令和3年4月

■41年間、広島電鉄で電車事業一筋を過ごした中尾正俊氏は2008年に常務を退くまでLRTなどの新車両導入に取り組んだ。退任後は広島大大学院に進学し、高齢化の進む団地の交通マネジメントについて研究した。現在は栃木県宇都宮市と同県芳賀町を結ぶLRT導入モデルの整備で陣頭指揮を執っている(中国セ、4.2)

■3日、広島大は東広島運動公園体育館などで入学式を2年ぶりに開催した。新型コロナウイルスの感染対策のため、入場者を新入生に限り、学部生と院生の会場を分けて開催した(中国、4.4)

■広島大の研究グループが新型コロナウイルスのPCR検査に使う検体の前処理を自動化する世界初の「COVID19検査前処理自動機」を開発したと発表した。同大大学院医系科学研究科の田原栄俊教授は「自動機を使えば安全で正確かつ人員をかけずに検査ができる」と話した(毎日、4.4)

■4日、三原市議選挙の投開票が行われ、現職の住田誠氏(広島大卒)をはじめ25人が当選した(中国、4.5)

■県内における自殺者の人数は減少傾向にあるが、若者の自殺者数は減少していない。臨床心理士・公認心理士の広島大学の岡本裕子名誉教授は「悩んでいる人には『心配している』と伝えてほしい。相談を抱えきれないと感じたら専門家につないでほしい」と話した(中国、4.5)

■広島大脳・こころ・感性科学研究センターは、コロナ禍で増加が懸念されるうつ病などの精神疾患をAIやデジタル技術を使って症状の緩和や発症の低減を目指す「メンタルヘルスDXプロジェクト」を開始する。個人のストレス状況や脳活動を見える化し、患者のケアに当たる(日刊工業、4.5)

■広島駅弁当は、広島大と共同で高齢者や企業向けに生活習慣の予防・改善につながる弁当「明日の食卓」を発売した(日刊工業、4.5、中国、4.23)

■谷口幸男(たにぐち・ゆきお=ドイツ文学、広島大名誉教授)3日、死去。91歳(中国、4.6)

■広島大や東広島市などが共同で進めていた独自のブランド地鶏の名称が「東広島こい地鶏」に決まった。来年からの出荷を目指す(朝日、4.6)

■【この人】広島市民病院の院長に広島大学医学部出身の秀道広さんが就任した。岡山大出身者が歴任してきた院長を広島大出身者が担うのは初めて(中国、4.6)

■5日、1945年の福山空襲で焼失した福山城の天守の鉄板張りの一部とみられるものが現存していることが分かった。広島大の三浦正幸名誉教授は「寸法や仕様が天守に施されたものと酷似し、瓦とともに保存されていたことから本物とみて間違いない」と話した(中国、4.6)

■広島県での参議院再選挙を前に起きた河井克行被告の大規模買収事件について、広島大大学院人間社会科学研究科の川口広美准教授(社会教育学)は「なぜ起こったのかを追求し、市民の側にはどのような責任があるのかを再確認することが次への教訓になる」と話した(中国、4.7)

■【スポーツライター】3日、広島六大学野球春季リーグが開幕し、広島大は初戦を快勝した。近畿大と同率2位の広島大は13安打で11点を奪う猛攻を見せた(毎日、4.8)

■7日、広島市の松井一実市長は広島大原爆放射線医科学研究所などが所有する被爆者の医学面の調査・研究資料について、アーカイブ化の取り組みを国に働き掛ける考えを示した(中国、4.8)

■参議院広島再選挙に大山宏氏(広島大理学部卒)ら、6人が立候補している(中国、4.9)

■浦上奨学会は、新型コロナ感染拡大によって経済的に就学が困難な大学生に給付する奨学金を新設した。対象となるのは広島県内出身で広島大や岡山大など奨学会が指定する全国22校に在籍する学生(中国、4.11)

■広島大病院の佐伯昇准教授(麻酔蘇生学)が自動車部品製造のエイチアールイーと連携して、新型コロナウイルス患者の飛沫から医療従事者を保護する使い捨てエプロン『飛沫プロテクタ』を開発した(毎日、4.11)

■三村昌恭(みむら・まさやす=広島大名誉教授、現象数理学)8日、死去。79歳(中国、4.14)

■14日、東広島市が市内3カ所で進める交通結節点の整備事業のうち広島大東広島キャンパス北側の待合施設について、同大大学院生たちがコンセプト案をまとめ、高垣広徳市長に説明した(中国、4.15)

■東広島市選管は、若い有権者の選挙への関心を高めるための小冊子「東広島市の未来につなぐ 選挙ガイドBOOK」を作った。冊子は市内すべての高校や特別支援学校、広島大の新入生の一部に配布する(中国、4.16)

■男性が8割を占める医師の世界でジェンダー平等に向けた変化の兆しがある。日本眼科医会会長は白根雅子医師(広島大医学部卒、同大学病院眼科を経て開業医)が務めている(毎日、4.16)

■広島大の新福洋子教授が、世界保健機関(WHO)などが選ぶ「世界の卓越した女性看護師・助産師のリーダー100人」に日本から唯一選ばれた。新福教授は母子保健医療の専門家として10年以上タンザニアに通い、人材育成に尽力してきた(毎日、4.16)

■広島県警のサイバー犯罪対策テクニカルアドバイザーを務める広島大副学長の相原玲二教授(情報工学)が、インターネットでの情報流出のリスクやセキュリティーの課題について話した(中国、4.17)

■広島県慢性期医療協会と広島大は、広島東洋カープ元監督の達川光男さんらが声で応援する介護予防のためのパンフレット「いきいきとした私の暮らし応援ガイド」を作成した。同大大学院の石井伸弥教授(老年医学)は「新型コロナウイルスの影響で出歩きにくいこの時期こそ活用してほしい」と呼びかけた(中国、4.18)

■広島大の学生ボランティア団体「アイリス」が、2011年の東京電力福島第1原発で被災した福島県葛尾村の「今」を伝える写真展を東広島市志和町志和堀の私設図書館「ほたる荘」で開催している(中国、4.19)

■19日、広島大はエジプトのガララ大と教育協力に関する合意書の締結式を同大東広島キャンパスと現地をオンラインで結び、開催した。越智光夫学長は「大学が進める国際化の一環。世界で活躍できる人材づくりに取り組みたい」と話した(読売、4.19、中国、4.21)

■19日、広島市は身近な地域で質の高い医療などを提供するため「高度医療・人材供給拠点」整備の検討に入る方針を固めた。人材供給の分野では広島大病院との連携を想定し、医師不足が進む中、若手医師たちを総合診療医として地域に送り出せる体制を整える(中国、4.20)

■広島市の調査で、新型コロナウイルスの影響で市民の半数近くが憂鬱な気分を抱えているという実態が明らかになった。同市うつ病・自殺(自死)対策推進連絡調整会議会長を務める広島大の山脇成人特任教授(精神医学・脳科学)は「コロナのストレスが心の健康に深刻な影響を及ぼしていることが明らかになった。早急に手を打つ必要がある」と話した(中国、4.20)

■19日、東広島市はAIやビッグデータを活用した内閣府の未来型都市構想「スーパービッグシティ」の申請をしたと発表した。市の構想では、広島大東広島キャンパス周辺を主な対象地域とし、商業施設にオンライン注文した商品が、自動運転車両で発注者のもとに届くサービスを描く(中国、4.20)

■18日、三次市作木町岡三渕の住民らが主催する「岡三渕の景観づくりを進める会」が手打ちそばなどふるまうイベントを開催した。広島大附属小の生徒は「普段見られない植物や動物を観察できてうれしい。違う季節にも来てみたい」と話した(中国、4.21)

■【生きて再録①】松村久さんは広島大在学中に貸本屋をはじめ、その後古書店「マツノ書店」を営んだ。古書店を営む傍ら、幕末期の文献など270点を復刻出版していた(中国セレクト、4.21)

■24日、市民協働センターにおいて、 東広島歴史楽会講演会「ツーリズムと厳島神社~近代の厳島と文明その3」が行われる。講師は広島大の勝部眞人名誉教授が務める(中国セレクト、4.21)

■東広島市志和町志和堀にアトリエを置く服飾制作のイトバナシが志和堀を盛り上げようと、地区内に借りた古民家で23~25日に期間限定のショップを開く。同社は社長の伊達文香さん(広島大学大学院修了)は「志和堀の町並みと伝統的な刺繍の良さを感じてもらい、地域に根差した店舗の開設につなげたい」と意気込みを話した(中国、4.21)

■【ヒロシマの空白】 兵庫県教育センターが1983年にまとめた「平和教育のための脚本集」に、被爆当時旧制広島高(現広島大)の2年だった増川勲さんが、広島二中(現観音高)1年で被爆死した弟の忠さんの最期をつづった手記が収められており、かつて増川さんと同僚だった桐藤さんが同冊子を平和記念館に寄贈した(中国、4.22)

■広島大未病・予防医科学共創研究所と共同で開発した在宅高齢者向けの日替わり宅配弁当を配送する事業を始めた広島駅弁当の中島和雄社長は、開発した弁当について介護が必要になる手前の状態を示すフレイルを予防するため、栄養素もバランスよく毎日食べ続けられるおいしさを目指したと話した(中国、4.23)

■【生きて 再録④】マツノ書店店主の松村久さんは、終戦後徳山高へ編入し、その後広島大に合格。大学時代、貸本屋を始めた(中国セレクト、4.24)

■【生きて 再録⑤】マツノ書店店主の松村久さんは、広島大学入学後から「マツノ読書会」の設立までの苦労を当時の貸本文化とともに語った(中国セレクト、4.25)

■【研究室発】広島大学大学院統合生命科学研究科の堀内治幸教授(免疫生物学)はゲノム編集技術を活用し、低アレルゲン卵を産む鶏の開発を進めている。堀内教授は「ゲノム編集は組み換えに比べて遺伝子を傷めない。低アレルゲン卵の実用化をきっかけに、他の研究への理解も広めたい」と話した(中国、4.26)

■【生きて 再録⑥】マツノ書店店主の松村久さんは、広島大学在籍4年目に父の書店の半分を使って開業した「マツノ読書会」の当時では珍しい若者に焦点を合わせた貸本屋について語った(中国セレクト、4.27)

■【キャンパスリポーター発】広島大が地元の賀茂泉酒造や広島東洋カープとコラボしたグッズが、東広島市ふるさと納税の返礼品に加わった。畑尾武海広報部長は「広島大と東広島市を応援できる良い機会」と話した(記事:4年・間世田桜子)(中国、4.28)

■5月3日、安芸区民文化センターで打楽器ワークショップ修了コンサート「パーカッションアンサンブルコンサート」が行われる。打楽器ワークショップの講師・受講生、エリザベート音楽大・広島大・広島文化学園大の打楽器専攻生有志、西日本打楽器協会員が出演する(中国、4.28)

■【さあ!出番】福山市にあるゴムメーカー広島化成の宮地幹治新社長は、社長就任発表前日の3月23日に広島大学経済学部の社会人コースを卒業した。自分の中の幹のようなものを育てたかったことから同大に進学していた(日刊工業、4.28)

■市村清新技術財団は第30回植物研究助成の助成先として『カリウム肥料資源の節約が可能なイネ新品種に関する研究』(上田晃弘・広島大学大学院統合生命科学研究科准教授)を含む23件を決定した(日刊工業、4.28)

■英教育専門誌タイムズ・ハイヤー・エデュケーションが発表する「世界大学ランキング」の「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成度を見る分野で、広島大は東京大や京都大など5大学と並んで国内トップの評価を受けた。越智光夫学長は「社会貢献で高い評価を得られたのはうれしく思う」と話した(中国、4.28)

■【春の叙勲】◇瑞宝双光章◇山本雅子(元広島大病院看護部主任看護師長)、◇瑞宝中綬章◇紺谷浩二司(広島大名誉教授)(中国、日経、毎日、産経、4.29)

■県内の大学の多くが、今期、昨年に比べて1年生がキャンパスに来られるように対面授業を増やしている。広島大は、授業の8割を対面に戻した一方で発声を伴う語学は原則として完全オンラインを維持している(中国、4.29)

■28日、広島大大学院の大段秀樹教授(消化器・移植外科学)は新型コロナウイルスについて、特定の遺伝子を持つ人は持たない人に比べて4~7倍ほど重症化のリスクが高い可能性があることが分かったと発表した。大段教授は「PCR検査で陽性になった時点でリスクを判定できるようにしたい」と話した(朝日、4.30)


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