令和2年3月

■長時間労働が学生に敬遠され、教員のなり手不足が深刻化している。広島大大学院教育学研究科の小山正孝研究科長は「今の学生は職場を冷静な目で見ている。現場の具体的な改善策が必要だ」と話した(中国、3.2)

■存廃が議論されている広島市内最大級の被爆建物「旧陸軍被服支廠」を国会議員が相次いで視察した。自民党の寺田稔議員は「広島大附属中・高等学校に通っていたころによく目にしていたが、改めて平和を発信するシンボルになると感じた」と話した(中国、3.2)

■広島大の学生グループ「withE」が、無料通信アプリLINEの機能を使い、小中学生の勉強の疑問に答える活動をしている。代表の総合科学部2年高妻勇希さんは「学校が休みなのは不安なはず。どんどん質問してほしい」と話した(中国、3.3)

■酒どころ西条がある東広島市に本拠を置く広島大が、賀茂泉酒造と協力しを日本酒「広大」販売した(読売、3.3)

■【異国でマナブ広島大発】広島大総合科学部2年の北野堅信さんは、米・フロリダ州立大に留学した。白熱したディスカッションがいきなり始まることもあり、積極的に発言する力が鍛えられたと話した(中国、3.3)

■広島大マスコットキャラクターが誕生した。「不死鳥」と名が同じで学章にも採用しているカナリア諸島原産の常緑高木「フェニックス」をデザインした。フェニックスをイメージした「フェニックスマーク」とマスコットキャラクターを作った。マスコットの愛称は学内公募で今月中に決める(中国、3.4)

■2日、広島県と県医師会は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、連絡会議を開いた。県医師会感染症対策委員会委員長の広島大学病院の大毛宏喜副委員長は「県内で患者が発生しても、手洗い、マスク着用など感染症予防のためにすることは変わらない。冷静に対応してほしい」と呼びかけた(朝日、読売、3.4)

■【緑地帯(1)】広島大大学院の税所康正准教授が、幼少期の思い出を語り、虫に接する機会をつくった母親に対する感謝の気持ちを話した(中国、3.4)

■新型コロナウイルスの感染が広島県で初確認されたことを受け、広島大病院感染症科の大毛宏喜教授が感染予防について解説した。怖がりすぎず予防の基本である手洗いやせきエチケットなどを徹底してほしいと話した(中国、3.5)

■【緑地帯(2)】広島大大学院の税所康正准教授が、子ども時代の虫取りでセミの雌雄の見分け方などの知識が自然に身に付いたと話した(中国、3.5)

■1月1日から、広島大は屋外を含めた大学敷地内、大学の附属機関も全面禁煙とした。全面禁煙化は、中国地方の国立大では4大学目(プレスネット、3.5)

■ 広島大防災・減災研究センターの土田孝センター長などの研究チームは、2018年の西日本豪雨で土石流が発生した熊野町の渓流で、地盤の動きをインターネットで常時監視する「土石流センサー」の検証実験を公開した(毎日、3.5、朝日、3.20)

■5日、東広島市議会の予算特別委員会は広島大に5億円を出資する方針について議論した。市側は、同大の国際化を後押しすることで波及効果が見込めるとした(中国、3.6)

■中国新聞に中国地方で新型コロナウイルスの感染者が少ないのは、検査しないため陽性者が分からないからだという意見が複数寄せられている。検査について広島大学大学院の坂口剛正教授(ウイルス学)は「感染者がすべて陽性になるわけではない」ことを、同大大病院感染症科の大家宏喜教授は偽陽性が出る可能性を解説した(中国、3.6)

■【緑地帯(3)】広島大大学院の税所康正准教授が、関東以西の温暖な常緑広葉樹林に生息するヒメハルゼミというセミについて解説した(中国、3.6)

■6日、広島大前期日程入試の合格発表が行われた。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、1949年の大学設置以来初めて、東広島・霞・東千田の各キャンパス合格者の掲示板の設置を見送った(中国、3.7)

■新型コロナウイルスの感染予防に向けた中国・韓国からの入国制限強化が表明された。両国からの留学生について広島大の広報担当は「大きな影響が見込まれるが、6日の段階で文部科学省からの具体的な通知はない。まったく情報がなく困惑している」と話した(中国、3.7)

■【緑地帯(4)】広島大大学院の税所康正准教授が、セミは日本でよく知られた昆虫なのに飼育が難しく長期間地球で過ごすため平均寿命など分かっていないことが多いと話した(中国、3.7)

■6日、広島大は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、23日に予定する卒業式の規模を大幅に縮小すると発表した。会場を東広島運動公園体育館から学内ホールに変え、保護者を呼ばずに開催する(中国、3.7、読売、3.13)

■【異国でマナブ広島大発】広島大文学部3年の三好爽香さんが、ドイツ・ハンブルク大に留学している。不慣れなために失敗やネガティブな気持ちになることもあるが、今ここでしかできない貴重な経験と考え、経験値を積み上げている(中国、3.10)

■【緑地帯(5)】広島大大学院の税所康正准教授が、「カナカナカナ」と鳴くヒグラシというセミの明け方の合唱開始時刻と終了時刻を記録したところ、個体数が増えるにつれ合唱開始時刻が早まり終了時刻が遅くなることが分かったと話した(中国、3.10)

■23日に予定する広島大の卒業式が大幅縮小や懇親会などの中止を決めたことを受け、東広島市内のホテルなどで式典に出席する保護者たちの宿泊や大学関係の集いのキャンセルが相次いでいる(中国、3.10)

■9日、広島市は県内で初めて新型コロナウイルスの感染者と確認された男性について、入院後の再検査では陰性の結果が出たと明らかにした。市は、広島大病院感染症科の大毛宏喜教授にも見解を求め、ウイルス減少のほか偽陰性の可能性もあると説明を受けたという(中国、朝日、3.10)

■近畿大は、同大工学部と附属中・高の入学式を中止することを決めた。一方、広島大は、同大附属幼稚園と小中学校、高校での入園・入学式について、感染防止策を講じた上で実施すると発表した(読売、3.10)

■広島大原爆放射線医科学研究所の田代聡所長らと同大大学院医系科学研究科の粟井和夫教授らによる共同研究チームが、肺の検査時にコンピュータ断層撮影(CT)の放射線量を約1.5ミリシーベルトまで落とすと、人体の染色体異常を極めて少なく抑えられることを初めて突き止めた(中国、日刊工業、3.11、朝日、3.13)

■12日から、国公立大の2次試験の後期日程が始まる。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、中国地方14大学のうち、山口大など7大学は、感染が確認された受験生への特別措置を講じる。広島大など残る7大学は特別措置を実施しない(中国、3.11)

■東広島市は、2030年までの市第5次総合計画で目指す市の姿を「やさしい未来都市 東広島」とし、市内外への発信に向けたロゴマークを発表した。計画では、広島大や市内に集積する研究機関と連携を強化する(読売、3.11)

■【緑地帯(6)】広島大大学院の税所康正准教授が、昨年5月末に北海道で異常高温の日が続き「高温につられてセミが鳴きだしたと報道するニュース番組があった。北海道では5月中旬以降エゾハルゼミが鳴いているのは当たり前なため、この間違った報道に驚いた」と話した(中国、3.11)

■【緑地帯(7)】広島大大学院の税所康正准教授が、子供のころはセミの鳴き声は図鑑にかかれてある擬音語すべてだったが、1990年代以降自分でホームページをつくり世界に発信するこが可能と知り、「セミの家」と名付け自身で録音したセミの鳴き声と生態写真を公開していった(中国、3.12)

■2月13日~14日、大学生や市民が東広島の未来について提案するイベントが開催された。最優秀賞にあたる市長賞に、広島大の廃棄自転車を観光客や学生、車を持たない人などを対象にレンタル用の自転車タクシーに利用するアイデアを提案した、広島大総合科学部国際共創学科1年の中村悠人さんら4人のグループが選ばれた(プレスネット、3.12)

■広島大東広島キャンパス内のぶどう池には、高さ50センチの鳥居が浮かんでいる(プレスネット、3.12)

■12日、国立大2次試験の後期日程が始まった。広島では771人が受験し、欠席率は65.7%だった(中国、3.13)

■【緑地帯(8)】広島大大学院の税所康正准教授が、セミほど平和な昆虫は珍しいと話した。カメムシのように臭いを出すこともなく、うかつに掴んでトンボのように咬まれる恐れもない。平和都市広島にふさわしい昆虫だと話した(中国、3.13)

■13日、広島大は新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、4月3日に開く入学式の規模を大幅に縮小すると発表した。学生や保護者の入場を取りやめ、式典の映像を録画配信する(中国、3.14、読売、3.25)

■16日、広島大教育ヴィジョン研究センターは、新型コロナウイルス対策で休校が続く中、児童に学びの場を提供するため、小学生向けデジタル教材「のん太の学び場」を使ったオンライン講座を初めて開いた。地域の特色や課題など10項目について学べる(中国、3.17)

■2019年9月、広島大病院は全国34の「がんゲノム医療」の拠点病院の1つに選ばれた。それ受け今年1月に「遺伝子診療科」を新設した。檜井孝夫診療科長は「がん治療を革新的に進める上で、がんゲノムは期待されている」と話した(朝日、3.18)

■広島大などの研究チームは、磁気共鳴画像装置(MRI)検査の結果を人工知能で解析し、うつ病患者の約4割を占めるうつ病「メランコリア型」かどうかを高い精度で診断する方法を開発したと発表した(中国、3.18、日刊工業、3.27、読売、3.30)

■FM東広島の番組「市長と語ろう!」に東広島市の高垣広徳市長と広島大教育学部4年生の清水祥平さんが出演し「大学生の起業による定住」をテーマに話し合い、市と学生の地域の関わりを活性化する「ひがしひろしま学生×地域塾」などを紹介した(プレスネット、3.19)

■子どもを勉強させるために悩む保護者が多い。広島大大学院教育学研究科の深谷達史准教授は、学習とはどういうものかという正しい学習観とおこづかいがもらえるなどの外発的動機づけよりも将来の夢など内発的動機づけが重要だと話した(プレスネット、3.19)

■新型コロナウイルスの世界的流行で、中国地方の大学に今春留学予定だった学生の留学辞退が相次いでいる。また、日本人学生の海外派遣も中止が広がっている。広島大では2、3月、欧州やアジアへの短期留学プログラムに約200人が参加予定だったが、うち約140人は中止、約60人は延期とした(中国、3.20)

■19日、東広島市豊栄町の乃美地域センターに、国の特別天然記念物オオサンショウウオの一時保護設備が完成した。広島大総合博物館の清水則雄准教授を中心に設計・監修され、同大や地元高校生らが痩せた個体を捕獲し一時保護を行う(中国、3.20)

■県内で見つかった新型コロナウイルスの2人目の患者は出張先のフィリピンでの感染が濃厚とみられている。渡航外来を開いている広島大病院感染症科の大毛宏喜教授は「世界中で流行するパンデミックの段階にある。渡航の際も人混みを避けるなど予防に努める必要がある」と注意を呼び掛けた(中国、3.21)

■広島大教育学部4年の山本茂将さんが、東広島市内の歩道に設置された視覚障害者用の点字ブロックの現状を歩いて調べ、論文にまとめた。本年度の市の地域課題研究懸賞論文で最優秀賞を受賞した(中国、3.22)

■23日、広島大の卒業式が同大サタケメモリアルホールで行われた。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため規模を縮小し、卒業生・修了生代表3人だけが出席し、時間も例年の半分に短縮した(中国、読売、3.24)

■広島大の卒業式は大幅な縮小開催となったが、同大東広島キャンパスでは学部や研究科ごとに学位記授与の場が設けられた。卒業生からは「式典に出られず残念」「中止の大学に比べ袴を着ることができてありがたい」などの声があった(中国、3.24)

■オフィスハットの渡辺達夫社長(大阪大卒。広島大などで予防歯科学を研究)は、自らが研究してきた歯周病予防・治療に効果的なブラッシング法「つまようじ法」に基づいた電動歯ブラシ「TAPG(タップジー)」を開発・販売している(読売、3.24)

■24日、広島バスセンターは、荒本徹哉社長の後任に取締役で広島市副市長の岡村清治氏(広島大卒)が就く人事を決めた(読売、3.25)

■24日、東広島市は4月1日付けの人事異動を発表した。広島大との連携を深めるために同大東広島キャンパスに「タウン・アンド・ガウン・オフィス準備室」を設置する。同準備室は欧米の大学を参考に街と学生や教授たちが一体となった街づくりを目指して市と大学が共同で設ける(中国、3.25、読売、3.26)

■24日、広島大の嘉陽礼文研究員は、原爆の爆風に耐え2018年に老朽化のため解体された広島刑務所の塀の一部を英・ケンブリッジ大に寄贈した。被爆75年事業の一環として現地の学生の平和教育に活用してもらう(中国、読売、3.25、産経、3.28、毎日、3.29)

■25日、広島大は同大大学院医系科学研究科に4月から認知症ケアと手足の重い外傷治療に特化した2つの寄附講座を新設すると発表した(中国、3.26)

■【広島大学輝く学生】広島大工学部が支援する広島大学生フォーミュラ「Phoenix Recing(フェニックス・レーシング)」は、毎年車両とドライバーがむき出しになったレーシングカーで競う全日本学生フォーミュラ大会への参戦を目標に活動を続けている(プレスネット、3.26)

■26日、広島大大学院医系科学研究科の研究チームは、脳梗塞患者の頭蓋骨から培養した細胞を本人に投与する臨床研究を始めると発表した。脳神経の回復や体の麻痺などの後遺症を軽減する効果が期待される(中国、3.27)

■【トップボイス】広島大の越智光夫学長が、地域づくりについて話した。同大は2021年度に国際交流拠点を東広島キャンパスに開設予定で、研究者同士、研究者と学生、市民との交流促進を促す(中国、3.28)

■27日、東広島市に本部やキャンパスを置く広島大、広島国際大、近畿大工学部、エリザベト音楽大の学長らが、市役所において市長と懇談を行った。広島大の越智光夫学長は「学外な優秀な研究者を受け入れるために、インターナショナルスクールがあれば」と要望した(中国、3.28)

■27日、広島大などの研究チームは、動力を必要としない人工呼吸器の部品を開発したと発表した。3Dプリンターを用いて製作し、新型コロナウイルスの感染拡大で人工呼吸器が不足している海外を含め、医療現場での実用化を目指す(中国、朝日、読売、3.28)

■【釣りのススメ】広島大大学院の海野徹也教授が寒チヌについて解説した。チヌは極寒期、餌が少ない時季を乗り切るため脂肪を蓄える。脂肪の利用効率を高める作用が海藻にあるため海藻も好む。満潮時には海藻を目当てに浅場へ回遊してくるため、春のチヌは磯場が狙い目かもしれない(中国セレクト、3.28)

■28日、企業を目指す若者たちを東広島市が支援する「企業道場」の成果発表会が、同市のビジネス拠点「ミライノ+」で行われた。広島大の学生など5人が考えた事業案を披露した(中国、3.29)

■【平和】県内の大学生と大学院生が、元原爆資料館館長で2011年に亡くなった被爆者の高橋昭博さんの資料整理に取り組んでいる。24日、文書保存の専門家を目指す広島大大学院文学研究科の宮迫陽奈さんらは、学芸員とともに高橋さんの被爆証言を聞いた人からのお礼状や交流があった人とのはがきなどを差出人やテーマごとに分類した(中国、3.30)

■30日、広島大は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて4月3日に予定していた入学式を中止すると発表した。越智光夫学長の式辞などはあらかじめ録画し、大学ウェブサイトで配信する(中国、朝日、3.31)


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