令和2年9月

■広島県で確認された新型コロナウイルスの感染者数は7月以降に起きた第2波の方が4月の第一波のピークを大きく上回っている。広島大病院救急集中治療室の志馬伸朗教授は「どこで感染したか分からない人が多くなり、市中にウイルスがまん延している」と指摘した。また同大大学院の田中純子教授(疫学・疾病制御学)は「意識と行動を変えれば爆発的な拡大は抑えられることが分かってきた。しばらくは対策に強弱をつけ新型コロナウイルスと付き合っていくしかない」と話した(中国、9.1)

■東広島市は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う外国人の入国制限緩和を受け、留学生に対し入国条件となる2週間の待機に必要なホテル代などを補助する方針を決めた。広島大などから要望が寄せられていた(中国、9.1)

■呉市は戦艦大和の主砲を削り出したとされる大型の旋盤の寄付を受け、2011年に広島大から寄附されていた金属の強度などを計測する大型の強度試験機と併せてて大和ミュージアムでの展示を検討する(中国、9.1)

■広島大は10月にアリゾナ州立大の日本校を東広島キャンパスに設けると発表した。海外の大学のキャンパスを誘致するのは国立大で初めての試み(朝日、9.1)

■10月、広島大は世界トップレベルの研究者や優れた留学生を受け入れる国際交流拠点施設の建設を東広島キャンパス内で着工する。市から5億円の支援を受け、総事業費15億円で来年秋の完成を目指す(中国、読売、9.2、日刊工業、9.10)

■広島大の小池みずほ助教(地球惑星科学)らの研究チームは、生まれて間もない44億~41億年頃に太陽系に大量の隕石が降り注いで衝突した可能性が高いという研究結果を発表した(朝日、9.3、中国、9.8)

■3日、国立広島原爆死没者追悼平和祈念館は、75年前に南方特別留学生として現広島大に留学中に原爆で亡くなったニック・ユソフさんの遺影を登録したと発表した(朝日、9.4、中国、9.5、毎日、9.6)

■飲食店経営傍ら西条町で農園を営むインスマートは、自社で生産している「青ナス」に親しみを持ってもらうため、広島大の学生と協力してナスのキャラクターが登場する絵本を作成し、東広島市の農産物直売所で無料配布している(中国、9.5)

■広島県が所有する被爆建物「旧陸軍被服支廠」について、耐震化費用が大幅に圧縮できる可能性が浮上した。耐震化費用が安くなれば、全棟保存の大きな追い風となる。同建物は戦後、広島大の校舎の一部や学生寮として利用されていた(中国、9.5)

■4日、広島大病院の大毛宏喜教授らの研究チームは、人体への影響が低いとされる紫外線に新型コロナウイルスの感染力を失わせる力があることを初めて突き止めたと発表した(中国、9.5、朝日、9.20)

■明治時代に広島市で編成された旧陸軍第5師団について記録した文書が広島市安佐北区の民家で見つかった。近く県立文書館へ寄贈される。広島大名誉教授の勝部眞人さんは「陸軍第5師団の記録は原爆で焼失し、ほとんど残っていない。明治期の軍隊がよく分かり興味深い」と話した(中国、9.6)

■広島大大学院教授で日本ゲノム編集学会の山本卓会長が『ゲノム編集とはなにか』(講談社ブルーバックス)を出版した(中国、9.6)

■今年に入って鳥羽水族館が広島大の若林香織准教授らと協力し相次いで節足動物「シダムシ」の新種を報告している(中国セレクト、9.9)

■広島大は同大原爆放射線医科学研究所が保管している原爆犠牲者の組織標本などをデジタル画像化し、データベースをつくると発表した。事業費350万円をクラウドファンディングで募っている(産経、9.11、読売、9.24)

■広島大大学院で数学を研究する渡辺業さんが浜田市世界こども美術館において、ドミノ倒しによる計算機づくりに挑戦した(中国、9.12)

■19~22日オンライン開催される第2回高校対抗全国大会「コカ・コーラステージゼロeスポーツハイスクールチャンピオンシップ」の決勝大会に、広島大附属高の2年生3人が中四国ブロック代表として出場する(中国、9.13)

■原爆犠牲者の組織標本などをデジタル画像化しデータベースをつくるために広島大原爆放射線医科学研究所が募っているクラウドファンディングが苦戦している。目標額に届かない場合も事業継続を目指すがデータベース公開時期の延期を余儀なくされる可能性がある(中国、9.15)

■【病院の実力 乳がん】主な医療機関の2019年の治療実績が公表された。広島大病院は、全手術302人、うち全摘164人、乳房再建手術77人、うち人工乳房を使った手術49人、遺伝カウンセリング体制はありだった(読売、9.16)

■【スポーツライター藤原史郎の目】13日、広島六大学野球秋季リーグが開幕し、広島大、広経大、近大工学部が先勝した。公式戦初先発した広島大の佐々木郁瑠投手は8回1失点の好投で勝利投手となった(毎日、9.17)

■16日、東広島署は広島大東広島キャンパスの研究室内に設置された機材の配線ケーブルを刃物で切断した疑いで広島大大学院生を器物損壊の容疑で逮捕した(読売、9.18)

■新型コロナウイルス対策として抗ウイルス成分「イータック」の活用が地場企業に広がっている。イータックは2008年に広島大大学院の二川浩樹教授が開発した(中国、9.19)

■18日、広島大東広島キャンパスのサタケメモリアルホールにおいて、秋季卒業式が行われた。新型コロナウイルス対策で参加者を卒業生などに限り、席の間隔をあけるなどして実施した(中国、9.19)

■18日、広島大大学院先進理工系科学研究科の本間謙輔助教(素粒子原子核物理学)の研究グループは、暗黒物質のエネルギーの源になりえる未知の素粒子群の観測手法を発案したと発表した(中国、9.19)

■【釣りのススメ】広島大大学院の海野徹也教授が、シーズンが始まるアオリイカの生態について解説した。食欲旺盛なアオリイカは餌場を求めて活発に回遊するため、釣り場を頻繁に変えて群れを探し当てるといいと話した(中国セレクト、9.19)

■尾道市と地元5漁協でつくる松永湾水産振興協議会は、アサリの産地復活に向けた土壌改良の実証試験に取り組む。中電と広島大の包括的研究協力協定の一環で、同大大学院先進理工系科学研究科が調査を行う(中国、9.19、9.23)

■広島大病院乳腺外科の角舎学行医師が、さまざまな乳がんの治療方法について話した(読売、9.20)

■広島大の越智光夫学長が国立大で前例のない試みである米アリゾナ州立大学の海外校を誘致することについて狙いなどを話した(日経、9.21)

■東広島市志和町にある築120年の古民家を改修して、広島大の小野晴香さん、アルビン・コイコイ・ジュニアさん、瀬戸響さんら3人がシェアハウスとして入居し地域住民の輪に溶け込んでいる(中国、9.22)

■新型コロナウイルスの影響から大学は対面授業が難しく、授業の進行や学生同士の交流をどう充実させるのか。広島大の越智光夫学長は「学生同士で議論し、教員が支援する場が必要だ」と話した(日経、9.22)

■日本老年医学会と広島大は、新型コロナウイルスの影響による外出自粛や面会制限による認知症患者らの症状が悪くなったという調査結果を発表した(毎日、9.22)

■10月7日、広島大はホテルグランヴィア広島において広島大認知症シンポジウムを開催する。来場のほか、インターネットを通じた視聴もできる(中国、9.23)

■10月1日、広島市障害者差別解消条例が施行される。条例案を検討する協議会で会長を務めた広島大大学院の横藤田誠教授は「障害がある人、ない人、いろいろな事情を抱えた人、それが多様性だと少しでも思い致すきっかけになれば」と話した(朝日、9.23)

■【新社長】◇中国放送◇宮迫良己氏(広島大工学部卒)、6月26日から現職(9.24、中国)

■広島平和記念資料館は、初代館長である故・長岡省吾さんの遺族から寄贈された資料を基に、開館までの歩みや初期の展示などを紹介する企画展を開催している。長岡さんは、広島文理科大(現広島大)地質学鉱物学教室で学生の指導をしていた当時、被爆直後の広島で資料収集を行った(朝日、9.24)

■米ロックフェラー大を中心とした国際研究グループが特定の「自己抗体」を持つ人が新型コロナウイルスの感染症で重傷者しやすいという調査結果を、24日付の米科学誌サイエンス電子版に掲載した。広島大大学院の岡田賢教授(小児科学)は東京医科歯科大とともに国内医療機関に呼びかけ、重症患者の抗体の保有状況を調べる(中国、9.25)

高校人国記 安芸府中高校(1)広島大大学院の曽余田浩史教授(教育経営学)と後藤拓也准教授(農業地理学)が卒業生として紹介された。曽余田教授は第一期卒業生であり、教育学部講師だった2002年から8年間、学校評議員として母校に再び関わった(中国、9.25)

■ベトナムで日本語教師をしている藤井宏さん(広島大文学部卒)は、高校教師を38年務め定年後に日本語指導教師資格を得た。現在は新型コロナウイルスが広がる中、今年5月末から一時帰国している(中国セレクト、9.25)

■新型コロナウイルスの影響で資金難や部員不足にあえいでいた広島大の馬術部が当面の危機を脱した。HPなどで寄付を募ったところ、7月末までに同部OBや地域住民たち119人から計211万円が集まった。11月上旬、全日本学生馬術大会の開催も決まり、上位入賞を目指す(中国、9.25)

■文部科学省は2021年度に高度な機器の共用の仕組み「共用プラットフォーム」を遠隔利用や自動化の切り口を加えリニューアルする。北大を中心に広島大や浜松医大が参加しているプラットフォーム「原子・分子の顕微イメージング」もリニューアルする(日刊工業、9.25)

■広島大大学院国際協力研究科の院生2人がスリランカの農家を支援するNPO法人を現地に設立した。内戦があった同国で伝統的な植物栽培を通じて平和構築につなげる(9.26、中国)

■コロナの収束が見えない中、全国の大学が来春の入試動向を見守っており、地方大は受験生に目を向けさせるチャンスと捉えている。広島大の越智光夫学長は「都会に出るより、優れた教員が多い広島大の方が良いと高校生に訴えたい」と話した(日経、9.26)

■10月1日、広島大は東千田キャンパスに「AI・データイノベーション教育研究センター」を新設する。25日、越智光夫学長は定例記者会見で「地域企業の情報科学リテラシーを高め、次のイノベーションにつながれば」と設立の狙いを話した(日経、9.26、日刊、9.30)

■広島市が広島大本部跡地の旧理学部1号館で、広島大、広島市立大と連携して新たな平和研究拠点をつくる構想が停滞している。両大学からは移転決定以外に具体的な進展はなく、方向性が見えないと戸惑いの声が聞かれる(中国、9.28)

■27日、東広島市の小中学生が科学の素養を磨く連続講座が行われた。広島大大学院先進理工系科学研究科の本間謙輔助教は、風力発電の仕組みをプロペラを使って解説した(中国、9.28)

■広島大大学院医系科学研究科の酒寄信幸助教の研究グループは、妊婦の食事が生まれきた子ども太りやすさに影響する可能性があることをマウスの実験で突き止めた(朝日、9.29)

■広島大大学院理学研究科大学院生の坂田俊樹さん、同大自然科学研究支援開発センターの加治屋大介助教(現足利大准教授)、斎藤健一教授のグループは、有機EL用の高分子を溶かした溶液に筆を浸し、塗って乾燥させると80%以上の高分子が同じ方向に並ぶ配向度の高い膜が作製できることを見出した(日刊工業、9.29)

■28日、広島市の松井一実市長が市民と対話する「市政車座談義」が行われ、同市出身の大学生4人と意見交換を行った。被爆ピアノコンサートなどを企画した広島大4年の岩本理沙さんは「広島の若者でも平和への興味関心に差がある。ハードルを低く、誰もが関われることが大切」と話した(中国、9.29)

■29日、文部科学省はオンライン開催された国際数学オリンピックで広島大附属高の生徒らが銀メダルを獲得したと発表した(朝日、読売、日経、9.30)

■新型コロナウイルスの影響による景気後退で解雇や収入減など在留外国人や留学生が苦境に立たされている。在留外国人支援をしている広島大の河本尚枝准教授は「日本語を母語としない外国人を市民として受け入れ、生活基盤を支える政策にかじを切るべきだ」と話した(中国、9.30)

■小山田浩子さん(広島大卒)が日本では長年絶版状態が続いており、最近新訳が刊行された『心は孤独な狩人』(カーソン・マッカラーズ著、村上春樹訳、新潮社)を紹介した(中国、9.30)

■広島大発ベンチャーのキャンパスメディコは、同大が開発し同社が特許技術を管理する抗菌成分イータックを使用した商品を扱っている。高田祐司社長は「新型コロナウイルスが収束しても消毒・衛生の意識はなくならない。確実な需要が見込める」と話した(中国、9.30)


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