令和3年8月

■【グローバルヒバクシャ】1994年に開かれたアジア大会では公民館単位で参加国を応援する「一館一国運動」が展開され、広島市在住の小畠知恵子さんの地区はカザフスタンの担当となった。カザフが核実験で深刻な被害が残っていることを知った小畠さんらは当時広島大原爆放射線医科学研究所で客員教授をしていたカザフスタンの小児科医のナイラ・チャイジュヌソワさんを講師に招き講演会を行った(朝日、8.1)

■31日、広島県内の大学や専門学校で学ぶ留学生を対象にした日本語スピーチコンテストが開催され、広島大の洪丞昱さん(韓国出身)が佳作に選ばれた(中国、8.1)

■下着の色を白に指定するなど人権侵害につながりかねない校則への問題意識が高まっている。広島大大学院人間社会研究科の粟原慎二教授(生徒指導・教育相談)が生徒指導の目標など校則のそもそもの目的について話した(中国、8.2)

■広島大はキーワードを入力するだけで関連する研究者や研究内容が分かる検索システム「研究者ガイドブック」の運用を開始した。このシステムによって同大に所属する教授から助教まで約1,900人を検索できる(日刊工業、8.3)

■家電量販店のエディオンは広島大大学院人間社会科学研究科の川田和男准教授と共同でプログラミング教育に適した教材の開発を始める(中国、8.3)

■広島大大学院社会科学研究科に所属する山本笑里さんは、同大の留学生に日本の就職先を紹介する会社を起業した(日経、8.5)

■広島・長崎への原爆投下から76年となる中、被爆の実態を伝える資料のデジタル化が進んでいる。広島大は2020年から被爆間もない時期に原爆犠牲者から一部を採取した組織標本のデジタル化を行っている(日経、8.5)

■広島大大学院生の嘉陽礼文さんは中学生の時の修学旅行で広島を訪れ山岡ミチコさんから証言を聞いた際「元安川に眠る原爆瓦には熱戦で苦しんだ人の魂がこもっている」と教えてもらった。2002年に広島大に入学して以来500個以上の原爆瓦を集め、海外の大学にも寄贈している(朝日、8.6)

■オバマ大統領(当時)が現職の大統領として初めて広島を訪れた日から5年が経った。英語で手紙を書きオバマ氏の訪日前に米国大使館を通じて手紙を送った当時高校生の作原愛理さん(現広島大)は平和公園を訪れる人たちに被爆者の体験を伝える活動を行っている(日経、8.6)

■【交遊抄】関西大の前田裕学長は、広島大デジタルものづくり教育研究センターの大松繁特任教授から受けた影響について話した(日経、8.6)

■新型コロナウイルス感染拡大の影響で全国の学校では修学旅行の取りやめが相次ぎ、代替案としてオンラインで学校の教室と修学旅行の予定地をつなぐなど様々な工夫が取られている。広島大平和センターのファンデルドゥース・ルリ准教授は「対面して学ぶことと併用すれば十分に役立つ」と評価している(毎日、8.6)

■6日、広島大附属中・高等学校原爆死没者・戦没者慰霊追悼の集いが行われ、生徒と教職員の計40人が慰霊碑の前で黙とうを捧げた(中国、8.7)

■広島大医学部の前身である広島県立医学専門学校は1945年の8月5日に開校。空襲の危険を感じた当時の校長の判断によりその日の夜に学生の大半が安芸高田市の高林坊へ集団疎開し、原爆を免れた。広島医専1期生の大半が亡くなっている今、高林坊住職の福間高顯さんは「この寺に疎開し苦労しながら広島の医学と医療の歴史を紡いできたことを今の若い人にも知ってほしい」と話した(中国、8.7)

■【釣りのススメ】広島大大学院の海野徹也教授がチヌ釣りの撒き餌について解説した(中国セレクト、8.7)

■原爆死没者慰霊碑に徳島県遺族代表として献花した黒木律子さんは父・増田晃さんから2007年に手記を渡された。そこには晃さんが8月6日に広島文理科大(現広島大)の下宿の建物の倒壊でけがを負って似島に運ばれたこと、助けてくれた女性への感謝、助けられなかった人への心残りなどが書かれてあった(毎日、8.7)

■【はやぶさ2の贈り物⑧】広島大の薮田ひかる教授は有機物の解析に取り組んでおり、地球の物質をから太陽系が誕生した当時の有機物の組成が明らかになる可能性がある(日経、8.8)

■NPO法人「日本乗馬普及協会」は、引退した競走馬の生きる道を広げるため引退競走馬が多く活躍する全日本馬術大会への協賛金をクラウドファンディングで募っている。広島大馬術部所属の全8頭が競走馬出身である。同大工学部の荒川竜芳主将は「引退競走馬が一頭でも助かるように、できることは協力したい」と話した(読売、8.9)

■広島大とあいおいニッセイ同和損害保険は、共同で新型コロナウイルス禍で定着したテレワーク中に気分転換を図れる体操を共同で開発した。初級編、中上級編、着座版の3種類を動画サイト「YouTube」上で7月下旬より配信している(中国、8.9)

■9日、第62回県吹奏楽コンクール7日目が行われ、大学部門で広島大は金賞を受賞し、中国大会出場を決めた(朝日、8.9)

■【地域と産業①】8月上旬、広島大で本年度より開講した教養科目「地域おこし実習」の初回が行われた。本講義は市内をフィールドに実際に街に何度も通って地域課題の解決策や起業案を考える(中国、8.10)

■【専門医が診る】宮本形成外科の宮本純平院長(広島大病院形成外科勤務を経て現職)が、あざについて、レーザー治療などできれいに消せることが多いと話した(中国、8.11)

■広島大スタートアップのGallus JAPAN(ガルス・ジャパン)は、年内にも広島大の研究室から生まれた肉質のよい鶏を元にした東広島産の地鶏の生産を始める(日経、8.12)

■今年度の東京大国語入試問題は人類学者で広島大大学院人間社会科学研究科の松嶋健准教授の論考「ケアと共同性-個人主義を超えて」から出題された(朝日、8.12)

■ベストオブミス広島県大会2021のミスユニバーシティ部門で、広島大大学院人間社会科学研究科の松原美由さんがグランプリに輝いた(プレスネット、8.12)

■【地域と産業③】2018年、広島大の学内にコベルコ建機との共同研究機関「コベルコ建機夢源力共創研究所」が開設された。同大大学院の山本透教授は資金を確保しながら、知見を地場産業に還元できるメリットを語った(中国、8.13)

■18日、広島大はオンラインシンポジウム「ジェンダード・イノベーション(性差分析に基づく技術革新)」を開催する。同大の相田美砂子学長特命補佐や米・スタンフォード大のロンダ・シービンガー教授らが登壇する(中国、8.14)

■県内でも新型コロナウイルスの従来株から感染力が強いデルタ株への置き換わりが急速に進んでいる。広島大大学院の坂口剛正教授は「細胞を使った実験でもデルタ株の感染力の強さは明らかだった、感染拡大を抑えるには人流を抑えるしかない」と話した(中国、8.14)

■長引く大雨の中、17日には最大150人超えの住民が身を寄せる避難所もあった。命を守る避難と避難所での新型コロナウイルス感染防止の両立という課題に地域は直面している。広島大大学院の田中純子教授(疫学・疾病制御学)は「避難所は密になるからと自宅にとどまらず、危険を感じたら早めに避難してほしい」と話した(中国、8.18)

■16日夜、呉市など県内で撮影された映画「孤狼の血LEVEL2」の白石和弥監督と広島大の学生がオンライン座談会で交流した。主人公が同大出身の設定にちなみ、配給会社東映と学生たちが企画した(中国、8.18)

■東朋テクノロジーは、顕微鏡を用いる手術の支援ロボット「iArmS MⅡ」の初号機を広島大病院に納入した。同大病院の光嶋勲特任教授の協力を得て、子会社のダイトーマイテックが開発した(日刊工業、8.19)

■【中国新聞LEADERS倶楽部通信】 広島大法学部長の永山博之氏が2022年に行う法学部の東千田キャンパスへの移転について話した(中国、8.19)

■広島大大学院医系科学研究科の加古まゆみ准教授(国際災害看護学)が浸水や土砂災害などをもたらした大雨で被災した高齢者が心身の健康を保つためのポイントの話した(中国、8.19)

■県内の新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない。広島大病院感染症科の大毛宏喜教授は「お盆が始まった頃の人の流入の影響が数字として見え始めた。感染者は今後も増える可能性がある」と話した(中国、8.19)

■記録的な大雨の影響で広島市安佐南区の砂防ダム4カ所がほぼ満杯近くになっている。広島大防災・減災研究センターの海堀正博センター長は「これらの砂防ダムが受け止められる容量は大きく減っている。今後の雨の降り方によっては新たな土石流が発生し、ダムを超えて土砂や濁流が住宅地に流れ込む影響がある」と指摘した(中国、8.19)

■21日、第62回全日本吹奏楽コンクール中国大会の中学校と大学の部が開催され、広島大吹奏楽が10月に高松市で開催される全国大会へ出場する(朝日、8.22)

■第52回近江神宮全国献書大会が行われ、最高賞の文部科学大臣賞(6人表彰)に広島大附属東雲中の生徒が選ばれた(毎日、8.22)

■【映画に映えて】 2018年に公開された酒作がテーマの映画「恋のしずく」は東広島市西条が舞台であり、川栄李奈さんが演じるヒロインの通う大学は広島大東広島キャンパスで撮影された(中国、8.21)

■採用面接やインターンシップなどで学生へのセクシュアルハラスメントが後を絶たない。近鉄ホールディングスは採用面談を複数の担当者で行うことや上司への報告を徹底するなど防止策を打ち出している。広島大ハラスメント相談室の北仲千里准教授は「防止策は評価できるが、ハラスメントが人権侵害であるという社員教育を継続する必要がある」と話した(朝日、8.23)

■夏休み明け久しぶりの登校をしんどいと感じる子どもたちがいる。近年は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う生活の制限など児童生徒の心理に影響を及ぼしている。広島市のスクールカウンセラーを務める広島大大学院の山崎茜講師は「コロナ禍が学校生活の始まりを楽しみに思う気持ちを高めにくくしている」と話した(中国、8.23)

■広島大の生物生産学部と山口大の農学部はスマート農業の分野で生産者や農業機械メーカーを支援する取り組みを始めた。相談窓口は両学部に設置する。中国経済連合会の支援も受け、ロボットや人工知能による課題解決を目指す(中国、8.24)

■新型コロナウイルス感染症で感染力が強い「デルタ株」に置き換わりが起きており、これまでかかりにくとされていた子どもたちの感染が急拡大している。広島大病院の岡田賢教授は学校での集団感染のリスクは認めつつ、一斉休校などの一律対策には否定的な姿勢を示した(中国、8.24)

■県内で新型コロナウイルスの新規感染者数が増加している現状について、お盆の頃に始まった人の流入の影響が考えられる。広島大病院感染症科の大毛宏喜教授は「これ以上の感染拡大を防ぐために各自で外出機会の抑制に努めるようしてほしい」と話した(中国、8.25)

■【学生リポーターが聞く】 広島大は日本人学生8人、留学生9人が参加する国際交流イベント「インターナショナルパーティー」を開催した。オンラインか対面で週1回行われている。はじめは不安そうにしていた学生も、積極的に英語を使うようになる(記事:大学院1年・頼金育美)(中国、8.25)

■銀河学院中学(福山市)3年の生徒が広島大の三浦正幸名誉教授や福山市の支援を受けて、福山城の歴史やその魅力を紹介するリーフレットを作成した。1,000部作成され、天守前広場の展示室にて配布する(毎日、8.25)

■【今を読む】 広島大の藤野次史名誉教授(考古学)が、広島市中区のサッカー場建設予定地で発掘された旧陸軍の遺構群について、遺構の保存とサッカー場の建設の両立する道を市には探ってほしいと持論を述べた(中国、8.21)

■広島大の田原栄俊教授はアスベストが引き起こすがん「悪性胸膜中皮腫」の治療薬開発で自ら起業する。新薬での治験は9月より開始予定(日経、8.25)

■24日、広島大大学院統合生命科学研究科の浅野桂特任教授(分子生物学)たちのグループは、タンパク質の「5MP」が老化に伴う神経性疾患の発症や進行を抑制する働きを持つことが、ショウジョウバエを用いた実験で分かったと発表した。認知症やパーキンソン病などの一部で治療法の開発が期待できる(中国、8.25)

■【識者評論】明治大の勝田忠広教授(広島大で博士号取得)は、日本の脱炭素社会づくりと関係する経産省が公表した新エネルギー基本計画の素案について話した。世界の潮流に合わせて再生エネルギーの導入目標が現行の22~24%から36~38%に変更されたが、原子力については従来のままだと話した(中国、8.25)

■【広島大学の若手研究者に聞く】 広島大大学院人間社会科学研究科の小池真由助教は、擬人化に関する恋愛について研究している(プレスネット、8.26)

■広島県の経済はコロナ後を見据えて動き始めている。広島駅や中心部の再開発が進み、広島大は法学部の東千田キャンパスへの回帰を発表した。学生が街に戻ることで広島市中心部の一層のにぎわいにつながることが期待される(日経、8.26)

■25日、新型コロナウイルスの影響で「生理の貧困」が問題化する中、広島東南ロータリークラブは学生支援のための生理用品432パックを広島大に寄贈した(中国、8.26)

■25日、東広島市は2021年度第一補正予算案を発表した。案の中には困窮する広島大など市内の大学生への米の配布などが盛り込まれた(中国、8.26)

■27日、東広島市は広島大東広島キャンパスで実施した東広島商工会議所と市教育委員会の職域接種で、異物混入が発覚し使用を見合わせた米モデルナ製の新型コロナウイルスワクチンに該当するロット番号のワクチンを約7,000人に使われていたと発表した(中国、8.28)

■広島大はイスラム主義組織タリバンが実権を握ったアフガニスタン在住の修了生や在籍生への支援を検討する特別対策室を設け、関係機関との調整を進め国内での受入態勢を整える(中国、8.28)

■28日、広島六大学野球秋季リーグが開幕した。4季ぶりの優勝を狙う近大は広島大に2-0で勝利した(中国、8.29)

■9月4日、高校・大学での発達障害児の学びの場を考えるオンラインシンポジウムが開催される。国立特別支援教育総合研究所の発達障害教育推進センターの笹森洋樹センター長が基調講演を行い、当事者の親や広島大の准教授らも登壇する(中国、8.29)

■◇バスケットボール◇全国高校選手権予選兼県高校秋季大会【女子】1回戦、尾道47-46広島大附属(中国、8.29)

■福山市の併設型中高一貫校の高校入試の志願倍率が低迷している。教育委員会は「広島大附属福山高の入試とも重なっていることが原因では」と指摘している(中国、8.29)

■ゲノム編集技術の医療応用で遺伝性疾患の治療薬開発に期待がかかる中で、様々な問題も起こっている。異常な遺伝子の一部を切り取る段階で正常な遺伝子を切り取ってしまったり、特許をめぐる争いが起こっている。広島大の山本卓教授は「医薬品として実用化する際には特許のライセンスが重要。特許争いの勝敗によっては企業の開発計画に支障が出る」と指摘した(日経、8.30)

■29日、第100回全国高校サッカー選手権県大会第2日、1次トーナメントの1回戦が行われた。広島大附属は14-0で三原に勝ち2回戦に進んだ(中国、8.30)

■10月4日~11日、広島大は新型コロナウイルスの影響により困窮する学生を支えるため通常350円の食堂の朝食を50円で提供する。9月30日まで同大校友会が中心となりクラウドファンディングで資金を募る(中国、8.31)

■◇バスケットボール◇全国高校選手権予選兼県高校秋季大会【女子】2回戦、如水館85-14広島大附属福山(中国、8.31)

■【医療・健康】肺がん治療の実力病院約470施設で調査された結果が発表された。広島大病院は症例数が216件、生存率係数での順位が調査対象病院の中で2番目の高さだった(日経、8.31)


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