第19回(2016年度第4回)広島大学極限宇宙研究拠点(Core-U)セミナーを開催します
【日時】 6月24日(金) 16:00-17:00
【場所】 広島大学 東広島キャンパス理学研究科E203会議室
【講演題目 講師】
「幻の流星群を追って」 渡部 潤一 教授 (国立天文台天文情報センター)
【講演 概要】
1956年12月5日、第一次南極越冬隊をのせて南極に向かっていた「宗谷」が、インド洋上で突然の流星雨に遭遇した。明るい流星が一時間に500個も出現し、その放射点(流星が四方八方に飛び出すように見える天球上で点)の位置から「ほうおう座流星群」と命名された。だが不思議なことに謎だらけであった。その後はほとんど出現しなかったばかりか、流星群の母親である彗星も1819年に一度だけ姿を見せた周期5.1年のブランペイン彗星らしいとされていたが、この彗星さえも行方不明であった。こうして”幻”の流星群となった。
2005年、地球近傍小惑星2003WY25の発見が、その”幻”の理由を解く鍵になった。われわれは最新のダスト・トレイル理論の計算によって、 1956年の大出現の理由、その後、出現しなくなった理由を明らかにし、さらには2014年には出現条件が良いことを見いだした。出現のピーク予測時刻は午前8時から10時(日本時)と、日本では昼間だったため、観察可能なスペイン・カナリー諸島とアメリカ東海岸とに遠征隊を送った。果たして、幻の流星群は出現するのか。
本研究の結果と彗星の物理的進化を知る上での意義を紹介する。
【お問い合わせ】
広島大学 宇宙科学センター
水野 恒史
電話:082-424-7379
mizuno(at)hepl.hiroshima-u.ac.jp (at)は@に変換してください。
極限宇宙研究拠点セミナー世話人 志垣賢太,水野恒史,両角卓也