広島大学で開発された高性能センサーを搭載して今年6月に打ち上げられたフェルミガンマ線天文衛星(旧GLAST衛星)が、周期的にガンマ線を放射するパルサーを,CTA1と呼ばれる超新星残骸の中に新しく発見しました。
パルサーは,重い星が最後に超新星爆発を起こした後に出来る超高密度,超強重力,超強磁場を持つ中性子星であり,0.01秒から100秒くらいで高速回転する天体です。回転に伴って周期的なパルスが観測されます。これまでは電波やX線で多くのパルサーが見つかってきましたが,今回フェルミ衛星が見つけたパルサーは,ガンマ線でのみパルスを出している特殊な天体でした。たった一カ月の観測で,このようなパルサーが見つかったことは,広島大学で開発したセンサーが高性能であることを改めて示すとともに,私たちの銀河の中に同じような特殊なパルサーが大量に存在していることを予感させるものであり,パルサーの誕生や進化の研究が進むと期待されます。
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