令和3年3月

■広島大大学院人間社会科学研究科の若松昭彦教授(特別支援教育学)たちのグループが、学級会をテーマにした絵本「みんなたいようの学級」を作った。子どもが主体となってクラスの問題を話し合う学級会などの特別活動について学べる(中国、3.1)

■太平洋戦争中に広島文理科大(現広島大)で学んだ南方特別留学生が過ごした「興南寮」の水彩画を、近くに住んでいた尾崎稔さんが完成させた(中国、3.1)

■1日、広島大は任期満了による附属東雲小・中校長の後任に同大の松浦武人教授を選んだと発表した。また、附属幼稚園長に七木田敦教授を選んだ(中国、読売、3.2)

■2日、広島大の三浦正幸名誉教授が座長を務める広島城のあり方を考える有識者会議は、広島市に対し天守閣の木造復元を目指すように求める意見書をまとめた(中国、読売、3.3)

■2月27日、新型コロナウイルス患者の治療に奮闘する医療従事者を激励しようと、J1サンフレッチェ広島の城福浩監督、佐々木翔選手、荒木隼人選手らが広島大病院を訪問した(読売、3.3)

■コロナ禍で経営難に苦しむ大学生協が、学生や教職員ら組合員に求める「出資金」を増額する例が相次いでいる。広島大消費生活協同組合も20年度決算が約1億6000万円の赤字の見通しで、新入生と新採用の教職員の出資金を5,000円増の20,000円に引き上げる(読売、3.3)

■3日、県内で新型コロナウイルスの変異株と疑われる検体が見つかったことについて、広島大大学院の田原栄俊教授(細胞分子生物学)は「感染力の強い変異株の広がりを抑えることは重要。個人の取るべき予防行動は変わらない」と話した(中国、3.4)

■福山市鞆の浦で江戸時代に保命酒を醸造・販売した中村家の13代目中村弘さんが、同家に伝わる文書など1,158点を鞆の浦歴史民俗資料館に寄贈した。資料館は以前から同資料を寄託されており、広島大の青野春水名誉教授(日本近世史)(1月死去)らに調査・研究を依頼、「鞆の津・中村家文書目録」にまとめている(朝日、3.4)

高校人国記 広島大附属高校⑤卒業生には経済界をけん引している人も多い。同高同窓会・全国アカシア会の会長でもあるネットトヨタ中国の槙本良二社長、広島東洋カープの松田元オーナーらを輩出している(中国セレクト、3.5)

■広島大の学生ボランティア団体アイリスが、東京電力福島第1原発事故で一時、全村避難を余儀なくされた福島県葛尾村の復興を後押ししている。6〜13日、村の現状を伝える写真展を広島市内のカフェ「ハチドリ舎」で開く(中国、3.6)

■5日、医療従事者向けの新型コロナウイルスのワクチンの優先接種が広島県内で始まった。広島大病院など31施設が、自施設の職員たちを対象に順次、接種を進める(中国、3.6)

■5日、東広島市は外国企業の誘致を支援する日本貿易振興機構(ジェトロ)と経済産業省の「対日直接投資サポートプログラム」に選定された。同市では昨年11月、広島大のキャンパスに海外企業誘致の知識を持つジェトロ職員が出入りする拠点が設置されている(中国、日経、3.6)

■芝生や植樹を荒らすイノシシの生態をデジタル技術で分析する実験が、尾道市の県立びんご運動公園で進んでいる。広島大などのグループは、植生と地形データ、出没情報をドローンやトレイルカメラを駆使して収集し、チリ情報システムを使って地図上に表示するほか、出没が多い場所の要因などをAI分析する(中国、3.8)

■7日、広島大平和センターと広島平和記念資料館は、広島国際会議場において市民公開講座「次世代への被爆体験継承〜誰の視点で語るのか〜」を開催した。同センターのファンデルドゥース・ルリ准教授は「記録と記憶の更新を止めないことが継承につながる」と訴えた(読売、3.8)

■倫理的・法的・社会的課題「ELSI」への相応や責任ある研究・イノベーション(RRI)が課題となっている。広島大の小林信一副学長は「(人文・社会科学系の立場から連携を)実際に担える研究者は多くないと明かす(日経、3.8)

■8日、中国地方の国立大17校のうち広島大など6校で前期入試の合格発表があった。広島大は昨年に続き、東広島・霞・東千田の各キャンパスで合格者の掲示板の設置を見送った(中国、3.9)

■広島大も参加する10大学の研究グループは、2021年春にも超高速画像処理技術を利用し事業化を目指すための新組織「高速ビジョン研究開発ハブ(仮称)」を立ち上げる(日刊工業、3.9)

■13日、今春で同大大学院を退職する広島大大学院人間社会科学研究科の高谷紀夫教授(文化人類学)の講演会が同町のジミー・カーターシビックセンターで行われる。高谷教授は1999年から、町内の須佐神社の例大祭の民俗調査などでほぼ毎年訪問し、約20年間、三次市甲奴町の住民たちと交流を深めてきた(中国、3.10)

■9日、文部科学省は中央教育審議会の新しい委員14人を含む29人を11期の委員に任命した。広島大の越智光夫学長が新しく委員に選ばれた(日経、読売、朝日、3.10)

■12日、国公立大の2次試験の後期日程が始まる。広島大は募集266人に対して、志願者数1,964人、倍率は7.4倍だった(中国、3.11)

■10日、男子プロバスケットボールB1の広島ドラゴンフライズはゼネラルマネジャー(GM)に岡崎修司さん(広島大)が就任した(朝日、3.11)

■10日、広島大東広島キャンパスで自動運転サービスの走行実験に使う車両が現地で披露された。15日から運用を開始する(中国、3.11、日経、3.12、朝日、3.13)

■観光プロモーションのプライム・スタイルが広島市内のグルメや宿泊施設などの観光情報を中国語圏向けに紹介する動画を作り、インターネットで公開している。動画作りは、広島大や広島修道大の中国、台湾の留学生や卒業生7人が中心となり昨夏から取り組む(中国、3.12)

■福島の原発事故の健康影響を調べる「県民健康調査」も取り仕切る広島大の神谷研二副学長(放射線障害医学)が、福島の現状や調査の結果、課題などを語った(中国、3.12)

■広島大病院の坂井純治医師は、2018年春の開設時から毎月一週間、福島第1原発がある双葉郡一帯の2次救急を担う「福島県ふたば医療センター付属病院」で勤務を続けている(中国、3.12)

■12日、国公立大の2次試験の後期日程が始まった。広島大は657人が受験し、欠席率は66.5%だった(中国、3.13)

■広島大の越智光夫学長と佐藤利行副学長が中国の様々な故事を紹介した『胡蝶は夢の中なのか 知っておきたい中国故事』(中央公論新社)を出版した。現代に伝わる様々な故事の由来を解説し、それぞれに医学者の越智学長と中国文学者の佐藤副学長による考察が書かれている(読売、3.14)

■【フォーカス】大河ドラマ「西郷どん」などに出演した俳優の迫田孝也さん(広島大卒)は、現在日曜劇場「天国と地獄」(TBS)に出演している(毎日、3.14)

■15日、広島大病院の佐伯昇准教授(麻酔蘇生学)が自動車部品製造のエイチアールイーと連携して開発した新型コロナウイルス患者の飛沫から医療従事者を保護する使い捨てエプロン『飛沫プロテクタ』を同大霞キャンパスでお披露目した(中国、3.16、産経、3.19、読売、3.24)

■15日、広島大と東広島市などは大学構内で運行実験を始める自動運転シャトルバスを初公開し、試乗会を開いた。運行実験は15日から8月末まで学生や教職員らを対象に行い、9月からは大学外の商業施設までコースを延ばし、公道での走行実験も始める(毎日、3.16、産経、3.18、読売、3.25)

■広島大の原爆放射線医科学研究所の実験棟が完成し、4月から運用を始める。国内有数の放射線照射装置や原子力災害時の対応を学ぶ訓練機能を有している(中国、3.17)

■2019年に参院選広島選挙区で大規模買収事件が起きたことを受け、広島県議会で政治倫理審査会が始まった。広島大大学院の新井誠教授(憲法)は政治倫理審査会の役割について「政治責任を解消する場、政治的な儀式になって身内びいきになってはならない」と話した(中国、3.17)

■16日、広島大の山根友美研究員らのグループが若者世代は年上の世代に比べ「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に向け積極的に行動するとの調査結果を発表した(読売、3.17)

■広島大大学院の片桐清文教授と北海道大大学院鱒渕友治准教授の研究グループは、金属酸窒化物を安価な尿素を使って色を制御し安全に合成する方法を発見した。今後は多色化を進め、環境にやさしい色材として、有害性から使用が制限されている無機染料の代替を目指す(日刊工業、3.17)

■【病院の実力】主な医療機関の2019年の血管の病気治療実績が公開された。広島大病院は腹部大動脈瘤のステントグラフ内挿術が33人、腹部大動脈瘤の人工血管置換術が16件、閉塞性動脈硬化症の治療が32件、重症下肢虚血治療の実施は有りだった(読売、3.17、3.28)

■東広島市や広島県などでつくる「ブランド地鶏開発振興協議会」は2021年度、広島大の研究力を生かして独自開発した地鶏の生産を本格化させる。同大発のベンチャー企業が初期の生産を担い22年度からの出荷を目指す(中国、3.18)

■広島大の田代聡教授と同大病院の今野伸樹医科診療医らのチームが、食道がんを治療する化学放射線治療の副作用が血リンパ球の染色体異常数から予測できる可能性があることを解明した。個人の放射線感受性に基づいた放射線治療の個別化につながるとして期待される(日刊工業、3.18、中国、3.24)

■18日、東広島市議会は副市長に、広島中央環境衛生組合副管理者の前延国治氏(広島大卒)を充てる選任案に同意した(中国、3.19)

■20、21日、東広島市の芸術文化ホールくららにおいて、広島大の折り紙サークルHi-ORU(ハイオール)と伊達文香さん(広島大卒)が社長を務める服飾制作販売会社のイトバナシの共催で、現代風の創作折り紙とインドの伝統刺繍を集めた展示会が行われる(中国、3.19)

■18日、桜の見ごろ時期が近づく中、広島市やその近郊では花見イベントを中止にするところがある一方、対策を講じたうえで再開する動きがある。広島大病院感染症科の大毛宏喜教授は「多くの人がまだ新型コロナのワクチン打っていない。飲食を伴う花見はもう一年我慢してほしい」と呼びかけた(中国、3.19)

■19日、広島大は国立特別支援教育総合研究所と包括連携協定を結んだ。同大東広島キャンパス内に同研究所のが初の地方拠点を設け、特別支援教育の研究や教員向け研修に取り組む(中国、3.20)

■19日、広島大は同大大学院先進理工系科学研究科の50歳代の男性教授を停職3か月の懲戒処分とした。都内でタクシー運転手と口論の末、フロントガラスを壊し逮捕され不起訴となった(中国、読売、3.20)

■【釣りのススメ】広島大大学院の海野徹也教授が、潮流を利用したタイやチヌ釣りについて解説した(中国セレクト、3.20)

■20日、福山通運本社において中国で日本語を学ぶ学生による「第15回日本語スピーチコンテスト」(広島大北京研究センター、首都師範大日本文化研究中心主催)が開催された。オンラインで中国と結び、5人がスピーチを行い、上海外国語大学の李越さんが優勝した(中国、3.21)

■【語りたい伝えたいヒロシマ】広島大の和泉芹那さんは「平和サークルひろしま」を結成し、戦争と原爆について若い世代にもっと興味を持ってもらえるような活動を行っている(読売、3.22)

■22日、全国の大学で新型コロナウイルスに感染するなどして2次試験を欠席した受験者向けの追試験が実施された。広島大では対象者4人のうち工学部と理学部の各1人が受験した(中国、3.23)

■広島大の研究グループが新型コロナウイルスのPCR検査に使う検体の前処理の速度を上げる機器を開発した。手作業の4、5倍の速度での自動処理が可能になる。同大大学院医系科学研究科の田原栄俊教授は「新型コロナの『第4波』の懸念もある中、安全で迅速な検査で社会貢献したい」と話した(中国、3.23、日刊工業、3.24、産経、3.26)

■23日、広島大の卒業式が東広島市の東広島運動公園体育館と東広島キャンパス内のサタケメモリアルホールの2会場で実施された。学部生と大学院生で会場を分けた。各会場とも保護者の入場を取りやめ、動画サイトで式の様子を配信した(中国、読売、3.24)

■22日、東広島市が内閣府の「SDGs未来都市」に選ばれたのを受け、高垣広徳市長と市内の4大学の学長が意見を交わす懇談会を開催した。広島大の越智光夫学長は、キャンパス内で地中熱など再生可能エネルギーを活用する計画を説明した(中国、3.24)

■【新社長】◇パラカ◇内藤亨氏(広島大政経卒)、3月24日就任(産経、日経、3.25)

■被爆地の広島・長崎両市の市民団体「高校生平和大使派遣委員会」は平和大使のノーベル平和賞受賞に向けたアピールのため、広島大附属高1年の生徒を含む高校生4人をノルウェーへ派遣することを発表した(中国、3.26)

■【新社長】◇広島化成◇宮地幹治氏(広島大経卒)、4月1日付で社長に就任(日刊工業、3.26)

■「世界大学ランキング」を発表している英教育専門誌のタイムズ・ハイヤーエデュケーションは、2021年日本版のランキングを発表した。広島大は昨年の12位から10位にランクランクアップした(日経、3.26、中国セレクト、3.27)

■広島市立病院機構は、広島市民病院の院長に広島大副学長で同大学院医系科学研究科の秀道広教授を充てる人事を発表した。同病院の院長に広島大出身者が就任するのは開院以来初めて(中国、3.27)

■26日、文部科学省は国立10大学11学部で新入生の2次募集を行うと発表した。広島大は医学部で募集を行う(中国、3.27)

■国のGIGAスクール構想を受け、中国地方の多くの小中学校は4月より生徒1人に対し1台の情報端末を備えた授業を始めるが、教員の指導力の差による教育格差や子供にどこまでの端末機能の使用を認めるかといった課題もある。広島大教育ヴィジョン研究センターの草原和博センター長は「端末は情報収集やドリル学習での活用は本質ではない。教育の質を変える契機にしてほしい」と話した(中国、3.29)

■28日、任期満了に伴う三原市議選が告示された。住田誠氏(広島大卒)をはじめ現職の21人と村上孝治氏(広島大大学院卒)をはじめとする新人7人の計28人が立候補した(中国、3.29)

■【ずばりきかせて】4月1日、被爆者の健康影響などを調べてきた広島大原爆放射線医科学研究所は設立60年を迎える。同研究所の田代聡所長は「被爆者の医療に関する資料は紙のものが多く劣化が進んでいるので、保存対策を行うことは急務である」と話した(中国、3.31)

■4月16日まで、広島大医学部医学資料館において、同大原爆放射線医科学研究所の設立60年を記念する所蔵資料展が行われる。久保田明子助教は展示に際し「身近な建物や市民の被害状況が伝わる資料を選んだ」と話した(中国、3.31)

■30日、広島大は理学部長及び大学院理学研究科長に副学部長の黒岩芳弘氏(物性物理学)を選んだと発表した。いずれも任期は4月1日から2年間(中国、3.31)

■広島大や東広島市などが共同で進めていた独自のブランド地鶏の名称が「東広島こい地鶏」に決まった。新年から本格的に生産を開始する(読売、3.31)

■広島大陸上部同窓会が1949年の創部以来の歩みや記録をまとめた「広島大学陸上競技部70年史」を発行した。編集の中心を担った東川安雄委員は「伝統ある広大陸上部の歩みを一度まとめたかった。若い世代に新しい歴史を紡いでいってほしい」と述べた(中国セレクト、3.31)


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