助教 古田 拓也 (FURUTA Takuya)

研究分野、研究テーマ

政治思想史(特に十七世紀イングランド)、政治思想史の方法論(ケンブリッジ学派について)

経歴

2009年9月、慶應義塾大学法学部政治学科卒業、2018年3月、慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程修了、2019年4月より現職。博士(法学)。

学部の教育内容

 授業では主として古代から近代までの西洋政治思想史を取り扱います。授業全体として目指しているのは、参加者の皆さんそれぞれが、政治に関するものの見方を相対化できるようになる、ということです。これに大雑把に言って二つの道があります。ひとつめは、「デモクラシー」や「リベラリズム」といった今日でも使われている諸概念が、どのようなコンテクストから生まれてきたかを知ることによって、そうした諸概念の存在も内容も決して自明のものではないと理解することによってです。もうひとつは、今とはまったく違った過去の時代のものの考え方を学び、それらを「鏡」とすることで、自分の今もっている価値観を問い直すことによってです。

 今現在の問題を考えるために、いったん歴史を経由するのは無駄だと思われるかもしれません。しかし私としては、過去を用いて、現在と距離をとってこそ、何が変えられないのか、何が変わりうるのか、何を変えるべきではないのかといった事柄を冷静に判断できるようになるのではないかと考えています。ラインホルト・ニーバーという神学者のものとされる有名な祈りの文句があります。「変えられぬものを静かに受け入れる優しさと、変えるべきものを変える勇気と、そして、この二つを見分ける知恵を、神よ、われらに与えたまえ」。優しさと勇気は自分で何とかしてもらうしかありませんが、ここでいわれているような知恵を身につけてもらうお手伝いをするのが、私の教育面での目標です。

最近の研究について

 これまでは十七世紀イングランドを中心に、コンテクスト主義的なアプローチによって研究をすすめてきました。特に近代思想と対照されることの多い、絶対主義と呼ばれる思想潮流に関心をもってきました。現在は、このテーマは継続しつつ、イングランドだけではなくアイルランドなどにも視野を広げていきたいと考えています。また同時に、最近は、具体的な政治思想史研究だけではなく、政治思想史という分野がいかなるアイデンティティを有するか、また現代の政治学に対していかなる貢献をなしうるかについても研究をしています。これによって、「昔からそうなっているから」以外の理由で、政治学の一部としての政治思想史を学ぶことにどういった意義があるのかを探ってみたいと考えているためです。


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