シンポジウム「資料から問い直す地域研究のあり方」を開催します。



アジア社会文化研究会 学生プロジェクト2011

シンポジウム 「資料から問い直す地域研究のあり方」を開催します。

師走の候、皆さま方におかれましては、ますますご盛栄のこととお喜び申し上げます。

さて、本研究会では1994年の発足以来、研究会の開催と、そこでの議論を基にした査読付き雑誌の発刊という二本柱での活動を進めてきました。2008年度には総合科学研究科RM養成プログラム学生プロジェクトの助成を得て、シンポジウム「地域研究を問い直す」を開催し、特集号として『アジア社会文化研究』第10号を発刊いたしました。

この第一期プロジェクトを引き継ぐ形で、本年度後期に総合科学研究科RM養成プログラム学生プロジェクトの助成を得て、第二期プロジェクト「学際的な地域研究を志向する研究会の展開と拠点化~アジア諸地域研究をめぐる知のネットワーク形成をめざして~」を新たに開始いたしました。そこで、他分野と連携した総合的な地域研究に取り組む総合科学研究科の理念と合致した研究会として、学外研究者とのネットワーク形成を図るためのシンポジウムを開催いたします。

年末のお忙しい時期とは存じますが、皆さま方にご参加賜りますよう、お願い申し上げます。



アジア社会文化研究会会長 高井 龍





開催日:2011年12月23日(祝) 10時~17時(予定) 

開催場所:広島大学大学院総合科学研究科第一会議室(事務棟(M棟)3階)

案内ポスターポスター(PDF 434KB)

開催場所の地図: こちら

お問合せ先:広島大学大学院総合科学研究科アジア社会文化研究会

E-mail:asiasyabunken-owner「@」yahoogroups.jp

webサイト:http://ajiashakaibunka.blog42.fc2.com/blog-category-1.html

お申し込みおよび参加費は不要です。多くの方のご参加をお待ちしております。

懇親会参加者はchu_shikoku「@」yahoo.co.jpまでご連絡ください

※メールアドレスの「@」は、半角@に直してください





■プログラム




午前の部(10:00~)

開会挨拶(趣旨説明):高井 龍 (アジア社会文化研究会会長、総合科学研究科博士課程)

セッション1:テーマ「資料といかに向き合い、なにを読み解くか」

内容:研究分野、研究対象によって異なる「資料」の多様性を明らかにしながら、分野横断的

なつながりを模索する。特に、母語としない言語の資料を用いる二名の発表者による歴史学的

及び文学的研究を通じて、資料といかに対峙しながら、そこから何を読み解くかということを考える。

司会者:川口 隆行(教育学研究科 准教授)



発表者1:オレクサンドル・コバレンコ(総合科学研究科 博士課程)

「史料翻訳の問題点 ―『信長公記』から見える歴史認識 ―」



発表者2:王 薇テイ (総合科学研究科 博士課程)

「川端康成『禽獣』論 ―文字で構築する空間をめぐって―」

コメント:崔 真碩 (総合科学研究科 准教授)



討論

午後の部(13:30~)



セッション2:テーマ「人とモノのエージェンシー:接触と身体感覚」 

内容:モノのもつエージェンシー(行為能力)に注目し、人とモノが作用し合いネットワークを

構築する過程や構造を明らかにする文化人類学的研究。本セッションでは特にモノと人の

「接触と身体感覚」、つまりモノに直接触れること、触れられないこと、モノを通じた手応えに

注目する。



越智は沖縄において「あの世の家」と呼ばれる墓に用いられる物質の変化に注目し、墓を作る

こと、改修することを通じた長期間にわたる墓と人との相互交渉を考察する。楊は、日常品で

あったモノが被爆し、遺族の手を離れて資料館の展示物となる中でモノが力を「獲得」していく

過程を考察する。岡田は、高等教育機関の障害学生修学支援の場においてICTを活用する

ことによる影響を、支援の運営側・支援学生・ニーズのある学生それぞれの立場に着目して

検討する。

司会:長坂 格(総合科学研究科 准教授)



発表者1:越智 郁乃(総合科学研究科 特別研究員)

「モノの変化から見る墓と人の繋がり ―現代沖縄における墓の変容を通じて―」



発表者2:楊 小平(国際協力研究科博士課程)

「モノの力と感情の記憶 ―被爆遺品の事例を通して―」



発表者3:岡田 菜穂子(広島大学アクセシビリティセンター 特任助教)

「高等教育機関における障害学生修学支援とICT活用についての人類学的研究の可能性」

討論

司会:長坂 格(広島大学大学院総合科学研究科 准教授)

コメンテーター:床呂 郁哉(東京外国語大学アジア・アフリカ言語研究所 准教授)





セッション3:総合討論:「私たちにとって資料とは何か」

パネリスト

王 薇テイ (総合科学研究科 博士課程)

岡田 菜穂子(広島大学アクセシビリティセンター 助教)

越智 郁乃(広島大学大学院総合科学研究科 特別研究員)

オレクサンドル・コバレンコ(総合科学研究科 博士課程)

川口 隆行(広島大学大学院教育学研究科 准教授)

崔 真碩 (広島大学大学院総合科学研究科 准教授)

床呂 郁哉(東京外国語大学アジア・アフリカ言語研究所 准教授)

福井 譲(仁済大学校 専任講師)

楊 小平(国際協力研究科博士課程)

(五十音順)

シンポジウム 終了後は、マーメイドカフェにて18時より懇親会を開催します。

参加費:教員5000円・学生3000円

懇親会参加者はchu_shikoku「@」yahoo.co.jpまでご連絡ください(※「@」は半角@に直してください)。



実行委員

学生:大久保豊、加茂川侑享、河内銀太、阪野佳子、諏訪春菜、高田唯、楊小平、西井美穂

PD研究員:新本万里子、越智郁乃

教員:三木直大、水羽信男、吉村慎太郎、長坂格


up