【教育内容】
食道から肛門までの消化管の臨床を担当し、在学中はレベルの高い内視鏡専門医を目指してトレーニングを行っています。内視鏡診療は内視鏡診療科で、一般外来診察は消化器・代謝内科で行っています。現在、消化管癌(食道癌・胃癌・大腸癌など)・炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病など)などの消化管疾患は急増しており、種々の内視鏡手技、内視鏡診断学、治療内視鏡学、臨床病理学などは消化管専門医に必須です。特に消化管内視鏡専門医は、患者数も多く社会的な需要が極めて高く、関連病院においても消化管専門医は絶対的に不足しています。下記の修練により、日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医などを目指した訓練を行っています。
1.消化管X線造影検査(食道・胃十二指腸・小腸・大腸の造影と読影)
2.消化管内視鏡操作手技(上部消化管内視鏡、小腸内視鏡、大腸内視鏡)
3.内視鏡診断学(通常観察、色素内視鏡、拡大内視鏡、画像強調観察〈NBI & BLI〉、ダブルバルーン小腸内視鏡、小腸・大腸カプセル内視鏡、超音波内視鏡、超音波内視鏡下穿刺術など)
4.治療内視鏡学(腫瘍の粘膜切除〈EMR〉、内視鏡的粘膜下層剥離術〈ESD〉、アルゴンプラズマ凝固療法、消化管出血に対する止血術、異物除去術、胃瘻造設術、狭窄拡張術、ステント挿入術など
5.体外式超音波検査による消化管診断学(急性腹症、炎症性腸疾患、腫瘍、機能性消化管疾患など)
6.消化管機能検査(体外式超音波検査、内圧測定、シンチグラフィーなど)
7.化学療法(食道表在癌、悪性リンパ腫などに対する放射線化学療法など
8.炎症性腸疾患に対する血球成分除去療法(GCAP, LCAPなど)・在宅経腸栄養療法
9.消化器外科・病理・放射線治療科などとの癌およびIBDに関する合同カンファレンス
【研究内容】
基礎研究分野のみでなく、臨床研究にも力を入れています。症例1例1例を大切にしながらこれまで蓄積してきた多くの臨床材料を用いた研究、消化管研究室(4研)OBを中心とした強力な診療ネットワークを利用した多施設共同研究など、臨床データと基礎研究手法をうまく組み合わせながら、21世紀の臨床の場にフィードバックしうる「実地診療に役立つ研究成果」を目指すことを基本とし、基礎研究と臨床研究をバランスよく融和させながら日夜研究活動に頑張っています。基礎研究・臨床研究の選択は、個人の希望と適性・能力により決定し、自由な雰囲気でのびのびと研究活動を行なっています。
1.腫瘍・癌(消化管癌の形態診断、消化管癌の内視鏡治療、化学療法・放射線治療、病理組織学、分子病理・分子生物学的手法、ゲノム解析などを用いた消化管癌の組織発生・増殖・浸潤・転移の病態解明など)
2.炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病などを対象に、臨床診断と治療、新しい画像診断学の開発、免疫学的あるいは分子生物学手法を用いた病態解明、Colitic cancer の発癌機構の解析など)
3.Helicobacter pylori 関連疾患(酸関連疾患、胃癌、MALTリンパ腫などの診断と治療、臨床病理学・分子病理学・分子生物学的手法を用いた病態解明)
4.新しい内視鏡診断・治療、機器開発に関する研究(新しい内視鏡機器・技術開発、画像診断学、内視鏡治療学、内視鏡技術の精度管理、臨床・分子病理学・免疫学の内視鏡診断・内視鏡的摘除後の根治度判定法開発など)
5.消化器検診(ペプシノゲン法、胃X線検査、便潜血、臨床疫学など)
【写真説明】広島大学第一内科・消化管研究室(内視鏡医学研究室)のスタッフと大学院生
【写真説明】第12回広島消化管内視鏡ライブセミナー
【写真説明】第10回広島EMR/ESDハンズオンセミナー
【写真説明】第101回日本消化器内視鏡学会を主催(2021.5.14-16 広島市)
【写真説明】第76回日本大腸肛門病学会を主催(2021.11.12-13 広島市)