作る体験会が広島市植物公園で開催された(読売、2.12)

■広島大名誉教授の田中正道さんの三原市内の実家で、大正末から昭和初頭の広島市内の写真16枚がセットの絵はがき「廣島名所」が欠けることのない状態で発見された(中国、2.12)

■12日、健康な歯を将来の治療用に凍結保存する「歯の銀行」を運営する広島大発のベンチャー企業スリーブラケッツが今月に入り、歯の新規預かりを休止したことが分かった。広島大から格安で借りていた事務所を立ち退きとなり、歯の保管場所が見つかっていない(中国、2.13)

■【高校生平和大使】第20代高校生平和大使を務める広島大付属高2年の生徒が、今の幸せな生活を守ることも大切な平和活動であるため、できることからはじめてほしいと話した(中国、2.15)

■1月26日、広島大大学院国際協力研究科の留学生6人が東広島市の生涯学習政策やその活動を学ぶため、志和生涯学習センターを訪れた(プレスネット、2.15)

■15日、文部科学省が国公立大学2次試験の志願者数の確定値を発表した。広島大の志願倍率は、前年より0.1ポイント減の3.6倍だった(中国、2.16)

■【選ばれる都市へ】東広島市内には広島大など4大学がキャンパスを置くが、市内の企業などに就職する者の割合は低い。市は、学生の地元定着に向け就職ガイダンスの開催や企業の就職情報サイトへの登録料の助成を行っている(中国、2.16)

■17日、広島大付属東雲小学校の4年生67人が保護者向けの発表会で、漫画「はだしのゲン」をベースにした創作劇を披露する。ゲンを演じる生徒は平和の大切さを考えてもらえる演技をしたいと意気込みを語った(中国、2.17)

■【ヒロシマを生きて(12)】旧制大学・高専を統合して発足した広島大では主導権争いが起こり、学長の人選では、元文部大臣の森戸辰男氏と旧文理大の最後の学長だった長田新氏に分かれた(毎日、2.17)

■17日、広島大東千田キャンパスにおいて、大学改革の在り方を考えるシンポジウムが開催された。同大大学院総合科学研究科が主催し、大学関係者ら約40人が参加した(中国、2.18)

■17日、フィールドワークを通して伝統文化や地域振興について考える中国地方学生フォーラムが始まった。島根県立大、広島大、広島工業大、岡山大から計18人が参加し、18日まで浜田、益田、津和野を巡る(中国、2.18)

■19日、広島大の越智光夫学長は、定例記者会見において2016年6月に広島大付属三原中の男子生徒が、運動会の組体操に参加した日の2日後に脳出血で死亡したことについて、保護者全体への説明会の実施について内部で必要性を検討すると話した(中国、2.20)

■19日、広島大は平和研究や教育の機能を強化するため、4月1日より「平和科学研究センター」の名称を「広島大学平和センター」に変更することを発表した(中国、読売、日経、2.20、毎日、2.22)

■19日、広島大霞キャンパスにおいて、広島県などがつくる放射線被曝者医療国際協力推進協議会(HICARE)と国際原子力機関(IAEA)が主催する各国の医師や医療技術者が放射線事故と災害対応を学ぶ研修が行われた(中国、2.20、毎日、2.24、朝日、2.28)

■【オピニオン】広島大大学院総合科学研究科で火山を研究する並木敦子准教授が、突発噴火の予測や対応が難しい火山災害との向き合い方について話した(中国、2.21)

■【専門医が診る】広島大病院の国際リンパ浮腫治療センターの光嶋勲センター長(形成再建外科)が、子宮がんや乳がん手術の後遺症であるリンパ浮腫について、近年治療法が発達し、早期手術によって完治するケースが増えていると話した(中国、2.21)

■21日、広島大はインドネシアのハンマド・ユスフ・カラ副大統領に名誉博士号を授与した。同氏は、インドネシアの国内紛争の解決に尽力し、スマトラ島西北部のアチェ地方の独立派組織との和平合意に力を注いだ(読売、中国、2.22)

■21日、広島大は同大付属三原小学校、中学校、幼稚園長に同大大学院教育学研究科の木村博一教授を任命し、付属福山中、高校長に同研究科の渡辺健次教授を再任した。任期は4月1日から2年間(中国、2.22)

■仕事や子育ての一段落を機に、再び勉強したいというシニア層を受け入れる大学が増えている。広島大は国立大の中で早くから受け入れ、50歳以上が対象の「フェニックス入学制度」で文学部など計6学部に毎年10人前後が入学している(日経、2.22)

■22日、広島大東広島キャンパスにおいて、同大アクセシビリティセンターの設立10周年を記念したシンポジウムが開催された。同センターの佐野真理子センター長が障害のある学生が安心して学べる環境づくりのため、支援の方法を提案するセンターの役割について説明した(中国、2.23)

■3月1日、理化学研究所の一部機能が東広島市の研究団地に移転する。広島大大学院理学研究科や工学研究科、原爆放射線医科学研究科と連携し、細胞の状態の解析や画像の自動認識などを研究する(中国、2.23)

■28日、広島大は同大中央図書館ホールで「地(知)の拠点整備事業」総括シンポジウムを開催する。平和発信、中山間地域・島しょ部対策、障害者支援の3分野にわたって講演や学生の取り組みが紹介される(中国、2.24)

■東広島市は、スポーツなどで優れた成績を収めた9団体と39人に東広島アザレア賞を贈った。【個人】▽作文▽姫野一陽(広島大2年)(中国、2.24)

■25日、国公立大の2次試験前期日程が始まる。広島大の志願倍率は昨年と同じ2.8倍だった(中国、2.24)

■24日、広島土砂災害からの復興支援や防災について考えるフォーラムが広島市で開催され、3つの学生ボランティア団体がこれまでの活動について発表した。広島大の学生グループ「OPARATIONつながり」は、災害部リーダーの京谷竜輝さんら6人が被災体験を伝える小冊子づくりについて報告した(中国、2.25)

■広島大大学院理学研究科2年の仮屋薗寛悟さんは2012年に立体的でリアルな創作を行う「現代折り紙サークル」を設立した。仮屋薗さんの跡を継いだ同大理学部4年の平原祐輔さんが学内外で作品展や折り紙教室を開いてきたが自分の跡を継ぐメンバーがおらず活動を休止している(中国、2.25)

■3月10日、広島大平和科学研究センターは「原爆被害とは何か、ヒロシマは何を継承するのか」をテーマにした公開講座を原爆資料館において開催する。同センターの川野徳幸センター長と原田浩徳客員研究員が、原爆被害の再検証や被爆者の血液の病気について解説する(中国、2.26)

■広島大と山口大の2次試験について、出題傾向が紹介された(中国、2.26)

■25日、国公立大の2次試験が始まった。広島大では新設される情報科学部を含め、計12学部4657人が東広島キャンパスと霞キャンパスで試験に挑んだ(中国、読売、2.26)

■3月2日、広島大体育会のフットサル部が全日本フットサル選手権大会に中国地区代表として初出場する。キャプテンの同大3年の渡辺晃大さんは、一試合でも多く勝ちたいと意気込みを語った(中国、2.27)

■アストモスエネルギーの荒木誠也社長は、広島大のワンダーフォーゲル部に所属していた頃から交友のある北海道でワイナリーを営む松原研二さんについて、松原さんのまっすぐな性格から経営者として学ぶことが多いと話した(日経、2.27)

■今年、広島市出身の鈴木三重吉が児童雑誌「赤い鳥」を創刊して100年となる。3月11日、創刊の経緯や雑誌の果たした役割について講演会が開催される。広島大名誉教授でふくやま文学館の岩崎文人館長が講師を務める(朝日、2.27)

■【ヒロシマを生きて(13)】広島大の学長に就任した森戸辰男は辞任するまで、原爆の跡が残るキャンパスに世界の大学から植物の種や苗木の寄贈を求め、諸外国の木で学内を緑化し、国際理解を深めることができるよう整備した(毎日、2.27)


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