令和2年8月

■親からの経済的な支援が得られず進学などを諦める学生が少なくなく、「学びながら働く」ことへのニーズが高まっている。広島大高等教育研究開発センターの小林信一センター長は「企業側が学ぶ環境を守るための働き方改革を進める必要がある」と指摘した(中国、8.1)

■【釣りのススメ】広島大大学院の海野徹也教授が、着色した鉛にアピール力のあるラバースカートを組み合わせたルアー「鯛ラバ」を使って、船からマダイを狙う釣り方について話した(中国セレクト、8.1)

■31日、本年度の高校生平和大使の広島地区代表に選ばれた広島大附属高などの生徒3人が広島市役所で会見を行った(中国、8.1、朝日、8.5、産経、8.6、読売、8.19)

■広島県原爆被害者団体協議会発足前後に作成され、長らく所在不明だった資料を広島大が確認した。核兵器廃絶を目指す現在の被爆者運動が形作られる過程が記録されている(中国、毎日、8.2、中国、朝日、読売、8.4、毎日、8.6、産経、8.29)

■被爆2世で米国在住の美甘章子さん(広島大卒)が、父・進示さんの被爆体験と平和の大切さを伝えるドキュメンタリー映画「8:15」を完成させ、八丁座で上映が始まった(中国、8.3)

■デデン・ロフマワティさんは南方特別留学生で広島文理科大(現広島大)在学中に被爆した父ハッサン・ラハヤさんの伝記をインドネシア語と英語で出版する準備をしている(毎日、8.3)

■3日、広島大附属小6年生は在米被爆者らでつくる「米国広島・長崎原爆被爆者協会」のメンバーらとオンラインで交流し、被爆証言を聞いた(中国、8.4、8.6)

■広島大は初めて多国籍の学生が平和について考えるサミットを開催する。6日にその場で披露される広島大版の平和宣言「学生ヒロシマ宣言」が完成した。代表して日本と米国の学生2人が読み上げる(中国、8.5)

■6日、広島大は被爆樹木を用いたバイオリンやビオラの演奏会を開く。新型コロナウイルスの感染防止のため一般参加は断念し、附属高の生徒など関係者のみとし、ユーチューブによる動画配信を行う(読売、8.5)

■4日、広島県は広島大に委託し今月内に新型コロナウイルスの抗体検査を始めると明かした。来年2月にかけて広島市、福山市、三次市、東広島市、北広島町で3,000人以上に実施する(中国、8.5、朝日、8.8)

■4日、日本老年医学会と広島大は、新型コロナウイルスの影響による外出自粛や面会制限による認知症患者らの症状が悪くなったという調査結果を発表した(中国、朝日、8.5、中国、8.11)

■ヒロシマ・フィールドワーク実行委員会代表の中川幹朗さんは、8月5日付けで画集「消えた町 記憶をたどり」の英語版を発行する。翻訳は広島大平和センターのファン・デル・ドゥース・瑠璃准教授が担当した(中国、8.5、中国、朝日、8.25、産経、8.28)

■5日、広島大は10月にアリゾナ州立大の日本校を東広島キャンパスに設けると発表した。国立大で初めて海外の大学のキャンパスを誘致する(中国、朝日、8.6、日刊工業、8.7、産経、8.8、毎日、8.14)

■6日、各地で慰霊祭が行われた。広島大の前進の1つである広島女子高等師範学校・附属山中高等女学校・県立第二高等女学校合同慰霊祭や広島大原爆死没者追悼式などが行われた(中国、8.7)

■6日、広島大文学部の学生が蓮池うるし工芸において、伝統工芸品の仏壇をテーマにした実習を行い、漆塗りの技術や工程を学んだ(中国、8.7)

■植物生態学の草分け的な存在である宮脇昭さんは広島文理科大(現広島大)に進学した。焦土を調べ歩き、爆心地から1.8キロの神社でタブノキの新芽を発見し、枝葉は枯れても根は大丈夫だと思ったと自伝の中で振り返った(中国、8.7)

■原爆投下から75年が経過するが放射線への人体への影響はまだ分かったいない。広島大名誉教授の星正治さんは「被爆者の寿命については様々な議論がある。統計に詳しい専門家の助けを借りるなど研究が進むことを期待したい」と話した(読売、8.7)

■【ヒロシマを生きて(68)】毎日新聞終身名誉職員の山野上純夫さんは、広島高等師範学校附属中(現広島大附属中・高)の科学学級在籍中、当時広島文理科大理論物理学研究所だった三村剛昂先生に学んだ。当時軍部は三村先生の研究を原爆利用に役立てようと考えていたようだが、先生は、私の研究は科学の進歩に役立っても戦争には役立たないと話したという(毎日、8.7)

■6日、広島大は東千田キャンパスにおいて、原爆死没者追悼式を営んだ。新型コロナウイルスの影響から出席者は昨年の約半分の30人が参加した。留学生らを含む学生12人が平和をテーマに討論を重ねた「学生ヒロシマ宣言」も発表された(中国、読売、8.7、読売、8.14)

■広島県は8月中にも身近なクリニックで新型コロナウイルスのPCR検査が受けられるように整備する。広島大大学院の坂口剛正教授は「早く検査を受けることで、ウイルス量の多い感染初期に人にうつさない効果が期待できる」と話した(中国、8.8)

■8日、グリーンコープ生協ひろしまは、広島大東広島キャンパスにおいて新型コロナウイルスの感染拡大の影響でアルバイト収入などが減った学生約1,200人に対し食料品を配布した(中国、8.9)

■広島大名誉教授で比治山大元学長の三好信浩さんが『産業教育学』(風間書房)を出版した。これまで産業教育の翻訳書や「概説」「論」はあっても専門書は出版されていなかった(中国、8.9)

■【サイエンスる(上)】京都大の前野悦輝さん(広島大助教授などを経て現職)は、貴金属のルテニウムを使い、低い温度で電気抵抗がゼロになる「超電導物質」を実現した。次世代デバイスへの応用が期待される(中国セレクト、8.9)

■東広島市は本年度からの5カ年の施策の方向性をまとめた「国際化推進プラン」を改定した。昨年6月から市が設置した審議会が策定を進め、今年6月、審議会会長の広島大の本田義央教授(比較文化)が高垣広徳市長にプランを答申した(中国、8.10)

■9日、広島大大学院の安嶋紀昭教授(美術史学)らは、西明寺(滋賀県甲良町)の国宝・本堂の柱を赤外線撮影し、菩薩立像が描かれていることを発見したと発表した(読売、日経、京都、中日、8.10)

■広島大は同大原爆放射線医科学研究所が保管している原爆犠牲者の組織標本などをデジタル画像化し、データベースをつくると発表した。事業費350万円をクラウドファンディングで募っている(毎日、8.10、朝日、8.22)

■10日、東広島市に住む外国人が生活の中で感じる驚きを紹介するイベントが行われた。広島大大学院の留学生3人が日本語で発表を行った(中国、8.11)

■NPO法人環境パートナーひろしま理事の白川勝信さん(広島大大学院国際協力研究科修了)が、助成金制度の改革について話した。環境、森林、まちづくりなどさまざまな助成金制度があるが、その一つに災害発生時には助成金を支援活動に使うことを明記した「災害準備型」の助成金制度を設けてはどうかと提言した(中国、8.11)

■広島大の横崎恭之教授たちは、武田薬品工業と組んで肝硬変や肺線維症の治療薬を開発している(中国、8.12)

■広島大大学院統合生命科学研究科の落合博講師(分子生物学)の研究グループは、皮膚や内臓などの多様化に起因する特定のたんぱく質を初めてつきとめた。制御方法の確立につながる可能性があり、再生医療への応用が期待される(中国、8.14)

■7月28日付けで駐ペルー大使に就任した片山和之さん(広島大附属福山中高卒)が、ペルーへの移民が多い広島県との交流をさらに深めること、被爆地の思いをペルーに届けたいという考えを示した(中国、8.14)

■広島大原爆放射線医科学研究所の一戸辰夫教授らの研究グループは、患者の持つ免疫細胞の遺伝子を変化させてがんへの攻撃力を高める独自の「がん免疫細胞療法」の研究を本格始動した(読売、8.14)

■16日午後8時から、全国の大学生が協力し完成したオムニバス長編映画「突然失礼致します!」がインターネットで無料公開される。広島からは広島大や広島市立大、広島工業大などが参加した(中国、8.15)

■新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、合唱団は「新しい歌い方」を模索している。広島大合唱団は学内で週2回練習を行ってきたが4月から休止し、Zoomを使った活動を取り入れている(中国、8.16)

■5日、島根県、広島県三次市を流れる江の川流域が7月14日に大雨により氾濫したことを踏まえ、治水を話し合う協議会の初会合が行われた。広島大副学長の河原能久特任教授(河川工学)は「普段から住民と治水について情報交換を密にする必要がある」と話した(中国、8.16)

■前法相の河井克行被告と妻の案里被告が起訴された大規模買収事件を審理する東京地裁の「百日裁判」の期日が指定された。広島大大学院の茂木康俊准教授(行政学・政治学)は「地方議員や首長経験者は公職としての政治的義務を果たす意味でも積極的に真実を証言するべき」と話した(中国、8.18)

■在ブラジル・在アメリア被爆者裁判を支援する会が約20年間に発行した機関誌を冊子にまとめた。在外被爆者たちは、日本からブラジルなどに戻ると健康管理手当の支給が打ち切られることは不当として広島地裁に提訴した。代表世話人で広島大名誉教授の田村和之さんは「苦しみながら裁判を闘った人たちの歩みを知ってほしい」と話した(中国、8.18)

■広島大大学院教育学部は、優れた教育を実践する個人や団体をたたえる「ペスタロッチー教育賞」の候補者を募集している(中国、8.19)

■今年、広島大が米国に住む日系人の健康調査を始めて50年となる。日本人が欧米化した食生活をすると欧米人より糖尿病になりやすいことが分かった。同大大学院の米田真康教授は「和食中心の食生活のよさに注目してほしい」と話した(中国、8.19)

■【学生リポーターが聞く】広島大4年の貴船桃佳さんらが、株式会社シンギの田中友啓社長にインタビューを行った。田中社長はすぐに生かされることはないかもしれないが、なんでもいいので一生懸命に取り組んでほしいと話した(中国、8.19)

■18日、広島大と三洋化成工業の研究チームは、2022年度に変形性膝関節症の患者を対象に損傷した膝の半月板の再生を促す臨床試験を開始する計画を発表した。同大大学院医系科学研究科の安達伸生教授(整形外科)は「自身の関節を残したい患者の願いを叶えたい」と期待を話した(中国、日刊工業、8.19、中国、8.22)

■【病院の実力 大腸がん】主な医療機関の2019年の治療実績が公表された。広島大病院は、全手術が180件、うち腹腔鏡手術が123件、ロボット支援手術が21件、内視鏡的粘液下層剥離術(ESD)が180件だった(読売、8.19、8.23)

■毎年10月に行われてきた東広島市の酒まつりが今年はオンライン開催されることが決まった。日本酒愛好家らによる対談や広島大などの学生と蔵人による「杉玉」作り、杜氏たちのメッセージなどを配信する(読売、8.20)

■9月24日、中国地域創造研究センターは医療や介護分野で役立つ最新映像技術を紹介する講演会を開催する。広島大大学院の服部稔助教は手術の精度を高める訓練用アプリを説明する(中国、8.21)

■20日、広島ベトナム平和友好協会はグエン・ドクさんから寄附されたマスク2,500枚を広島大ベトナム留学生協会に送り、東広島市役所において贈呈式が行われた(中国、8.22)

■広島大本部跡地に53階建て免震タワーマンション「hitoto広島ザ・タワー」が完成し、報道関係者向けに内覧会が行われた(中国、8.22)

■アフリカ・ブルキナファソから広島大に留学しているセルジュ・オウバさんはB型肝炎の母子感染について研究している(朝日、8.22)

■【青春文学館】広島大附属三原小の生徒が『ライギョのきゅうしょく』(講談社)を紹介した(中国、8.23)

■広島大工学部跡地に立つ中区スポーツセンターの敷地の一角に統合移転を記念した記念碑が建っている。その下には整備計画や同エリアの写真などが入ったタイムカプセルが埋められている(中国、8.23)

■【被爆75年】広島大大学院の嘉陽礼文さんは、原爆投下後に多くの被爆者が運び込まれた坂町で遺骨発掘作業を始めた。発見できれば町内の供養塔に納める(読売、8.24)

■【中国新聞LEADERS倶楽部通信vol.23】広島大の金子慎治副学長(グローバル化推進担当)が、今年4月に東広島市と連携して設置した「タウン・アンド・ガウン・オフィス準備室」について話した(中国、8.25)

■広島大総合科学部など文理融合型学部の創設が国立大で広がっている。同大高等教育研究開発センターの大膳司副センター長は「視野の広い人材が求められていることは事実だが、最終的には大学院で専門性を身に着けた方が将来有利になる可能性がある。専門分野を少しでも深く学べるプログラムや環境が必要だ」と話した(日経、8.26)

■広島大大学院の片桐清文教授ら、名古屋大、物質・材料研究機構の研究グループは、二酸化ケイ素と四酸化三鉄の粒子に硝酸マグネシウムを加えた電着法を用いて、摩擦に強い発色塗装技術を開発した(日刊工業、8.27、中国、8.28、読売、8.29)

■27日、広島大の小池みずほ助教(地球惑星科学)らの研究チームは、生まれて間もない44億~41億年頃に太陽系に大量の隕石が降り注いで衝突した可能性が高いという研究結果を発表した(日経、8.28)

■【私の一枚】広島高等師範学校(現広島大)の分教室として使われた旧陸軍被服支廠前で撮影された個人の写真が紹介された。(中国、8.28)

■27日、東広島市豊栄町にあるオオサンショウウオの保護施設のメンバーが「オオサンショウウオの宿」で初めて保護した個体1匹を椋梨川に放流した。広島大総合博物館の清水則雄准教授らが個体を車に乗せ、川の上流へ運んだ(中国、読売、8.28)

■夏の長期休暇は大学生が海外での学びや生活を体験して視野を広げるチャンスだが今夏は新型コロナウイルスの影響から留学プログラムが相次いで中止になり各大学は様々なプログラムを提供している。広島大は協定大のオンライン授業参加者を募集している(読売、8.28)

■5年前開催された「世界核被害者フォーラム」の報告記録集が完成し、全国の図書館などに寄贈された。広島大名誉教授の鎌田七男さんが監修にあたった(朝日、8.28)

■27日、広島大は「角筆」の文献を集めた資料室を東広島キャンパスの中央図書館に設置した。角筆に特化した資料室は世界初で、同研究の第一人者で文化功労者の小林芳規名誉教授が収集した293点を所蔵する(中国、読売、8.28、朝日、8.30)

■28日、広島大附属小の生徒が今夏取り組んだ平和学習の成果を広島市の松井一実市長の前で発表した(中国、8.29)

■広島大大学院医系科学研究科の酒寄信幸助教の研究グループは、妊婦の食事が生まれきた子ども太りやすさに影響する可能性があることをマウスの実験でつきとめた(中国、8.29)

■30日、本年度実施される大学入試の一般選抜で中国地方の国公私立大53大学中広島大など28大学が新型コロナウイルスの感染拡大に伴い高校生の学習の遅れに配慮した出題をする方針であることが文部科学省のまとめで分かった(中国、8.31)


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