令和2年12月

■日本貿易振興機構(ジェトロ)の佐々木伸彦理事長が広島大と包括的連携協定を結んだ狙いについてインタビューに答えた(中国、12.1)

■広島で被爆した元毎日新聞記者の山野上純夫さん(広島高等師範学校附属中卒(現広島大附属中・高))が2017年10月〜20年8月に広島面に連載した「ヒロシマを生きて〜被爆記者の回想」が本になった(毎日、12.1)

■30日、広島県は新型コロナウイルス感染の広がりを受け、現在の一番軽微な「ステージ1」から「2」に引き上げた。また、東広島市の20代の広島大生1人の新型コロナウイルス感染を発表した(読売、12.1)

■1日、広島大教育学部などは優れた教育実践者を顕彰する本年度の「ペスタロッチー教育賞」を、慶応大の村井実名誉教授に贈った。東広島キャンパスで表彰式があり、オンライン参加した村井さんが記念講演をした(中国、読売、12.2)

■1日、広島大の越智光夫学長と首都師範大は広島と北京をオンラインで結び覚書を締結した。2021年9月をメドに、広島大は中国・北京の首都師範大に、日本語・日本文化の教育組織「広島大学森戸国際高等教育学院北京校」を設置する(日経、12.2)

■広島大は日本貿易振興機構(ジェトロ)と包括的連携協定を結んだ。国際的な産学連携の推進、大学発ベンチャーの海外展開の支援、グローバル人材育成の3分野で連携を深める(日刊工業、12.2)

■広島大と呉高専は環境に優しく狭い路地などの走行に適した小型電機自動車「グリーンスローモビリティ」の試験運行を呉市で始めた(日刊工業、12.2)

■作曲家でもある広島大の徳永崇准教授が、ベートベン生誕250年の節目に当たる今年、広島交響楽団はその作品に熱意を持って取り組んでいると話した(中国、12.2)

■2日、広島大はハンドボール部に所属する学生3人が新型コロナウイルスに感染したと発表した(中国、12.3)

■2日、広島県は、東広島市で広島大生2人を含むの20〜60歳代4人の新型コロナウイルス感染を公表した(読売、12.3)

■12日、広島大は今年のノーベル化学賞と物理学賞の解説講演会をオンラインで開催する。化学賞は山本卓教授が解説し、物理学賞は木村俊一教授ら3人が解説する(朝日、12.3)

■広島大の山本卓教授が今年のノーベル化学賞に決まったゲノム編集の新手法について、遺伝性疾患の治療への応用やがん細胞への攻撃力を高める研究などに期待できると話した(朝日、12.3)

■国の特別天然記念物オオサンショウウオが生息する東広島市豊栄町の豊栄小の4年生18人が、同じく生息地である滋賀県長浜市の高時小の4年生8人とオンラインで交流した。豊栄小は2014年から広島大総合博物館の清水則雄准教授たちを迎え、オオサンショウウオに関する授業に取り組んでいる(中国、12.3)

■【地域おこし活動中 東広島市福富町】広島大の学生団体「ふくふく」は町の祭り「アクアフェス」のアイガモレースの運営に携わり、「mahoLabo.(まほらぼ)」は有機農法に造詣が深いお年寄りへの取材活動を行っている(中国セレクト、12.3)

■中国地方でも本格的に新型コロナウイルスの第3波の様相を見せている。広島大病院感染症科の大毛宏喜教授は「第1、2波に比べ身近な感染症になっている。身の回りの思わぬ人がウイルスを持っている可能性があるため、食事や休憩等でマスクを外す場面で特に注意してほしい」と指摘した(中国、12.4)

■3日、 日米両政府が共同運営する放射線影響研究所は、新たな移転先の候補に広島大霞キャンパスを加えたと正式に発表した。同大との連携強化で共同研究が進めやすいなどの利点に着目している(中国、朝日、読売、12.4、毎日、12.5、産経、12.8)

■5〜12日、解体問題に揺れる被爆建物「旧陸軍被服支厰」の全棟保存に向けた機運を高めようと、「旧被服支厰の記憶」展が合人社ひと・まちプラザで行われる。広島高等師範学校(現広島大)の校舎として使用された戦後の様子などを捉えた写真が展示されている(朝日、毎日、12.5)

■4日、東広島市は新型コロナウイルスの感染者数が11月以降若者層を中心に増えていることを受け、市内にキャンパスのある4大学に注意を呼び掛けた。広島大の越智光夫学長は、感染リスクが高まる場面に注意し、体調が悪い場合は速やかに医療機関を受診する旨の緊急メッセージを同大ホームページに掲載した(中国、12.5)

■4日、被爆建物の広島大旧理学部1号館で建物の撮影会が行われた。被爆75年を機に現在の建物の姿を記録しようと同大国際室が企画し、同室研究員の嘉陽礼文さんが建物の歴史などを説明した(中国、12.5、毎日、12.6、産経、12.13)

■広島県内で活動する木工職人たちを紹介する「広島の木工職人」(海青社)が出版された。木材加工の研究を長年続けてきた広島大の番匠谷薫名誉教授が編集した(中国、12.6)

■5日、広島市が企画した被爆建物を巡るイベントが行われた。約30人の市民が旧陸軍兵器補給厰(現広島大医学部医学資料館)を起点に、旧広島高等学校講堂(現広島大附属中・高等学校講堂)まで直線距離で1.5キロほどの範囲を2時間かけて歩いた(朝日、読売、12.6)

■日本では韓国や欧米に比べ、授業料の返還を求める声が多くない。オンライン授業の質にばらつきがあるものの、九州大が6月に実施したアンケートでは約6割の学生がオンライン授業に肯定的であることが分かった。また先進的な動きもあり、広島大は選び抜いた100本の授業をインターネットで無料公開している(毎日、12.6)

■広島大大学院先進理工系科学研究科の薮田ひかる教授(宇宙科学)は、探査機「はやぶさ2」が小惑星リュウグウから持ち帰った岩石試料の岩石中の有機物を調べる分析チームのリーダーを務める(中国、毎日、12.7)

■8日、小惑星リュウグウの砂や石が入ったとみられるはやぶさ2のカプセルが日本に届けられ、全国の大学・研究機関で分析が進められる。広島大の薮田ひかる教授(宇宙科学)は「リュウグウの歴史を知ることは太陽系の進化の理解につながる」と話した(読売、12.7)

■広島大や国際電気通信基礎技術研究所などの研究チームが、うつ病の度合いを数値で示せる新しい検査法を開発した。MRIで撮影した画像をAIで分析する。研究メンバーの広島大大学院の岡本泰昌教授(精神神経医科学)は「多くの病院にあるMRIを用いて、簡単に早期発見できる意義は大きい」と話した(中国、朝日、日刊工業、12.8)

■三原市の養鶏場の鶏から鳥インフルエンザウイルスが確認された。広島大大学院統合生命科学研究科の堀内浩幸教授(生物免疫学)は「鳥から人への感染はまずないが、危惧するのは豚を経由した感染だ」と話した(中国、12.8)

■7日、広島大大学院の石井伸弥教授(老年医学)たちは、認知症の人や家族を対象にした新型コロナウイルス感染症の対策パンフレットを作成し公表した。同大大学院共生社会医学講座のホームページからダウンロードできる(中国、12.8、朝日、12.21)

■◇卓球◇広島市中学校新人大会【女子】個人(3)広島大附属東雲中の生徒(読売、12.9)

■8日、広島市の松井一実市長は市議会の一般質問の答弁で、日米共同で研究を行う公益財団法人「放射線影響研究所」の移転先の候補地に広島大霞キャンパスを加えたことについて、「移転に向けた前向きな検討であり、喜ばしい」との考えを示した(読売、12.9)

■広島大とイズミは、学生や教職員が新型コロナウイルスの感染者や濃厚接触者となって自宅待機となった際、食料や日用品の配達で連携する協定を結んだ。同日霞キャンパスで調印式があり、越智光夫学長は「コロナ禍での生活支援を整えた。今後も学生目線の支援を続ける」と話した(産経、12.9)

■広島大大学院医系科学研究科共生社会医学講座などが主催し、認知症をテーマにしたシンポジウム「新型コロナウイルスと共存する時代の共生社会のあり方とは」が開催された。政策研究大学院大学の黒川清名誉教授が基調講演を行った(中国、12.9)

■日本経済新聞がコロナ禍の就職活動について、広島大の越智光夫学長などの学長に対してアンケートを行った。7割の大学が内定が得られない学生が増えるだろうと回答した(日経、12.9)

■広島大大学院理学研究科博士課程前期の河野嵩さん、先進理工系科学研究科の木村昭夫教授らは、高輝度光科学研究センターと東北大学金属研究材料研究所との共同で、多機能性の強磁性合金の「ハーフメタル状態」を直接観測することに成功した(日刊工業、12.10)

■ノーベル化学賞を受賞したゲノム編集技術「クリスパー・キャス9」について、広島大大学院統合生命科学研究科教授で日本ゲノム編集学会会長の山本卓さんは「安全な方法がさらに開発されて、品種改良、疾患治療に使われる身近な技術となっていくだろう」と話した(日刊工業、12.10)

■10日、広島大は原爆放射線医学研究所の田代聡所長の再任を決めた。任期は来年4月から2年間(中国、12.11)

■11月21日、未来を拓く地方協奏プラットフォーム(代表機関:広島大)が主催する「未来博士3分間コンペティション2020」がオンラインで開催された。最優秀賞は山口大の山田耕輝さんが受賞した(科学、12.11)

■10日、地下鉄サリン事件の被害者の後遺症を調べてきた広島大大学院医系科学研究科の研究グループは、被害者の3分の2に疲れ目などの身体的症状、3分の1に心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状が長い間残るという最終結果を報告した。杉山文助教(疫学・疾病制御学)は「サリンの被害者の症状は当初、短時間で改善すると思われていた。後遺症で苦しむ人がいることを広く知ってほしい」と話した(中国、読売、毎日、12.11、朝日、12.29)

■11日、厚生労働省は、ゲノム編集技術を用いた血圧を下げる成分を含んだトマトの来年春からの流通を認めた。日本ゲノム編集学会の会長を務める広島大の山本卓教授は「日本の育種分野にとって大きな一歩。食料問題を解決するためには、ゲノム編集を用いた効率的な品種改良が必須だ」と話した(中国、朝日、日経、12.12)

■【釣りのススメ】広島大大学院の海野徹也教授は、魚がエサを食べたときにウキや竿先に出るアタリがあったときに、素速く手や竿を動かしてしっかり魚の口にハリを掛けるアワセについて、口腔内が硬くて針が貫通しにくい魚や餌をすぐ吐き出す習性がある魚に効果的だと説明した(中国セレクト、12.12)

■12日、県内の中高生や保護者に海外留学の魅力を紹介する「ひろしま留学フォーラム」がオンラインで行われた。広島大在学中に米国とスペインで過ごした会社員の板井和弥さんは「留学はピンチを自分の力で乗り越える力をつけるチャンス」と話した(中国、12.13)

■12日、教育現場で新聞の活用について考えるNIEのイベント広島市で行われ、SDGsの学習に新聞を活用する方法を学んだ。参加した広島大附属中学・高校教員の鶴田輝樹さんは「教室に持ち帰り、授業に取り入れたい」と話した(朝日、12.13)

■13日、世界で活躍する科学者や技術者を目指す高校生・高専生が研究成果を競うコンテスト「JSEC2020(第18回高校生・高専生科学技術チャレンジ)」の最終審査会と表彰式がオンラインで開催された。日本ガイシ賞に広島大附属の生徒2人が選ばれた(朝日、12.15)

■14日、日本新聞協会は第11回「いっしょに読もう!新聞コンクール」の受賞者を発表した。優秀賞に選ばれた3人のうち1人は広島大附属中の生徒だった(中国、12.15)

■【キャンパスリポーター発】人体への影響が低いとされる紫外線に新型コロナウイルスの感染力を失わせる力があることを初めて突き止めた広島大病院感染症科の北川浩樹診療講師にインタビューを行った(記事:3年・間世田桜子さん)(中国セレクト、12.15)

■西川恭治(にしかわ・きょうじ=広島大名誉教授、物理学)11日、86歳(中国、12.15、毎日、12.16)

■13日、広島大の大滝慈名誉教授(統計学)が東区民文化センターで、原爆投下直後に降った「黒い雨」を巡る訴訟について、現行の援護地域の6倍の範囲で雨が降ったとする調査報告について講演した(読売、12.15、朝日、12.18)

■呉市広古新開で学習障害の子どもとその親をサポートするための拠点づくりが、来年4月の開設を目指して進んでいる。呉高専や広島大の学生有志も協力している(中国、12.16)

■16日、広島大防災・減災センターは、防災の取り組みについて考えるオンライン式の公開討論会を開催した。センターの研究者、自治体担当者、住民ら15人が参加し、コロナ禍での避難などについて意見を交わした(中国、12.17)

■1月1日、山口大は全学の研究機器共用を推進する「リサーチファシリティマネジメントセンター」を新設する。また、広島大、岡山大などとの「中国地区バイオネットワーク」の連携でも機器共用を強化する(日刊工業、12.16)

■広島大医学部は今年で創立75周年を迎えた。これまでの取り組みや著名人からのお祝いコメントが掲載された(中国、12.18)

■水上孝一(みずかみ・こういち=広島大名誉教授、制御工学)16日、死去、84歳(中国、12.19)

■19日、広島大はインドネシアの大学で日本語を学ぶ学生による「日本語作文スピーチコンテスト」を開催した。今年は現地の学生10人がインターネットを通じて参加し、ブラヴィジャヤ大のデリア・ボゥディ・カミラさん最優秀賞に選ばれた(中国、12.20)

■加齢などで首の骨の中の神経が圧迫され手足にしびれの症状が出る首の病気について、広島大病院の亀井直輔准教授が様々な治療法について話した(読売、12.20)

■【研究室発】広島大大学院先進理工系科学研究科の尾坂格教授は、次世代の太陽電池と呼ばれる有機薄膜太陽電池(OPV)の実用化に向け、変換効率の高いOPVの研究に取り組んでいる(中国、12.21)

■大阪大大学院の寺田健太教授(宇宙地球科学)(広島大教授を経て現職)は、科学絵本「ねえねえはかせ、かぐや姫はどうやって月に帰ったの?」(大阪大学出版会)を出版した(中国、12.22)

■一般社団法人「むすぶ広島」の花井綾美理事長(広島大卒)は、年々厳しさが増す農業について、生産者と消費者の距離を近づけお互いの理解を深めることで地域の農業を地域全体で支える動きとして発展させたいと話した(中国、12.22)

■22日、広島大は、新型コロナウイルスの感染拡大をうけ下宿生活をする学生に対して、家族と十分に話し合い、各都道府県の要請を踏まえて帰省するかどうか判断するようメッセージをホームページなどに出した(中国、12.23)

■1月20日、広島大病院患者サロンがオンラインで行われる。同大病院緩和ケアチームの井原世尊医師が「緩和ケアについて」と題して講演する(中国、12.23)

■21日時点で県内738人が自宅で待機しており、約350人はトリアージの診察を受けられていない。22日、広島県の湯崎英彦知事は広島大などに医師・看護師の派遣を要請し、1週間以内に入院か療養か振り分け待機の状態を解消すると話した(中国、12.23)

■22日、広島大は新型コロナウイルス対策を強化するため、喚起が必要なタイミングで通知する測定器の導入や、受験生に対してフェイスシールドを配布すると発表した(読売、12.23)

■神戸市立医療センター中央市民病院の木原康樹院長(広島大教授)が、新型コロナウイルスの院内でのクラスターの防止対策について話した(中国、12.24)

■今月から、広島大情報メディア教育研究センターは、サイバー犯罪への対応などを担う県警本部の警察官1人を研修生として受け入れる(中国、12.25)

■第64回日本学生科学賞入賞者が決まった。【高校】◇指導教諭賞、梶山耕成(広島大附属高)(読売、12.25)

■25日、広島大総合博物館は、広島高等工業学校(原広島大工学部)の卒業生が第2次世界大戦の戦地に赴く際に贈られたとみられる日の丸が米国に住む所有者から寄贈されたと発表した(中国、12.26)

■【JICAだより】広島大大学院国際協力研究科の瀬下岳さんは、海外協力隊の小学校教育隊員としてザンビアの算数教育の質の向上に勤め、現在は同研究科において、ザンビアの算数の研究を続けている(中国セレクト、12.27)

■広島大は東広島キャンパスに植えられている全ての樹木の種類や大きさを調査し、研究報告をまとめる取り組みを進めている。一部の木にはQRコード付きプレートを設置し、スマートフォンなどから同大ウェブサイト「デジタル自然史博物館」にアクセスし生態が学べるようになる(中国、12.28)

■30日、放射線研究所と広島大原爆放射線医科学研究所は、共同で原爆被害や研究の歩みに関わる資料をデジタル保存し、データベースを構築して「デジタル・アーカイブズ」をつくる方針であることが分かった(中国、12.31)


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