【ポイント】
● ウイルス量が極度に低い血清サンプルでなければ、ほぼ全例でC型肝炎ウイルス薬剤耐性変異の有無が判定できる
● 変異型ウイルスの割合が1-2%であっても検出可能である。従来法に比べて、より高感度である
《本測定法の概略図》
【概要】
広島大学大学院医歯薬保健学研究院の茶山一彰教授、越智秀典講師らの研究グループは、ジェノタイプ1型のC型肝炎ウイルス治療薬NS5A阻害剤に対する薬剤耐性変異の有無を迅速・高感度に測定できる方法を開発しました。薬物耐性の有無の判定が98.8%の検体で可能となりました。また、変異型ウイルスの割合が1-2%であれば検出でき。従来法に比べて、より高感度になりました。
今回の研究成果は、C型慢性肝炎の内服治療の成否を左右する薬物耐性変異の有無を判定する検査の普及と、精度向上に役立つことが期待されます。この研究成果は米国のオンライン科学誌PLoS One(6月17日付け)に掲載されました。
【今後の展開】
薬物耐性の有無の判定はC型慢性肝炎の内服治療の成否を左右するとされています。今回の成果は、C型肝炎ウイルスの薬剤耐性変異検査の普及と精度向上に役立つと期待されます。
ターゲットの周辺配列に変異が多く含まれている場合、オリゴプローブによる変異判定は通常困難とされていますが、本法を応用することで解決できる可能性があります。各種薬剤耐性変異測定等に広く応用することができます。
【論文】
論文タイトル:"Rapid, Sensitive, and Accurate Evaluation of Drug Resistant Mutant (NS5A-Y93H) Strain Frequency in Genotype 1b HCV by Invader Assay"
著者:Satoshi Yoshimi, Hidenori Ochi, Eisuke Murakami, Takuro Uchida, Hiromi Kan, Sakura Akamatsu,
C. Nelson Hayes, Hiromi Abe, Daiki Miki, Nobuhiko Hiraga, Michio Imamura, Hiroshi Aikata, Kazuaki Chayama
ニュースリリース(405KB)
【お問い合わせ先】
広島大学大学院医歯薬保健学研究院 応用生命科学部門 消化器・代謝内科学
TEL:082-257-5190
FAX:082-255-6220
E-mail:chayama*hiroshima-u.ac.jp(*は@に置き換えて送信してください。)