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ついに発見、「軽い」超新星-すばる望遠鏡を用いた研究成果をネイチャー誌に発表



確認した超新星の写真 

超新星 SN 2005cz とそのホスト銀河 NGC 4589。矢印で示された天体が超新星。

すばる望遠鏡と微光天体分光撮像装置FOCASにて2005年8月10日に撮影(国立天文台すばる望遠鏡提供)。

 広島大学、東京大学、マックスプランク研究所などを中心とする研究グループは、アマチュア天文家・板垣公一さんが2005年に発見した特異な超新星を、すばる望遠鏡などを用いて観測した結果、重力の崩壊で起こる超新星爆発によって生涯を終える星の中で、この超新星が、最も軽い(太陽の10倍程度)種類に属する星の爆発であることを初めて突き止めました。

 このような「軽い」超新星は、理論上、多数存在することが予測されていましたが、爆発の観測から直接確認されたのはこれが初めてです。これにより、超新星爆発に関わる恒星進化の理論が大筋で正しいことが確認されました。超新星が宇宙の進化に与えた影響を研究するうえでも重要な手掛かりになると期待されます。

 この研究成果は、英国科学学術誌『Nature』の2010年5月20日号に掲載されました(※オンライン版は日本時間の5月21日までに掲載見込み)。



■論文タイトル:A Massive Star Origin for An Unusual Helium-Rich Supernovae in An Elliptical Galaxy(邦訳:楕円銀河に現れた特異なヘリウム過剰な超新星は大質量星が起源である。)

■著者:川端弘治、前田啓一、野本憲一、Stefan Taubenberger、田中雅臣、Jinsong Deng、Elena Pian、服部尭、板垣公一

 『Nature』掲載に先立ち、5月18日(火)、広島大学と東京大学は、共同で記者会見を開催し、この研究成果を発表しました。記者会見には多くの報道関係者が集まり、研究成果の意義、プロフェッショナルとアマチュアの連携の利点・役割についてなど、熱心な質疑応答が交わされました。

発表を行う川端弘治准教授(本学宇宙科学センター) 左から、板垣公一さん(アマチュア天文家)、

野本憲一特任教授(東京大学)、前田啓一特任助教(同)、

川端准教授
たくさんの報道関係者が参集。

【詳細URL】

【この研究に関するお問い合わせ先】

○広島大学宇宙科学センター 

准教授 川端弘治

TEL: 082-424-5765 (研究室) 

E-Mail: kawabtkj(AT)hiroshima-u.ac.jp



○東京大学数物連携宇宙研究機構 

*特任助教 前田啓一

TEL:04-7136-6559 (研究室) 

E-Mail:keiichi.maeda(AT)ipmu.jp



*特任教授 野本憲一

TEL:04-7136-6567(研究室)  

E-Mail:nomoto(AT)astron.s.u-tokyo.ac.jp

※上記いずれも、(AT)を@に変換して送信してください。


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