
大学院リーディングプログラム機構 機構長メッセージ
現代社会は国境を越えたグローバル化が急速に進む一方で、自然災害の頻発や貧富の差の拡大、後を絶たない地域紛争・テロなど、容易に解の見つからない難題に直面しています。こうした問題には社会・自然・テクノロジーが複雑に絡み合っているため、細分化された一専門分野だけで対応できるものではありません。今こそ全体を俯瞰できる知を備えた人材が求められています。
原爆の惨禍の中から立ち上がった広島大学は「自由で平和な一つの大学」という建学の精神を引き継ぎ、①平和を希求する精神②新たなる知の創造③豊かな人間性を培う教育④地域社会・国際社会との共存⑤絶えざる自己変革-という5つの理念の下、国立大学としての使命を果たすべく取り組んできました。こうした理念を踏まえ、「平和を希求する国際的教養人」の育成に取り組んでいるところです。
本学は文部科学省の「博士課程教育リーディングプログラム」に採択された2つの「博士課程リーダー育成プログラム」を設置しています。「放射線災害復興を推進するフェニックスリーダー育成プログラム」(2011年度採択)と「たおやかで平和な共生社会創生プログラム」(2013年度採択)です。
プログラムはともに、従来の学問領域・研究領域の枠組みを超えて地域・国際的諸課題にチャレンジする、イノベーティブなグローバルリーダーの育成を目的としています。まさに本学が目指す平和を希求する国際的教養人の1つの「かたち」であると確信しております。
広島大学には放射線災害・平和研究の誇るべき伝統と蓄積があります。総合研究大学として育んできた研究力・教育力を生かし、世界基準のカリキュラムを提供するとともに、奨励金の支給など学生支援にも全力で取り組んでいます。100年後にも光り輝く広島大学に向かって、ともに夢と希望を語り合える仲間を待っています。
2015年4月
広島大学大学院リーディングプログラム機構長
広島大学長 越智 光夫