准教授 田中 優輝(TANAKA Yuki)

研究分野、研究テーマ

刑法:被害者の同意や危険引受けなど,被害者の意思が犯罪の成否において有する意義

経歴

1983年生まれ。2012年3月,京都大学大学院法学研究科法政理論専攻(博士後期課程)修了。京都大学助教を経て,2013年4月より現職。

学部の教育内容

刑法(刑事実体法)とは,犯罪の成立要件およびそれに対して科される刑罰を定めた法であり,その中でもとくに犯罪の方を重点的に取り上げて講義している。具体的には,「刑法総論」で犯罪一般に共通する成立要件を,「刑法各論」で殺人や窃盗といった個別犯罪の成立要件を講義し,さらに「刑法応用」(昼間コースのみ)でより発展的な論点を取り上げることにより,刑法に関して学部段階で学ぶべき事項全般を扱っている。演習では,刑法に関する重要判例を検討することにより,講義で学んだ知識を具体的事案に即して考え議論している。

大学院の教育内容

現在開講されている「現代刑法論,同演習」および「刑事システム論,同演習」では,刑法に関する研究論文や雑誌連載を購読し,学部段階よりも掘り下げた検討を加えている。諸外国の法状況を紹介してもらい,比較法的検討を行うこともある。また,受講者の専攻分野・関心に応じて,刑事手続法や刑事政策に関する諸問題を扱う場合もあり,刑事法全般を多角的な視点から考察している。2017年度から開講する「医事刑法論」では,医療過誤,終末期医療,臓器移植などの医療行為において生じる刑法上の諸問題を検討する予定である。

最近の研究について

被害者の同意や危険引受けにより犯罪の成立が否定される場合があるか,あるとすればどのような根拠・範囲で犯罪不成立となるのかを,これまで研究してきた。治療やスポーツ上の行為などの関連領域の研究も進めている。他方で,被害者の意思に反することによって直ちに犯罪の成立が認められるべきでないことも,とりわけ住居侵入や窃盗・詐欺に関して近時議論されている。こうした諸問題を取り上げ,ドイツ法における議論をも参照しながら,被害者の意思が犯罪の成否において有する意義の解明を目指している。


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