会社法ゼミ紹介(2010年)

教員から

岡田ゼミでは、会社法――会社の運営、形成、再編に関する法的ルール――について2年間で学習します。現代社会においては、多くの人々が取引をし、その株式に投資し、また雇用されるという形で会社との関係を持ちます。こうした現代社会の不可欠の要素としての会社を、法的に分析するのが岡田ゼミの目的です。
2年間のゼミの1年は、会社法のいろいろな領域――たとえば株主総会や取締役といった機関であるとか、株式であるとか、合併などの組織再編であるとか――について、テーマを設定して報告・議論します。もう1年は、会社法の判例――実際に裁判所で出された判決など、先例になるもの――を題材にして、報告・議論を行います。
ゼミの議論を通じて、講義で学んだ会社法の知識を定着させ、活用できるものにすることをめざします。そのために、学生は自主的に調査をし、議論に積極的に参加することになります。
(岡田昌浩)

写真はゼミの風景

ゼミの風景1
ゼミの風景2

学生から

岡田ゼミは先生を含めて10名のゼミです。ゼミの規模としては小さい方ですが、だからこそ誰もがゼミに対して、勉強面でも課外活動面でも、主体的に取り組んでいます。私は特に岡田ゼミでの勉強面について紹介したいと思います。当ゼミでは会社法の分野で先生が用意してくださるテーマを、発表者と質問者に分かれて学んでいきます。発表者は毎回2名、それぞれが担当するテーマを説明できるように準備してゼミに臨みます。ところが、そのテーマは聞きなれない分野であることがほとんどです。その為、発表者は知識的にほぼ白紙の段階から、ゼミの発表日までに皆に説明出来るほどに勉強する必要があります。その際には教科書だけでなく、大学の図書館、また学部内の書庫にある豊富な資料が役に立ち、また、膨大な資料の中から適切なものを選び出す練習にもなります。
この様に発表者はゼミでテーマの説明という役割がありますが、一方で、質問者も当ゼミでは重要な役割を担っています。質問者には発表者から全く馴染みのないテーマについて説明された後に、発表者に対して質問する時間があるのですが、短時間のうちに質問の切り口を考える事、これが案外難しいです。簡単すぎる質問は理解が深まらないし、難しすぎる質問は発表者も答えられないからです。ですが、そういった質問があった際は先生が簡単な質問からより深い質問を、逆に、発表者が質問に対して回答しきれない場合には適切な説明を加えて助けてくださいます。その為、質問者にはもちろん、発表者からしても改めて理解が深まる、そんなゼミだと思います。
私は当ゼミにおいて、学んだ会社法の知識ももちろんですが、それ以上に質問を考える能力が最も培われたものだと思います。先日就職活動を終えましたが、振り返ると、限られた時間で適切な質問を考える事は何度も求められました。ゼミを通して、そうした経験を事前に積む事が出来た事は、今にして思えばとても幸運なことだったと思います。会社法は企業の中の事を学ぶ事が出来る分野です。学生から社会人に移行するこの大学時代に学ぶ分野としてはまさに旬だと思います。
(阿部悠介・平成19年山口県立防府高校卒業)


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