教授 鈴木 玉緒(SUZUKI Tamao)

研究分野、研究テーマ

社会学:社会理論、世代研究、家族研究

学部ゼミの教育内容

「社会調査法」「社会学基礎(隔年)」「社会学1(隔年)」などを担当しています。

「社会調査法」は、社会調査士の資格取得に関してはB科目に該当しています。質的調査と量的調査の様々な手法を紹介し、なかでも量的調査を計画し調査票を作成しサンプリングを行って実査に至るまでの具体的な準備や手順などを、主に解説しています。「社会学基礎」は日本の家族の全体像を様々な角度から解説するという内容で、約100年ぐらいのタイムスパンの中で、家族の実態の変化、家族に関する日本人の意識の変化、家族の定義の変化などを追っています。

「社会学1」は、内容としては社会病理学、犯罪社会学、逸脱行動論といった分野にあたり、社会的な相互行為または社会現象として社会病理・犯罪・逸脱を捉えるとどう見えるか、というテーマを扱っています。法律学的なアプローチで見るのとはずいぶん異なっていると思いますが、法学部の中にある社会学という科目のあり方を模索しているうちに、こういう内容に落ち着きました。法学部を出たあと公務に就き、いわゆるストリートレベル官僚(第一線職員)になって活躍する人が多い現状で、社会学的な視点や発想は必要不可欠だと考えています。

大学院の教育内容

「社会構造分析論」を担当しています。毎回特定のテーマについて、関連文献を輪読し、討論しています。英語の文献を読むこともあります。ここ数年のテーマとしては、「アメリカの家族」「虐待と暴力」「社会関係資本」「ケア」などを取り上げました。

また修士論文指導を目的とする「特別研究」では、院生の自主性に任せておお まかな研究内容を決め、最初の一年間で関連論文の渉猟と読み合わせをしながら討論し、だんだん絞っていきます。二年目は夏休み前ぐらいから、修士論文の骨 組みを考えたり、部分的に執筆を開始したりする感じで進めています。年間を通じて定期的に、文献の精読・報告・討論を一緒に続けるうちに、次第にテーマが 深まっていき、研究すること自体が面白くなっていっているように思いますので、指導や教育というより「伴走」という表現がぴったり来ます。

責任をもってきちんと修士論文執筆まで「伴走」できる私のキャパシティは、 毎年一人ずつぐらいですが、院生の皆さんのそういう姿を傍らで見ていることもまた、私にとってはひそかな喜びの一つです。ここ数年のあいだに修士論文をま とめた院生の研究には「教育ママとは何だったのか」「女性無頼派の誕生」「男性の脱暴力プログラムの可能性」「逸脱的ラベルの剥離は可能か」といった内容 のものがあります。

最近の研究について

家族の機能縮小や家族形成自体の減少といった趨勢に伴って起きている、家族の社会病理的な側面に焦点を当てて、「家族を解消する」「家族を壊す」ことの可能性について考えています。具体的には、たとえば児童虐待や高齢者虐待などのように、空間に家族的に蟄居することから発生する現象に興味をもって調べています。

またその一方で、「家族を模索する」「家族を作る」ことの可能性について考えています。具体的には、たとえば里親家族や若者のシェアハウスなどのように、空間を家族的に占有する同居の現象に興味をもって調べています。

二つの作業はいっけん二極分解しているようですが、同じことを別の角度から見ているだけかもしれません。


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